造園工とは?仕事内容やなり方も含めて紹介!

造園業の仕事を探していると、職種欄に「造園工」と書かれているのを目にする機会があるかもしれません。

この造園工とは、どんな仕事をしているのでしょうか。

そこで本記事では造園工の仕事内容や、造園工になる方法について詳しく解説します。

造園工とは

造園工とは、庭、緑地、公園などの設計、施工、管理といった、造園工事を行う人のことです。

建設業法において造園工事は、「整地、樹木の植栽、景石の据え付け等により、庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と定義されています。

引用: 業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)
https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf

造園工は主に、この造園工事に関する設計をしたり、工事の指揮監督をしたりしています。また現場で自ら作業するのも造園工の仕事の1つです。

庭園、公園、屋上、道路など、私たちが暮らすさまざまな「みどり」がある場所で、造園工は活躍しています。

造園工はみどりを創り出しそれを維持する専門家と言えるでしょう。

造園工の仕事内容とは

造園工は、造園工事の設計、施工、管理といった、みどりに関するさまざまな仕事を担当します。

それぞれの仕事について、詳しい内容を見ていきましょう。

設計
顧客からの依頼を受けてまず行うのが設計です。

どのような空間にするのか、何をどこに配置するのか、デザインを考えて図面を作成します。

造園業では、敷地をどのように使うのか、使用目的に合わせて区画を割り振ることを「地割り」と呼んでいます。

造園工の設計はまずこの地割りをしてから、細かい部分のデザインや仕様を決めていくことが多いです。また土地の状況を把握するために、敷地を調査したり測量したりするのも、大切な仕事です。

公共工事などの大規模な案件の場合は、発注元である役所や設計事務所が設計業務を担当することもあります。

施工
計画が決まったら、いよいよ工事です。工事を行うことを「施工」と言います。

自ら作業するだけではなく、立場によって工事全体の指導・監督をする造園工もいます。

一般的に最初に行うのは、建設機械を使って行う切り土・盛り土です。

切り土とは傾斜地の地面を削って平らにすること、盛り土は反対に窪地や低い部分に土を埋めて平らにすることを指します。細かい部分は人力で掘ったり除草したりしながら、地盤を整備します。

その後、給排水設備や電気配線のための配管をします。この作業は造園工が行うのではなく、それぞれ設備会社や電気会社に委託することも多いでしょう。その後、園路をつくったり石を据え付けたりします。

日本庭園をつくるときには、部分的に土を盛って築山と呼ばれる小さな山をつくったり、滝や池、小川といった水景をつくったりすることもあるでしょう。

工事内容によっては、東屋や竹垣といった、さまざまな工作物の設置もします。

最後に樹木や草木などの植栽を配して、整地、清掃を終えたら完成です。

植物は種類によって、植えるのに適した時期が異なります。

工期や手順を考えて計画し、工事をすすめることも、造園工にとって大切な仕事です。

維持管理
出来上がった庭や公園を美しく快適な空間に保つためには、維持管理の仕事も欠かせません。

定期的に剪定や刈り込みをしたり、病害虫防除のための薬剤散布を行ったりします。

植物が元気に育つよう、肥料を与える、土壌改良をする、といった仕事も造園工の重要な仕事です。

大きくなりすぎたり病気になってしまったりした樹木を伐採することもあります。

近年の造園工の仕事は、新しく庭や公園をつくる仕事よりも、既存のみどりを守り育てる、維持管理の仕事が中心になっています。

造園工になるには

造園工になるために必須の資格や学歴はありません。

関連する学科がある高校、専門学校、大学などで学んでから造園会社に就職し、造園工になる人もいますが、未経験でチャレンジする人もいます。

就職後、仕事を通じて造園工としての知識や技術を身につけたり、技能講習会に参加してよりスキルアップをはかったりすることが可能です。

造園工は全てを人力で作業するのではなく、建設機械も使用しています。

石や植木などの重いものを運んだり吊り上げたりするときには、小型の移動式クレーン車を使用します。

土を掘ったり移動したりするときにはバックホウと呼ばれる油圧式ショベルカーを、高木の剪定や伐採時には高所作業車を利用することが多いでしょう。

これらの建設機械を使用するためにはそれぞれ、小型移動式クレーン運転技能講習と玉掛け業務技能講習、車両系建設機械運転技能者、高所作業車運転技能講習などを修了していなければなりません。

どの資格も造園工の仕事に欠かせないものなので、もっていると、造園工になりたいと考えた際には有利に働くでしょう。

また庭づくりに関する専門的な知識と技術をもつ人に与えられる資格の1つ、造園技能士の資格を取得するのもおすすめです。

3級造園技能士は高卒以上の学歴があれば、実務経験がなくても受検できます。造園工事の現場における施工管理に関する資格である、造園施工管理技士も、造園工として働くときに有効な資格です。

まとめ

造園工とは、庭、緑地、公園などの設計、施工をしたり、出来上がっている造園空間の維持管理を行ったりする人のことです。

私たちの暮らしの中に「みどり」を創り出し、それを維持する専門家とも言えるでしょう。

関連する高校、専門学校、大学などで学んでから造園工になる人もいますが、必須ではありません。

就職した後に働きながら知識や技術を習得できるので、未経験でもチャレンジしやすい仕事でしょう。