ゼネコンとデベロッパー、造園会社、ハウスメーカーと工務店、それぞれ造園の仕事に違いはある?

ゼネコン・デベロッパーの違いと造園の仕事

ゼネコンやデベロッパーという言葉を耳にしたことはあるものの、意味を知らない人もいるでしょう。特に、造園業に興味のある人は、ゼネコンやデベロッパーとの違いや造園の仕事との関係性を知っておきましょう。

ゼネコン
ゼネコンとは、general contractorという英語の略で、日本では総合建設業を指します。ゼネコンは、特別建設業許可を受けた企業で、発注者から直接仕事を請け負う元請けとなり、請け負った業務の一部を下請け企業に発注できます。

ゼネコンは、道路やダム、トンネルなど社会インフラの構築、商業施設や公共施設の建設工事など、規模の大きな建設工事や土木工事を手掛けます。

デベロッパー
デベロッパーは、「developer」という英語で、開発者を意味します。一般的に、デベロッパーとは、都市開発や宅地開発などに携わる不動産会社を指します。マンションや商業施設の開発もデベロッパーの仕事です。

ゼネコン・デベロッパーの違いと造園の仕事
ゼネコンは、企画開発を仕事とするデベロッパーから仕事を請け、建設工事に進む流れが一般的です。ただ、ゼネコンとデベロッパーは、企業規模が大きくなる程、関係が対等であることも多く、同じ目的物を完成させるために共に働くパートナーともいえるでしょう。

ゼネコンは、工事を請け負った後、工種毎に下請け企業に仕事を発注しますが、下請けには造園企業も含まれます。ゼネコンが手掛ける工事は、建物やインフラが主となるため、造園企業は造園に関する工事の下請けになります。

造園を専門にしている会社の仕事内容

造園屋などと呼ばれる造園業を専門にしている会社は、日本中に数多く存在します。造園業の仕事内容は幅広く、会社によって得意分野が異なります。

一般的に、造園会社と聞いて一般の人がイメージしやすい仕事内容は、個人邸宅における植木の剪定かもしれません。もちろん、個人宅を対象とした植木の剪定を専門としている造園会社もあります。

一方で、数多くある造園会社の中には、庭全体の設計や施工、外構工事まで引き受けている場合もあります。

民間からの依頼だけでなく、特に規模の大きな造園会社なら、公共工事を引き受ける場合もあるでしょう。

造園会社が造園工事をするには、軽微な工事を除き、建設業許可を得なければなりません。建設業許可を得た造園業は、植栽工事や景石工事、地被工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、園路工事、水景工事、屋上緑化工事などの造園工事に携わります。

造園工事を手掛ける企業には、造園施工管理技士などの資格取得者が在籍し、施工管理に携わります。

普段の生活において、一般の人にはあまり関わりがないと思われがちな造園業ですが、公園の遊具やベンチの設置工事、ビルや商業施設の緑化工事など、造園会社は人々の生活に密着した工事に携わっています。

ハウスメーカーや工務店の得意分野は?

個人宅を建築する際、ハウスメーカーや工務店に依頼する人もいるでしょう。

家を建築する人は、家の建築工事だけでなく、外構工事もそのままハウスメーカーや工務店に依頼する場合が多いはずです。

しかし、ハウスメーカーと工務店には違いがありますし、得意分野も異なるので、外構工事を依頼する際、依頼者は、依頼先をよく検討する必要があるでしょう。

ハウスメーカー
ハウスメーカーに正式な定義はありませんが、一般的に、ハウスメーカーは、自前の工場を持ち、建築材料などを工場で生産し、現場で材料を組み立てることで、注文住宅を大量生産している建築を得意とする企業を指します。

ハウスメーカーは、商品の品質も安定しており、アフターメンテナンスサービスも充実していることなどから、依頼者からの信頼度は高いでしょう。

一方で、ハウスメーカーは、仕様が統一されており、工期は短く済むものの、依頼者にとっては自由度が低いと感じられることもあります。

工務店
工務店は、デザインや施工などを得意とします。工務店と呼ばれる企業は、特定のエリアに根差した営業スタイルが多く、企業規模は様々です。

建築物の設計に関しては、ハウスメーカーよりも自由度が高いですが、工期は長くなりがちで、職人のスキルによって品質にばらつきが出ることもあります。

また、アフターメンテナンスをはじめとした各種サービスも工務店によって異なるので、工務店の特徴や評判をよく確認すると良いでしょう。

ハウスメーカーや工務店と造園の仕事
住宅を建築する際、ハウスメーカーや工務店に家の建築を依頼したついでに、外構工事まで依頼する人は少なくありません。

しかし、ハウスメーカーや工務店は、外構の専門ではありません。また、ハウスメーカーや工務店が外構工事を受注した場合、下請けとなる造園業などが外構工事を手掛けることになります。

造園業は造園の専門ではありますが、外構工事の依頼者と造園業の中間に、エクステリアに関する知識の浅いハウスメーカーや工務店が入ることで、依頼者の希望通りの庭に仕上がらなかったり、金額が高くなったりする場合があります。