造園業で年収をあげるにはどんな方法がある?

造園技師の年収は安い?それとも高い?

造園業の平均年収は約360.7万円で、全国平均458万円と比較して低い水準にとどまっていますが、これは「見習い時代」の年収が含まれていることが要因として考えます。

見習い時代は平均よりも収入が低くなりがちですが、経験を積んでスキルを磨くことで向上する可能性があります。

また一般的に、独立開業や大手造園会社での勤務、資格取得によって年収は上がります。

独立すれば、受注やクライアントの拡大により収入が伸び、資格を取得することで専門性が高まり、高い単価で仕事を請け負うことが可能となるでしょう。

造園業での年収アップは計画的なキャリアアップを考え、スキルや資格の取得に注力することが重要です。専門性や経験が評価されるため、積極的なキャリア戦略を立てていくことが年収向上のポイントになります。

出典:厚生労働省/職業情報提供サイト(日本版O-NET)

出典:国税庁/令和4年分 民間給与実態統計調査

低年収なイメージを持たれる理由

造園業が低年収なイメージを持たれる理由として、学歴不問で誰でも挑戦できることが挙げられます。大学卒業が求められる職種と比較して、造園業は学歴の制約が緩いため、多くの人が手軽に参入可能です。

また、「きつい・汚い・危険」の”3K”の仕事として捉えられがちで、これが造園業のイメージを形成しています。

植木の手入れや庭の整備など、炎天下での作業、高所での作業、害虫駆除など、体力や精神力を要する厳しい条件下で行われることが要因の1つでしょう。

さらに、造園業では季節に応じた作業や、職人の技術が求められます。専門知識やスキルを身に付けなければならない一方で、その技術が一般に認知されにくいことも要因として挙げられます。

一方で、技術や資格を身に付け、独立開業すると年収が格段に上がる可能性があります。低年収のイメージはあくまで初期段階や未熟なスキルの段階であり、専門性を高めれば十分な収入を得られる職種となるでしょう。

年収を上げる方法

低年収のイメージのある造園業ですが、努力次第では年収を上げる方法があります。独立開業して一人親方になる方法と、資格をとって転職をする方法の2つです。

それぞれの内容を解説します。

独立開業(一人親方)する
独立開業は年収を上げる有効な手段です。一人親方の場合、自らの努力によって年収を上げることが可能です。仕事の受注が増えると、受注数に応じて収入も増加するでしょう。

独立した場合、受注した仕事の数や規模によって収入が変動します。効果的な営業活動や質の高いサービス提供により、信頼を築き受注量を増やすことが収入増加につながります。

同時に、単価を適切に設定し、高い付加価値を提供することで、単価を上げることも可能です。

また、独立開業の利点は定年がないことです。年齢に関係なく活動できるため、経験を積み重ね、信頼を築いていけば、長期的に収入を得られます。

資格をとって転職する
年収を上げる方法として、造園業に関する資格を取得し転職することも有効です。資格を有することで、自身の技術や知識を明確にアピールできるでしょう。

資格は第三者からの認定であり、信頼性が高まることで、専門性をアピールする手段となります。さらに特定の資格を取得するだけでなく、幅広い資格を獲得することで対応可能な業務の幅を広げ、自身の市場価値を向上させられるでしょう。

資格取得は勉強を伴いますが、顧客に対する安心感につながります。顧客は信頼できるプロフェッショナルに仕事を依頼したいと考えるため、資格取得は顧客獲得に対する影響が大きく、結果として年収アップにつながるでしょう。

年収アップにつながりやすい資格とは?

年収アップにつながりやすい2つの資格を紹介します。技術面を証明する造園技能士と、管理者としての立場で業務に関われる造園施工管理技士の2つです。

造園技能士
造園技能士は、造園業務での高度な技術を有することを証明する資格です。庭園だけでなく、公共施設や商業施設の緑化、街路樹の管理など、多岐にわたる分野に携わります。

景観だけでなく将来を見越した手入れや計画が必要であり、高い技術と知識が要求されるため、資格による証明が必要です。

造園技能士資格には3級、2級、1級とあり、2級以上は実務経験が必要ですが、これは、実践的なスキルや専門的な知識を重視しているためです。造園技能士は環境美化や景観の向上に寄与するだけでなく、長期的な緑の管理にも貢献します。

造園技能士の専門性は、持続可能で美しい環境を創り出すために不可欠であり、公共の空間や私有地の価値を向上させる役割を果たします。そのため、資格を保有することは年収アップへとつながりやすいでしょう。

造園施工管理技士
造園施工管理技士は、施工管理を主導し、コスト管理や安全管理を行いながら進捗を管理・監督できる資格です。

現場では、工事を主導する「主任技術者」や大規模な現場の場合は「監理技術者」が必要ですが、造園施工管理技士は2級で主任技術者、1級で監理技術者として活躍できます。

造園施工管理技士はプロジェクトの計画段階から完了まで、品質の維持とプロジェクトの円滑な進行に努めます。施工プロセスでの技術的な問題や課題に対処し、コストとスケジュールを効果的に管理する能力が求められるでしょう。

造園施工管理技士は、責任のある立場でプロジェクトに携わり、そのため年収が上がりやすいとされています。

まとめ

今回の記事では、造園業で年収を上げる方法を解説しました。造園業の年収は約360.7万円で、全国平均458万円と比較して低い水準です。

低年収のイメージを持ちやすい造園業ですが、経験を積んで独立することや資格を取得することで年収を上げることが可能です。

年収アップにつながる2つの資格を紹介しているため、造園業として年収アップを考えている方は参考にしてみてください。