造園業は独立したら儲かるの?
造園業は独立したら儲かるのでしょうか?結論からお伝えすると、独立した方がやはり収入が増えやすいと言えます。
厚生労働省が令和3年賃金構造基本統計調査を元にまとめたデータによると、造園業に従事する人の年収は約344万円。
それに対して、一般的に「一人親方」と呼ばれるような個人事業主として造園業を営む場合の年収は、約700~800万円と言われています。
独立して仕事を受注すれば、人件費や経費を除くすべてが自分の収入となるため、年収があがりやすいのです。
そしてこの年収は、請け負う仕事の内容や量、つまり営業力や集客力によって左右されます。
独立して安定した儲けをだすためには、定期的な受注を得られる顧客を獲得する、資格を取得して公共の仕事を継続的に受けるなど、さまざまな工夫が必要です。
造園業が儲かる理由
儲かる商売にはいくつかの共通した理由があります。その中でも造園業が儲かる理由の1つ目としてあげられるのが、リピートがある仕事ということです。
庭木や草は剪定や刈り取りをしてもまた伸びてくるものなので、定期的に依頼をしたり、繰り返しサービスを利用したりすることが多いのです。
2つめの理由は在庫を抱える必要がないことです。特に剪定などの手入れや移植を仕事の中心にすれば、仕入れの必要もなく、利益率も高くなります。
また在庫が必要ないということは、初期投資も少ないということ。これに加えて高額な設備を整える必要がないため、造園業は儲かりやすい仕事と言えるでしょう。
3つめの理由は、造園業界における高齢化に伴う後継者不足や人手不足の問題です。
人手不足が深刻化している造園業界は、顧客の需要を満たし切れていない状態です。この潜在的な需要をうまく取り込んで仕事を請け負えば、儲けにつながります。
利益を出すために必要なことは?
造園業で儲かるためには集客力をあげてリピーターを増やしたり、資格を取得して仕事の幅を広げたりしていく必要があります。
集客力をあげる
集客力をあげるためには、チラシを配ったりホームページを運用したりしていきましょう。
チラシは手に取りやすく、年配の方など幅広い層に認識されやすいという特徴があります。
また比較的予算をかけずに広い範囲に宣伝できる、自社ホームページ運用や、FacebookやInstagramなどのSNSの活用が効果的で、新規の顧客を獲得しやすい方法です。
このほかにも、同業他社や取引先からの紹介、知人からの紹介など、意外なところからの紹介から受注につながる場合もあるので、人脈を培っておくことも大切です。
リピーターを獲得する
リピーターを獲得することで、売り上げが長期的に安定するでしょう。
庭木は日々生長するもの。庭木の理想の大きさや形を保つために、剪定や消毒などの手入れは定期的に行う必要があるからです。
「もう一度仕事を頼みたい」と再び仕事を依頼されるかどうかは、最初の受注の際に顧客が満足したか、信頼に足る仕事をしたかどうかによります。
顧客の潜在的な需要をくみ取り、依頼された仕事以外に顧客が喜びそうなプラスアルファを提案することも、リピーター獲得に有効です。
資格を取得する
造園に関する資格は造園施工管理技士や造園技能士、土木施工管理技士やエクステリアプランナー、樹木医、街路樹剪定士などさまざまな資格があります。
これらの資格は、顧客に対して自身の専門性をアピールできるものです。
大規模な工事が多い公共事業を請け負う場合は、国家資格である「造園施工管理技士」や「土木施工管理技士」などの資格の有無を問われる可能性もあります。
造園業の仕事は、資格がなければできない訳ではありません。ですが資格を取得することは、これまでの知識や経験を裏付けしてくれるだけではなく、請け負う仕事の幅を広げることにもなるのです。
造園業で独立するために必要な3つのポイント
造園業で独立するためには、「造園業としての経験を積む」「資材や道具を用意する」「個人事業主を登録する」の3つが必要です。
造園業の経験を積む
具体的には造園会社に所属し、実際の作業を現場で経験して、知識や技術を得ていくことです。
自然を相手にする造園業では知識だけで対応できることは少なく、実地での経験が重要になります。
また、企業に就職する前に造園科のある高校や大学、専門学校などで学んだり、職業訓練校で知識や技術を習得したりすることも可能です。
シルバー人材センターや清掃会社、便利屋など、専門ではなくても造園業に携わる会社が増えてきている今日、独立して他社との差別化を図るためには、確かな知識と技術を身につけることが大切です。
資材や道具を用意する
独立するときには、道具や資材を用意する必要があります。
必要な資材を用意すると同時に、道具や資材、剪定枝などのゴミを一時的に保管しておく場所を確保しておきましょう。自宅に保管できない場合は、レンタル倉庫を利用すると便利です。
開業届を提出する
造園業で独立するときには、個人事業主の開業届を提出しましょう。
国税庁のHPにある「個人事業の開業・廃業等届出書」に必要事項を記入し、納税地の所轄税務署長に提出することで、個人事業主として登録されます。
新たに事業を開始してから1ヶ月以内に提出することになっているので、早めに手続きをしておきましょう。
まとめ
造園業で独立することは仕事に対する責任も大きくなり、営業活動や事務作業など造園の仕事以外の作業もしなければならなくなるため、大変なことも増えるかもしれません。
ですがその分、やりがいや楽しさも増え、自分自身を成長させ、収入を増やすチャンスにもなるのです。
そして独立してしっかりと儲けを得るために、綿密な準備と計画を立て、経験を積み確かな知識と技術を身につけておきましょう。