造園施工管理技士2級の取得で施工管理の仕事はどこまでできる?

造園施工管理の仕事内容とは?

資格を要する職業も多い中、造園業に関しては関連する資格は存在するものの、就職するために必ず資格が必要というわけではありません。

また、独立開業するにあたっても、造園関係の資格取得は条件となっていないのが実情です。

しかし、実際に造園業界で仕事をしていくには関連する資格を取得している方が扱える仕事の範囲が格段に広がるため、転職の際には自己アピールの手段の一つとして使えます。

造園業界でも会社毎に仕事の種類は様々で、どのように働きたいかによっても資格の必要性や種類は異なりますが、造園業界でキャリアアップをするなら資格取得は必須だといえるでしょう。

造園業に関連する資格の中で有名なのが造園施工管理技士です。造園施工管理の仕事は、公共施設、民間マンションや企業ビル、屋外レジャー施設など多岐にわたる造園工事に携わります。

造園工事の中で具体的な造園施工管理技士の役割は、施工計画から始まり、工程管理、必要となる資材の調達や品質管理、安全管理などが挙げられます。

造園施工管理という立場は、このように造園工事に伴う業務全てと言えるほど様々な仕事を請け負うため、その分知識や技術が求められるのです。

高度な技術や知識を要求される専門職であるため、造園施工管理技士の資格試験は難関として知られ、合格率は高いとはいえません。

造園施工管理技士2級とは

造園施工管理技士は国土交通省管轄の施工管理技士国家資格の一つであり、1級と2級があります。

造園工事で主任技術者や監理技術者として働くために必要な1級の方が難易度は高く、できる仕事の範囲は広いです。造園施工管理技士2級は造園工事の現場にて主任技術者として働くことができます。

造園施工管理技士2級を取得するには、年に1度の造園施工管理技術検定を受験しなければなりません。

試験内容は法規や都市工学、土木工学などから構成される学科試験の他、実地試験もあります。

学科試験はマークシートでの回答方式、実地試験は実技ではなく机上で自由記述回答方式での試験となり、両方の試験に合格する必要があります。

造園施工管理技士2級の受験資格をチェック!
造園施工管理技術検定は誰でも受験できるわけではありません。1級と2級では受験資格条件が異なりますが、どちらも学歴や実務経験も求められます。

造園施工管理技士2級の場合、最終学歴が大学卒、短大や高専卒、高校卒毎に区分され、さらにそれぞれ指定学科を卒業しているか否かによって必要とされる実務経験の長さが異なります。

求められる最低限の実務経験の長さは大学の指定学科卒の場合1年、大学の指定学科以外卒は1年6ヶ月、短大や高専の指定学科卒は2年、短大や高専の指定学科以外は3年、高校の指定学科卒は3年、高校の指定学科以外卒は4年6ヶ月となっています。

学歴要件を満たさない人の場合、受験資格を得るには8年以上の実務経験が求められます。また、職業能力開発促進法1級または2級「造園」の技能検定試験合格者の場合、実務経験4年以上が求められます。

尚、学科試験は17歳以上であれば受験できるので、学科試験のみを早期に受験することも可能です。

なお、建築業法の改正で試験内容は変更されることがあるため、受験勉強の前に受験資格や試験内容についてを確認しておくと良いですね。

造園施工管理技士2級で行える業務の範囲

造園施工管理技士2級は主任技術者として総額4000万円未満の工事現場が活躍の場です。

主任技術者は、建設業許可を取得している業者ならば元請け、下請けに関係なく工事現場に配置しなければならない役割ですから、有資格者は会社にとって必要な人材です。

では、造園施工管理技士2級を取得後、造園施工管理技士1級を取得した場合の仕事はどう変化するのでしょう。

造園施工管理技士1級取得者は、総額4000万円以上、建築一式工事の場合は6000万円以上となる大規模な工事に必要とされる監理技術者として仕事ができます。

監理技術者と主任技術者の仕事内容には、大きく分けて2つの違いがあります。

監理技術者も主任技術者も施工計画から安全管理まで造園施工管理を職務としますが、監理技術者は下請け業者の指揮監督をする総合的な役割を担うのに対し、主任技術者は工程において指示を出し、工事を円滑且つ適切に進めることが求められます。

このように、造園業者にとって資格保持者の存在の有無は仕事獲得の可否に大きく関わってきます。

造園施工管理技士2級取得者が務める主任技術者は、工事の規模を問わず現場に必要なため、1級を保持していなかったとしても企業に優遇される場合は多いです。

例えば、工事の工期が被っている現場がある場合、2つの現場が一定の条件をクリアしていない場合には2名の主任技術者が必要になります。そのため主任技術者の人数によって受注できる案件の数が増えるのでその存在は会社にとって必要不可欠なのです。

しかし、より大規模で高額の工事を引き受けたい造園企業は造園施工管理技士1級保持者を求めます。特に、公共工事の入札では造園施工管理技士1級保持者の有無だけで評価がかなり変わってきます。

そのため、2級保持者でも将来的には1級の取得を目指して勉強し、キャリアアップを図るのがおすすめです。転職を検討する時にも1級の資格は造園業界で非常に有利に働きます。

尚、造園施工管理技術検定では受験資格を満たしていれば1級と2級を同時に受験することも可能です。実務経験が長く受験資格を満たしているのであれば、2級を飛ばして1級から受験するのも良いでしょう。

造園業でスキルアップやキャリアアップを目指すなら、まずは造園施工管理技士の資格取得を取得にチャレンジしてみましょう。