国家資格である園芸装飾技能士とは造園業と関係がある?資格内容や取得方法などを解説

園芸装飾技能士とは

園芸装飾技能士は国家資格の一つで、園芸装飾技能士を名乗るには、都道府県職業能力開発協会が実施する技能検定試験に合格しなければなりません。

造園業に関する資格では、造園施工管理技士をはじめ有名な資格が幾つもありますが、園芸装飾技能士は、造園業などで活躍する造園技能士と同様、技能検定制度の一種です。

園芸装飾技能士は1級から3級があり、一番レベルが高いのが1級です。資格の難易度としては、高い方ではありません。

園芸装飾技能士の資格は、室内の観葉植物の配置、装飾、維持管理などに必要とされる知識、技能を持っている証明となります。

園芸装飾技能士と造園業には関係があり、仕事をする上で必須の資格ではありませんが、造園施工管理技士の資格保有者も、園芸装飾技能士の資格を取得することで仕事の幅が広がるでしょう。

園芸装飾技能士の仕事内容

園芸装飾技能士は、インドア・グリーンサービスと呼ばれる仕事に携わります。インドアという単語から想像できるように、園芸装飾技能士は一般家庭やホテル、商業施設などの室内空間にある観葉植物の装飾や維持管理をし、人々に癒やしや潤いのある空間を提供するスペシャリストです。

園芸装飾技能士は、装飾するにあたって、色合わせやバランスなどのセンスも求められるでしょう。また、園芸装飾技能士は植物の維持管理や衛生面の仕事にも携わるため、植物に関する幅広い知識も欠かせません。

植物に関すること以外にも、園芸装飾技能士は仕様書を作成したり、見積もりを出したりするなど事務作業もこなさなければならないため、経営的な知識も求められます。

園芸装飾技能士になるには

園芸装飾技能士になるためには、技能検定試験を受験し、合格しなければなりませんが、2級と3級は合格率が7割を超えていることから易しめと言えるでしょう。1級でも、5割強の合格率が出ています。

受験資格
園芸装飾技能士の資格試験は、受験資格を満たす必要があるため、誰でも受験できるわけではありません。

園芸装飾技能士1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験が求められます。園芸装飾技能士3級は、平成25年4月から6ヶ月に満たない実務経験でも受験できます。

必要な実務経験年数は学歴や職業訓練歴などによって短縮される可能性があるため、最新情報を確認しましょう。

生花店など植物と触れ合う仕事で実務経験を積むことはできますが、自分の経験が園芸装飾技能士の受験に必要な実務経験に認められるかどうかがわからない人などは、最寄りの都道府県職業能力開発協会に問い合わせましょう。

試験内容
園芸装飾技能士は、各級で学科試験と実技試験を受験します。学科試験は、真偽形式問題や択一問題で、室内園芸装飾法や観葉植物の維持管理、安全衛生などから出題されます。

実技試験は、観葉植物の維持管理や室内園芸装飾などの能力を見られます。園芸装飾技能士1級の実技試験では、設計図や仕様図の作成、精算までが課題となっており、他の級に比べて、幅広い分野の理解が求められるでしょう。

勉強法の例
受験者は、参考書や過去問を勉強に活用すると良いでしょう。過去問には園芸装飾技能検定試験・学科問題集、参考書には園芸装飾必携が販売されています。資格の難易度は高くないとは言え、特に園芸装飾技能士1級はきちんと対策しなければ合格は容易ではないため、計画的に勉強しましょう。

園芸装飾技能士の年収や将来性は?

緑のある生活は安らぎや寛ぎを与えてくれることから、植物はインテリアに取り入れられてきました。

近年は、ボタニカルライフ、ロハスなどの言葉が聞かれるように、ナチュラル志向で健康的な生活を好む人が増えているため、園芸装飾技能士の需要は今後も期待できるでしょう。

ただ、園芸装飾技能士としてフリーランスで活躍できる人は多くなく、園芸装飾技能士の就職先としては造園会社、園芸会社、生花店、植木屋、ホームセンターの園芸部門、ガーデンセンターなどが主になります。

年収
園芸装飾技能士の年収の相場は200万円から400万円となっています。就職する企業の賃金体系に大きく左右されるため、年収を重視する人は、就職活動前に企業の待遇を確認しましょう。

園芸装飾技能士の年収相場は高い方ではありませんが、しっかり実務経験を積んでいる人なら優遇される可能性もありますし、他の資格もあるとより高い収入を期待できるかもしれません。

まとめ

園芸装飾技能士は、植物を通して空間を演出することで、人々に癒やしや安らぎを与えられる仕事です。植物が好きな人にとっては天職と言えるでしょう。

造園業に関連する資格の中でも、園芸装飾技能士はマイナーな方ではありますが、園芸装飾技能士を募集している求人もありますし、入社後に園芸装飾技能士の資格取得支援をしてくれる企業もあります。

園芸装飾技能士の資格取得には実務経験が必要なため、植物に興味がある人や植物に関わる仕事をしたい人などは、園芸装飾技能士の資格を取得でき、活かせる職場などを探してみると良いでしょう。