国際園芸博覧会とは?
国際園芸博覧会は、国際園芸家協会(AIPH)に認定された博覧会で、日本では「花博」と呼ばれることもあります。
国際園芸博覧会は、A1、B、C、Dに区分されています。A1は、開催期間が3ヶ月から6ヶ月、最低面積が50haで、4区分の中では最上位になります。2027年に横浜で開催される予定の国際園芸博覧会は、A1に区分されます。
開催期間が3ヶ月から6ヶ月で、最低面積が25haの国際園芸博覧会はB、開催期間が4日から30日で最低面積が0.6haの国際園芸展はC、国際園芸見本市はDの区分に該当します。
国際園芸博覧会は、すべての区分において、国際園芸家協会の承認を得た上で開催されます。国際園芸家協会とは、世界中の園芸生産者の利益を図ったり、園芸技術を向上させたりする目的で作られた非営利団体で、日本を含め、世界76ヵ国の団体などによって構成されています。
日本からは、一般社団法人日本造園建設業協会が会員になっています。
A1に区分される国際園芸博覧会では、国際園芸家協会の承認に加え、博覧会国際事務局(BIE)の承認も得なければなりません。博覧会国際事務局とは、国際博覧会に関する条約に基づいて、170ヵ国の加盟国の拠出金によって運営される組織です。
日本において、最上位クラスであるA1に該当する国際園芸博覧会は、1990年に国際花と緑の博覧会「大阪花の万博」が大阪で開催されています。大阪花の万博は、アジアで初めて開催されたA1の国際園芸博覧会です。
また、Bに区分される国際園芸博覧会については、2000年に国際園芸・造園博覧会ジャパンフローラ2000(淡路花博)、2004年にしずおか国際園芸博覧会パシフィックフローラ2004(浜名湖花博)が日本で開催されています。
ちなみに、直近の国際園芸博覧会は、2022年にオランダ王国にて、アルメーレ国際園芸博覧会が開催される予定です。
開催意義や目的は?
国際園芸博覧会とは、国際的に園芸文化を普及させること、花や緑など植物に囲まれた暮らしの推進、地域・経済の創造、社会が抱える課題解決への貢献などを目的にして開催される大規模な博覧会です。
2027年の国際園芸博覧会において掲げられているテーマは、「幸せを創る明日の風景」です。
2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会では、本来の国際園芸博覧会の目的に加え、2030年にSDGsを達成するため、持続可能な社会の形成への取り組み方や成果を確認したり、世界と情報を共有する機会を作ったりする目的があります。
SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、2015年に国連で開催されたサミットにおいて、2015年から2030年までの長期的な開発指針として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されています。現在も、日本では政府や企業をはじめ、多くの人がSDGsに関する活動に取り組んでいます。
また、2027年の国際園芸博覧会では、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標も見据えるなど、未来に向けた取り組みに関する情報を世界と共有する機会となるように準備が進められています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。
特に、スマートシティに関する取り組みやグリーンインフラの導入、園芸を通じた農業や農村の活性化、地方創生など、緑や花に囲まれた園芸文化による恩恵を受けている情景を一般の人々に具体的に示すことで、人々の意識が、今まで以上に自然環境を尊重するよう変化する期待も込められています。
SDGsやカーボンニュートラルなどについて、具体的な内容を知らない人なども、国際園芸博覧会を通してきっと関心を持てるようになるでしょう。
開催日程などの詳細は?
横浜は、花と緑、まちを支える市民、団体、企業の活動が活発であり、2017年に開催された全国都市緑化よこはまフェアにおいては600万人もの人が訪れるなど、国際園芸博覧会を開催するのに相応しい土地だといえます。
2027年の国際園芸博覧会に関心のある人は、具体的にいつ、どこで開催されるのかをしっかり把握しておきましょう。
開催日程
国際園芸博覧会は、2027年3月から9月の6ヶ月間にわたって開催されます。
開催場所
2027年の横浜での国際園芸博覧会は、旧上瀬谷通信施設にて行われる予定です。
旧上瀬谷通信施設は、横浜市の北西部に位置する面積約242haの平坦な土地となっています。以前は米軍に土地が提供されていましたが、2015年に返還されており、農業振興や都市的土地利用をはじめとする新しいまち造りが推進されています。博覧会の区域は約100haです。
参加者人数
有料来場者数は、1000万人以上が見込まれており、ICT活用や地域連携などの多様な参加形態をすべて含めると約1500万人の参加者数になるでしょう。
その他
2027年に開催される国際園芸博覧会に関する最新情報は、横浜市のHPや一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会のHPなどでも閲覧できます。情報が更新されているので、気になる人は確認してみましょう。