造園会社はどれも同じだと思われがちですが、実際には10種類以上の行程があり、対象となる施設や顧客も異なります。
今回の記事では、造園会社の種類や見分け方を解説します。自分にあった会社を選ぶには、造園会社がどのような種類に分かれ、どのような業務を行っているかを理解しておく必要があるでしょう。
公共案件や民間案件、個人案件それぞれの違いを解説しているため、造園業に興味のある方は参考にしてみてください。
造園会社にも種類がある
造園会社は、公共工事を請け負うのか、民間からの依頼を請け負うのかによって担当する工事が異なります。また、さまざまな工程があることも理解しておきましょう。
それぞれの内容を解説していきます。
造園工事には10種類以上の工程がある
造園工事には、樹木の植栽や景石の設置による庭園づくり、屋上緑化、池、滝などさまざまな工事があります。
具体的には次の表の通りです。
|工事内容|概要|h
|植栽工事|樹木の植栽|
|地被工事|芝生やコケの工事|
|景石工事|重機を使用した景石の設置|
|園路工事|遊歩道や緑道|
|水景工事|水景を作る工事|
|屋上等緑化工事|屋上や壁面の緑化|
|緑地育成工事|土壌改良や復元作業|
|地ごしらえ工事|木を伐採した後の地ごしらえ|
|広場工事|芝生の追加や運動場の追加など|
|公園設備工事|ベンチや休憩所、売店など公園に関する設備の工事|
造園工事は、一般的にイメージされる庭づくりだけではなく、公園の設備や水質維持の工事など多岐にわたる作業があることが特徴です。
顧客によって請け負う仕事が違う
造園会社が請け負う仕事は、公共の仕事か民間の仕事かによって異なります。公共工事では、公園設備工事や高速道路、一般道路の緑化などが主な業務です。
公共工事では、樹木の高さや植穴の寸法など、厳格な基準が定められていることが多く、その基準に従って作業を行わなければなりません。
また、公共工事では契約の電子化が進められており、書類や成果物を電子データでやり取りできない場合、仕事を請け負うことが困難になってきています。
一方、民間の仕事では、個人庭園の設計・施工や、商業施設の緑化が主な業務です。顧客の個別のニーズに応じて柔軟に対応することが求められ、デザイン性や創造性が重要視されます。
年間を通じた緑化維持の業務などもあり、この仕事では定期的なメンテナンスや管理を通じて、長期にわたり美しい景観を保つことが必要です。
造園会社の種類
造園会社には公共案件や民間案件、個人案件の種類があります。それぞれ顧客が異なり、仕事として請け負う内容も異なるでしょう。
それぞれどのような種類かを解説します。
公共案件
造園会社の公共案件は、政府が国民生活の向上を目的として税金を使用して行う工事の一環です。公共案件には公園の整備や都市の緑化、緑地管理などの業務が含まれます。
公共案件は国の経済状況や国民の声に大きく影響されることが特徴です。経済が低迷している時期には予算が削減されやすく、また、住民の意見によって優先度が変わり需要も変動します。
造園会社にとっては継続して受注するのが難しい一面もありますが、地域住民の生活向上に携われるやりがいも感じられるでしょう。
民間案件
造園会社の民間案件は、民間企業から受注する工事であり、屋上緑化や緑地の維持管理などが主な業務です。オフィスビルや商業施設を対象とすることが多く、都市部の限られた空間を有効活用し、環境負荷の軽減や建物の見た目の向上を図ります。
例えば、屋上緑化では建物の断熱効果を高め、エネルギー消費を抑える効果が期待されるでしょう。また、商業施設やオフィスビルの周囲の景観を整えることで、訪れる人々や働く人々にとって快適な環境を提供します。
さらに、マンションなどの集合住宅でのランドスケープ工事も重要な業務の1つです。住民がリラックスできる庭園や共用スペースの設計・施工を通じて、住環境の向上を図ります。
個人案件
個人の顧客から受注を行う仕事であり、庭園づくりや庭木の維持管理が主な業務です。しかし、これにとどまらず、門扉や駐車場、ウッドデッキなどのガーデンエクステリア工事も含まれます。
庭木の剪定や植栽の管理も重要な役割で、季節ごとの手入れを通じて健康な庭を維持しなければなりません。エクステリア工事では、家の外観を整え、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間を提供します。
近年、個人向けの案件ではWeb広告をメインに集客を行うケースが増えてきました。ホームページやSNSを利用した情報発信により、実績や施工例を紹介し、信頼を築くことが重要です。
自分にあった会社を選ぶには?
自分に合った造園会社を選ぶためには、まず自分自身が何をしたいのかを明確にしましょう。造園会社にはさまざまな種類があり、対象とする顧客が異なります。
そのため、造園業の中でも特に何に興味があるのか、将来的に何をしていきたいのかを決めておくことが重要です。造園会社を選ぶ際には、幅広い顧客層を持つ会社を選ぶと、さまざまな経験が積めるでしょう。
実際に仕事をしてみないと分からない部分も多いため、インターンシップや見学を活用して自分に合った会社を見極めることが大切です。
まとめ
今回の記事では、造園会社の種類や見分け方を解説しました。造園工事には、樹木の植栽や景石の設置による庭園づくり、屋上緑化、池、滝などさまざまな工事があります。
また、請け負う仕事は公共の仕事か民間の仕事かによっても異なり、会社によって公共案件なのか民間案件なのか、個人案件なのかも異なるため注意が必要です。
自分に合った造園会社を選ぶためには、まず自分自身が何をしたいのかを明確にしましょう。造園業の中でも特に何に興味があるのか、将来的に何をしていきたいのかを決めておくことが重要です。