造園(造園業)とは?仕事内容や植木屋との違いも含めて紹介!

「造園」という言葉や「造園業」という仕事は、身近にありながら意外とどんな意味なのか、どんな仕事をしているのか、想像がつきにくいかもしれません。

またよく聞く「植木屋」とは、何が違うのでしょうか?

そこで本記事では造園、造園業とはどんな仕事なのか、具体的な仕事内容を紹介するとともに、植木屋との違いについても解説します。

造園(造園業)とは?

「造園」とは、庭や公園などで樹木や草花を植えるほか、石や砂、土などの材料を使って人工的に池や築山を造るなどして、新しい空間を創造すること、と考えられています。

この「造園」を生業とするのが、「造園業」です。

造園業が対象とする範囲は広く、個人住宅や寺社仏閣などの庭、商業施設、公園、道路、遊園地、ゴルフ場など、私たちの生活空間にある「みどり」全てを担当します。

また造園業の仕事は、あらたに庭や公園などを創り出すだけではありません。

既存の庭園や街路樹などの手入れをして、美しい空間を維持管理することも、造園業の重要な仕事です。

造園業は「みどり」の創造と維持管理を通じて、「みどり」に総合的に関わる仕事と言えるでしょう。

造園業の仕事内容とは?

造園業の仕事は住宅の庭や公園、さまざまな施設の緑地などの造園空間を計画・設計し、作成した設計図をもとに実際に工事をしたり、指揮監督をしたりしながら、完成・維持管理することです。

完成後には、維持管理のために定期的な剪定や芝刈りなどを行います。本章では造園業の一般的な仕事の流れを紹介します。

現地調査
まずは対象となる現場を調査し、現状を把握します。

土地の測量をする他、土壌や既存の樹木などの状態を調査するなどします。関連する条例や法律の確認も行います。

計画・設計
調査結果と顧客の要望をもとに、計画・設計をし、それらを図面にまとめます。意匠上のデザインだけではなく、現場によっては給排水設備や土壌改良についての検討をすることもあります。

一度設計すれば終わりというわけではなく、顧客と打ち合わせを重ね、イメージのすりあわせをして、双方が納得できる計画を立てていきます。

施工
工事内容が決定したのち材料や資材を手配し、工事をスタートさせます。第一工程は人力または建設機械を使用して土を掘り、整地することです。

その後必要であれば給排水や電気設備のための配線・配管をすることもあります。これらの工事は、専門の会社に委託する場合もあります。

このように1つの工事を完成させるために、自社だけではなくほかの会社と協力しながら作業するケースも珍しくありません。

設計図に沿って歩道、フェンス、塀などの工作物を作ったり植物を植えたりしたのち、最後にもう一度仕上げの整地をし、清掃して完成です。

維持管理
完成後は、造りあげた空間を美しく良い状態に保つために、定期的に剪定、刈り込み、芝刈りを行います。

病害虫予防のための薬剤散布や肥料散布、土壌改良などを担当することもあるでしょう。

維持管理の仕事は、自社で施工した現場だけではなく、公共施設、商業施設、工場など、さまざまな場所から維持管理だけを依頼されて、請け負うこともあります。

造園業者と植木屋の違いとは?

造園業と同じように、植木屋も植物を相手に仕事をしています。

植木屋の仕事は、樹木の剪定や刈り込み、植え付け、伐採などが主な内容です。病害虫の駆除や予防のための薬剤散布も行います。

また植木屋が扱うのは樹木だけではなく、芝生の管理や除草・草刈りなども担当します。

樹木の剪定や植え付けは、樹種によって最適な時期が異なります。

枝のつき方や伸び方、どのような点に気をつけて作業しなければならないかも、樹木ごとに違うでしょう。

それぞれの特徴に対応できるよう、植物に関する専門的で深い知識と、卓越した技術をもっているのが植木屋なのです。

対して造園業の主な仕事は、庭や公園などの空間を創り出し、それを維持管理していくことです。

この中には樹木の剪定や植え付け、芝生の管理、病害虫駆除なども含まれています。

「造園」という言葉の意味を考えたときには、植木屋は造園業の仕事の一部を担っているとも言えるでしょう。

造園業に就くには?

造園業で働くために、必ずもっていなければいけない資格や学歴はありません。

高校、専門学校、大学などで造園、設計、測量、施工方法などを学んでから造園業に就く人もいますが、未経験からチャレンジする人も多くいます。

これは多くの造園業の会社で、経験、性別、学歴を問わず求人募集をしているためでしょう。

就職後は、実際の作業や技能講習会などを通じて、必要な技術や知識を身につけることができます。

未経験者のための教育プログラムがあったり、研修制度を設けていたりする造園会社もあるので、経験がなくても安心して働くことができます。

ただ、未経験で造園業の仕事に興味をもった際、造園業の仕事をこなせるのか不安に感じてしまうでしょう。

そんなときにおすすめなのが、求人情報をチェックしてみることです。

就職したらどんな仕事をするのか、どんなスキルが必要なのかを確認することができます。

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まとめ

造園とは、庭や公園などに樹木や草花を植えたり、石や砂、土などで人工的な池や築山を造ったりして、新しい空間を創造することです。

造園を生業とする造園業では、個人住宅、商業施設、道路、公園など、私たちの生活空間にあるさまざまな場所で、新しい造園空間を創り出したり、それらの維持管理をしたりしています。

よく似た仕事に「植木屋」がありますが、植木屋は主に植物の植え付けや維持管理を行っています。植木屋は造園業の一部とも言えるでしょう。