
造園と緑化は意味合いが近いこともあり、具体的にどのような違いがあるのかわからない方も多いのではないでしょうか。どちらも植物を活用する環境整備の活動ですが、目的や実施方法に違いがあります。
今回の記事では、緑化と造園の違いを解説しています。また、緑に関わる仕事内容も紹介しているため、植物に関連する仕事が気になっている方は参考にしてみてください。
造園とは

造園とは、庭園や公園などの空間で、樹木や草花などの植物材料に加え、石や砂、土などの自然素材を活用して池や築山を造り出し、新たな空間をデザイン含めて創造することです。
造園を職業とするのが造園業であり、個人の住宅庭園や歴史ある神社仏閣の庭園、各種商業施設の緑地、都市公園、道路の植栽、レジャー施設である遊園地、スポーツ施設のゴルフ場まで、日常生活に存在する緑の全般が対象です。
造園業は、人々の生活に潤いと安らぎをもたらす重要な役割を担っています。
緑化とは

緑化とは、さまざまな環境で草木を植栽して緑を増やす活動です。一般的な道路沿いの街路樹から、環境改善を目的とした屋上緑化や壁面緑化まで、緑化の形態は多様化しています。
緑化の取り組みの主な目的の1つは、植物の自然機能を活用して地球温暖化やヒートアイランド現象などの環境問題の改善を図ることです。また緑化は都市部の熱環境を緩和する効果があるだけでなく、夏は断熱効果、冬は保温効果をもたらします。
緑化により室内環境が安定し、空調設備の稼働率が低下するため、結果として電力消費の削減や省エネルギー化につながる経済的メリットも生じます。緑化は環境保全と経済効率の両面から現代社会に貢献する重要な取り組みです。
造園と緑化の違い

造園と緑化は、植物を活用する環境整備活動ですが、目的やアプローチに違いがあります。
緑化は主に環境改善や美化を目指し、都市空間や建築物に植物を導入することで環境負荷軽減や景観向上を図ることが目的です。一方、造園はより計画的に空間全体の景観を整える目的を持ち、機能性と美観の両立を重視します。
一般的に緑化は基本的に緑の増加に焦点を当て、植物の環境調整機能を活用しますが、造園はデザイン性を重視し、植物以外にも石や水などの自然素材を含めた総合的な空間構成を行うことが特徴です。
実施方法も、緑化は主に植樹や植栽を中心とするのに対し、造園は計画的なデザインから始まり、地形造成や構造物設置を含む複合的な施工プロセスを伴います。
造園と緑化は対立概念ではなく、相互に補完し合う関係でもあります。優れた造園には効果的な緑化要素が含まれ、緑化も造園的視点を持つことでより質の高い空間創出が可能となります。
緑に関わる仕事には何がある?

緑に関わる仕事の1つが庭師です。庭園の管理や植物の手入れを専門とする庭師は、古くから受け継がれてきた伝統的な職業であり、樹木の剪定や草花の育成などの技術を駆使して、庭園の美しさを維持します。
造園施工管理技士も緑に関わる仕事であり、造園工事の現場で全体を監督する責任者としての役割を担っています。工事計画の立案から施工管理、品質管理、安全管理まで、造園プロジェクトの円滑な進行と完成を確保するために欠かせない役割です。
また樹木医は、樹木の健康状態を調査・研究し、的確な診断と治療を行う専門家です。歴史的価値のある老木や巨木の保存活動では、樹木医の専門知識が欠かせません。
さらに、外構空間のデザインを手がけるエクステリアデザイナーや植物を活用した空間演出を行うグリーンコーディネーター、植物の選定や管理についてアドバイスを提供するグリーンアドバイザーなど、緑に関わる専門職は多様化しています。
緑に関わる仕事に就くには?

緑に関わる仕事に就くためには、まず実践的なアプローチとして求人情報を確認することが重要です。
知識やスキルを闇雲に身につける前に、実際の業界で求められている具体的な能力や資格を把握することで、効率的なキャリアプランを立てられます。
求人情報を確認するにあたって、みどり求人ナビは緑化・造園業界に特化した求人サイトとして有用なツールです。
みどり求人ナビでは、緑に関わるさまざまな職種の求人が掲載されており、それぞれの職種で実際に求められるスキルや経験、資格などの条件を具体的に確認できます。
さらに、みどり求人ナビでは単なる求人情報の提供だけでなく、就職・転職のサポートサービスも充実しています。履歴書・職務経歴書の添削、面接対策など、就職活動を総合的にバックアップする体制が整っていることが特徴です。
緑に関わる仕事は、専門性や必要な資格が職種によって異なるため、まずはみどり求人ナビなどを通じて実際の求人情報を詳しく調査し、自分の興味や適性に合った職種を見極めることが、この分野でのキャリア構築の第一歩となるでしょう。
まとめ

今回の記事では、緑化と造園の違いを解説しました。造園と緑化は、植物を活用する環境整備活動ですが、目的やアプローチに違いがあります。
実施方法も含めてさまざまな違いがある一方で、造園と緑化は対立概念ではなく、相互に補完し合う関係でもあります。優れた造園には効果的な緑化要素が含まれ、緑化も造園的視点を持つことでより質の高い空間創出が可能です。
緑に関わる仕事の種類や、緑に関わる仕事に就くためのポイントも紹介しているため、仕事内容に興味のある方は参考にしてみてください。