造園技能士と造園施工管理技士の違いは?

造園業に関係する資格としてよく耳にする「造園技能士」と「造園施工管理技士」ですが、この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。

2つの資格の詳細を見てみることで、違いを明らかにしていきましょう。

造園技能士とは?

造園技能士は、職業能力開発促進法に基づいて実施される、技能検定の造園職種に合格すると取得できる国家資格です。

造園技能検定は造園業で働く人の技能が一定の基準を満たしていることを国が証明してくれる制度とも言えます。

検定の実施機関・試験地
造園職種の技能検定は都道府県が行い、受検する際の受付窓口は、各都道府県の職業能力開発協会が行っています。

都道府県によっては、事業所・学校などでまとめて受検申請することができ、他県での受検に対応している場合もあります。

検定は各都道府県で実施されますが、職種ごとに日程は統一されていて、検定は1年に前期・後期の2回実施されます。

等級区分
技能士の等級は特級、1級、2級、3級に分けられていますが、職種によっては「単一等級」として等級を区分しないものもあります。

また等級が区分されていても、全ての職種において特級から3級まであるわけではなく、特級が設定されていない職種もあります。

造園職種もこれに該当していて、1級、2級、3級の3等級制です。それぞれ上級、中級、初級と位置づけられています。

受検資格
技能検定を受検するためには、等級によって最終学歴や保有資格で規定された実務経験が必要です。

ただし3級は実務経験がなくても受検できます。

試験内容
試験は学科と実技に分かれています。

学科試験は問題文の内容が正しいか誤っているかを解答する真偽法の問題と、正解だと思うものを選択する択一式です。

問題は庭園及び公園、施工法、材料、設計図書、測量、関連法規、安全衛生から出題されます。

実技試験は樹木の枝を見て名前を判定する判断等試験と、事前に公表される課題に沿って実際に製作を行う作業試験の2つがあります。

また合格基準が設けられていて、学科試験では65%以上、実技試験では60%以上の得点を得なければ合格できません。

造園施工管理技士とは?

建設業法に基づいて実施される「造園施工管理技術検定」合格者に与えられる国家資格が造園施工管理技士です。

造園施工管理技士は現場の責任者として工事の安全、品質、工程管理などに携わります。

工事を計画的かつ安全に進めるために必要な知識と技術を有した人に与えられる資格と言えるでしょう。

検定の実施機関・試験地
国土交通大臣指定機関である、一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。

受検の申し込みはインターネットで申請する方法と書面を郵送する方法がありますが、申込書はインターネットで購入できるほか、各地方の地域づくり協会や建設協会などの窓口で購入可能です。

検定は全国10数カ所で開催されますので、自分で試験地を選択することができます。

等級区分
造園施工管理技士には1級と2級があります。

また検定は第1次検定、第2次検定の2段階に分けられていて、第1次検定合格後は「造園施工管理技士補」と称されます。

造園施工管理技士補は造園施工管理技士を補佐する立場として業務にあたることが可能です。

受検資格
2級造園施工管理技士・第1次検定の受検資格は「受検年度中に17歳以上に達する人」、1級造園施工管理技士・第1次検定は「受検年度中に19歳以上に達する人」です。

1級、2級ともに第1次検定であれば、年齢制限以外の条件はありません。

一方で第2次検定に進むためには、1級、2級ともに所有資格や業務の内容によって定められた、1年から5年の実務経験が必要です。

試験内容
1級、2級ともに、第1次検定はマークシート式の択一式問題、第2次検定は筆記試験です。

第1次検定では造園工事の施工管理を的確に行うために必要な、土木工学、園芸学、電気工学、建築学など幅広い分野に関する知識を問われます。

施工計画の作成方法、工程管理、品質管理、安全管理、関連法規なども出題範囲です。

第2次検定では主に1級は監理技術者として、2級は主任技術者としての施工管理方法について出題されます。

造園技能士と造園施工管理技士の違い

造園技能士と造園施工管理技士はどちらも国家資格ですが、検定の実施機関、等級、受検資格、試験内容が異なります。

また試験内容を比べてみるとわかるように、造園技能士が実際に作業する知識や技能に重点をおいているのに対し、造園施工管理技士は現場を管理するための知識や技術に特化した資格です。

どちらの資格も造園業のスペシャリストとしての証しではありますが、実作業と施工管理のどちらに特化しているのかという点が最も大きな違いと言えるでしょう。

向いている仕事を選ぶには

造園技能士は実際に作業する上での技能を持つことを証明する資格であるのに対して、造園施工管理技士は工事を統括し計画的かつ安全に進めるための技術を持った人に与えられる資格です。

そのため造園技能士の資格を所有している場合には、職人として実際に作業する仕事を選ぶと、技能を活かしやすいでしょう。

対して造園施工管理技士は現場代理人や施工管理者として働く場合に活かしやすい資格です。

ただどちらの資格も1級・2級であれば等級に応じて、建設業法で定める専任技術者、監理技術者、主任技術者として認められています。

これは造園技能士、造園施工管理技士の資格がともに、造園業に関する専門的な知識と技術を持つスペシャリストとしての証しでもあるからです。

どちらの資格も造園業のさまざまな仕事で活かして働くことができると言えるでしょう。

まとめ

造園技能士と造園施工管理技士はそれぞれ「造園技能検定」と「造園施工管理技術検定」に合格すると得られる国家資格です。

この2つの資格で最も大きな違いは、造園技能士が実際に庭を造る技能を持っていることの証しであるのに対し、造園施工管理技士は工事全体を統括する技術者に与えられる資格であるという点でしょう。

このほかにも検定を実施する機関や受検資格、試験内容など、細かな部分でさまざまな違いがあるので、受検の際には注意が必要です。