
造園業の仕事としてよく挙げられるものの1つに、樹木の枝葉を切って形を整える「剪定」があります。
この剪定作業を行うために必要な資格はあるのでしょうか。
そこで本記事では剪定に関する資格について紹介します。

剪定に関する資格には何がある?
剪定作業を行う上で、必須の資格はありません。
ですが剪定作業を仕事として請け負うときには、関連資格の所有を求められる場合があります。
たとえば公共施設の維持管理や公園の剪定作業などを行う公共工事では入札条件の1つとして、関連資格を持つ技術者の配置を義務づけています。
剪定に関する資格は、大きく国家資格と民間資格に分けられます。
国家資格とは国の法律に基づいて、その人の能力や知識を判定したり、特定の職業に従事していると認定したりするものです。
剪定に関する国家資格としては、造園技能士、造園施工管理技士などがあります。
対して民間団体が独自に定めた基準で、個人の知識やスキルを判定するのが民間資格です。
剪定関連では、庭園管理士、街路樹剪定士などが代表的な資格でしょう。

剪定に関する国家資格とは
剪定に関する国家資格の中から、造園技能士と造園施工管理技士の2つを紹介します。
造園技能士
厚生労働省では職業能力開発促進法に基づき、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」として、技能検定を実施しています。
引用:中央職業能力開発協会HP
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html
全133職種あるうちの1つが造園職で、この検定合格者に与えられるのが、造園技能士の称号です。
1級から3級があり、それぞれ難易度、受検資格などが異なります。
試験は、選択式問題の学科と、指定された区間に小庭園を製作する作業試験、樹木の枝葉から名前を判定する判断等試験がある実技試験に分けられます。
造園施工管理技士
造園施工管理技士とは、建設業法第27条に基づいて行われる、施工管理技術検定の造園部門で認定される資格です。
1級、2級があり、受検資格、難易度などが異なります。
検定試験は第1次検定と第2次検定に分かれていて、第1次検定合格者は「造園施工管理技士補」、第2次検定合格者は「造園施工管理技士」と呼ばれます。
1級、2級とも、第1次検定はマークシート式による択一式問題、第2次検定は施工管理法に関する記述式の筆記問題です。

剪定に関する民間資格とは
剪定に関する民間資格として、エクステリアプランナー、庭園管理士、街路樹剪定士の3つを紹介します。
エクステリアプランナー
エクステリアとは、建物の外回り空間を意味する言葉です。
エクステリアの設計や工事の施工管理に関する技術・知識を持つ人に対して公益社団法人日本エクステリア建設業協会が認定するのが、エクステリアプランナーです。
1級、2級があり、難易度が異なります。試験は5肢択一方式、マークシート方式の学科と、語彙選択式問題及び作図問題が出される実地に分かれています。
庭園管理士
庭園管理士とは日本園芸協会が認定する資格で、庭園技能講座を受講し、全6回の課題に合格することで取得できます。
講座では、一般的な庭木の剪定技術や手入れの仕方、庭園に関するさまざまな知識などについて学べます。
2級造園技能士を受検する人向けの特別なカリキュラムと教材も準備されているので、受検対策にも役立ちます。
庭園管理士の資格は、資格取得を通じて庭の手入れに関するさまざまな知識や技術を身につけられる点が特徴です。
街路樹剪定士
樹木の生態や街路樹に関する専門的知識などを併せ持つ人に対して与えられる資格が、街路樹剪定士です。
一般社団法人日本造園建設業協会が認定・登録しています。
街路樹剪定士の試験を受けるためにはまず、同協会の各支部で開催される研修会に参加しなければなりません。
また、労働安全衛生法に基づくフルハーネス型墜落制止用器具の特別教育を受講していることも必要です。
さらに1級造園技能士の資格を所有しているか、2級造園技能士で2年以上の剪定業務経験がなければなりません。資格を持っていない場合は、7年以上の剪定業務経験が必要です。
試験は、研修内容から出題される択一式問題の学科と実技試験があります。

みどりに関わる仕事に就くには?
剪定に関する資格にいろいろな種類があるように、求められるスキルも仕事内容によってさまざまです。
そのため、みどりに関わる仕事に就きたいと考えたときには、どのような準備をしたら良いのか、迷ってしまうことがあるかもしれません。
そんなときにはまず、実際の求人内容をみて、具体的な仕事内容やどんな知識・技術が必要なのかを確認してみるのがおすすめです。
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まとめ
剪定に関する資格には、国家資格である造園技能士、造園施工管理技士、民間資格であるエクステリアプランナー、庭園管理士、街路樹剪定士などがあります。
資格がなければ剪定できないわけではありませんが、仕事として請け負う場合には、規模や内容によってこれらの関連資格を所有していることが必要なケースがあるので、注意が必要です。