造園業の年収はどのくらい?自営業の年収や仕事を獲得する方法を徹底解説!

造園業の年収

厚生労働省が令和4年賃金構造基本統計調査の結果から算出した、造園工の全国平均年収はおよそ360万円です。

この年収は、都道府県によってばらつきがあり、東京都、大阪府、愛知県などの都市圏では460万円近くと比較的高く、地方では200万円代前半と低めです。

調査年度は異なりますが、国税庁が令和3年に実施した「民間給与実態調査」によれば、日本全国における全職種の平均年収はおよそ443万円なので、比較してみると造園業の年収は低い傾向にあると言えるでしょう。

また、令和3年度のハローワークの求人統計データを元にした造園業の月額平均賃金は24万8000円です。

前述した「民間給与実態調査」に記載されている、年間平均給与額から月額平均賃金を計算すると31万4000円なので、こちらで比較してみてもやはり低めの印象です。

出典:職業情報提供サイトJobtag 造園工
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/222

出典:令和3年度分民間給与実態統計調査 調査結果報告
https://www.nta.go.jp/

造園業の自営・一人親方の平均年収

造園業の自営や一人親方の平均年収は、一般的に600~800万円と言われていますが、公的な資料やデータは公開されていません。

業種は異なりますが、厚生労働省は、2019年に全国建設労働組合総連合が行った賃金実態調査を元に、建設技能労働者の賃金の状況についてまとめています。

この資料によると、2018年の大工・一人親方の平均年収は437万円です。

平均年収は年々増加傾向にあるため、一概に比較はできませんが、厚生労働省が令和4年賃金構造基本統計調査の結果から算出した、大工の平均年収はおよそ407万円。

大工はもともと自営・フリーランスが占める割合が約76%と高いため、平均年収に大きな差が出にくいですが、この結果を見ても、一般的に造園業を含め、自営・一人親方の方が年収が高くなると言えるでしょう。

これは、造園業の会社で社員として働き給与をもらうよりも、自営や一人親方として独立すれば、一般的に売り上げに対する利益の取り分が増えるからです。

出典:建設技能労働者の現状と処遇改善に向けた課題
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000670251.pdf

出典:職業情報提供サイトJobtag 大工
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/26

造園業を自営業で行い年収を上げるコツ

造園業を自営で行い年収を上げるには、以下4つのポイントが大切です。

資格をとる
造園業で自営や一人親方として働く場合に、持っていなければならない資格はありません。

ですが、例えば造園の建設業許可を取得するためには、造園施工管理技士や技能士などの資格が必要です。

建設業許可を取得していれば、請け負いできる仕事の範囲や規模が広がるため、年収を上げられます。

資格を取得するために勉強することは、今まで自身が持っていた知識や技術を見直し、より確実なものにすることが可能です。

確かな知識と技術、公的な資格を持つことは、顧客に対する信頼性のアピールにもつながると言えるでしょう。

集客力を上げる
請け負う仕事がなければ、年収を上げることは不可能です。さまざまな手法で営業活動を行い、集客力を上げて継続的に受注を獲得することが、年収アップのためには必要不可欠です。

ホームページ作成やSNSの発信などのweb集客は、スマートフォンが身近なツールになった現代では欠かせない手法です。

チラシやポスティングなど、一見アナログに思える方法も、さまざまな年代の人の目にとまりやすいので効果的でしょう。

近年、注目が高まっているのが、見積もりサイトなど、複数の造園業の会社をまとめて掲載しているポータルサイトに登録する手法です。

登録している造園業の会社が多ければ多いほど、他社との差別化が必要ですが、具体的に仕事を依頼したいと考えている顧客が利用するものなので、契約につながりやすい手法と言えるでしょう。

また、工事を発注したい会社と、自営や一人親方との間を仲介してくれる、フリーランス専門のサイトも登場しています。

建設業に特化したサイトもあり、登録すれば、個人からだけではなく、さまざま企業からの受注が可能です。

対応できる工事、得意分野を増やす
造園業の仕事と聞いてイメージするのは、樹木を植えたり剪定や除草などの手入れを行ったりと、植物に関する仕事が多いかもしれません。

しかしながら「庭づくり」や「外構」という観点から見てみると、その仕事範囲は多岐にわたります。

例えば、タイル貼り工事やコンクリートブロック工事、駐車場などのコンクリート舗装で必要な左官工事、フェンスやカーポートを設置するアルミ工事など、植物を扱う以外の仕事もたくさんあるのです。

これらに関わるタイル貼り技能士や建築コンクリートブロック工事士、ブロック塀診断士などの資格を取得すれば、専門性も高まり、広い範囲の仕事を受けやすくなります。

造園業と関わり深い、土木施工管理技士も大規模な公共工事を請け負いやすくなるのでおすすめです。

人脈を培う
継続した受注を獲得し、安定した収入を得るためには人脈を培うことが大切です。

個人の顧客や元請け会社、取引先などと信頼関係が築けていれば、再受注や紹介にもつながります。

同業他社や一人親方同士の人脈も重要です。同じ立場にいる会社と付き合いがあれば、業界ならではの問題に直面した際など、近い目線で問題解決へのアドバイスをもらえることも。

年収アップだけではなく、長期的に安定した経営を行うためにも、人と人とのつながりを大切にしていきましょう。

まとめ

最初は造園業の会社で働いていても、技術や知識が身につくにつれ、独立や開業を考えることも多くなるでしょう。

自営や一人親方として独立したとき、経営を安定的に持続したり、売り上げを増やしたりするためには、コツが必要です。

自身にあった方法を取り入れ、年収アップを目指していきましょう。