出戻り転職とは？
出戻り転職とは、会社を退職し、他の企業に転職してから、再度以前勤めていた会社に転職することです。
以前から出戻り転職を希望する人はいたでしょうが、一昔前は、出戻り転職は非常識と考える人は珍しくなく、実際に行動に移す人は現在よりは少なかったと言えます。
しかし、最近では、出戻り制度を設けていたり、出戻り転職を受け入れていたりする企業もあり、以前よりも出戻り転職をしやすい雰囲気になっています。
出戻り転職を視野に入れるときに考えたいこと
出戻り転職を歓迎する企業が増えているとはいえ、希望すれば出戻り転職を実現できるわけではありません。転職希望者が出戻り転職を視野に入れるとき、幾つか考えるべきことがあります。
良い形で退職できたかどうか
出戻り転職を視野に入れる際、まず考えるべきことは、出戻り希望の会社を良い形で退職できたかどうかです。
立つ鳥跡を濁さずという諺がありますが、実際の退職時には、会社に迷惑をかけたり、トラブルを起こしたりして、「立つ鳥跡を濁す」のケースもあります。
退職の仕方が悪い場合、出戻りは歓迎されません。逆に、良い形で退職できた人ならば、当時の同僚と交流が維持されていたり、信用されていたりするので、出戻り転職ができる可能性は高まるでしょう。
自分のキャリアプランに沿っているのか
出戻り転職を希望する理由に、転職先が合わなかったなどネガティブな面を挙げる人の場合、もし出戻れたとしても、再び会社を辞めたくなるときが来るかもしれません。
出戻り転職を考える際は、出戻った場合、本当に自分のやりたいことができ、思い描いたキャリアプランを実現できるのかよく考えましょう。
求められるようなスキルアップはできているか(資格取得)
出戻り転職を希望する人は、出戻り先での仕事の要領を心得ているといっても、資格取得など企業から求められるようなスキルアップができていない場合、不採用になるかもしれないことを肝に銘じておかなければなりません。
出戻り転職のメリット・デメリットを把握しよう
出戻り転職を希望する人は、メリットが大きく見えるかもしれませんが、デメリットにも注目すべきです。出戻り転職のメリットとデメリットを把握した上で、転職の決断をしましょう。
メリット
出戻り転職では、転職者は企業文化を熟知しているため、馴染むのが早く、仕事内容や仕事の進め方についても戸惑いは少ないでしょう。
企業側も転職希望者のことをよく知っているので、出戻り転職の場合、転職希望者は転職活動を短い期間で終えられる傾向があります。
また、在職時に実績を残した人は、出戻り転職後も信頼され、多くの仕事を任される可能性があります。
デメリット
会社が出戻り転職を歓迎したとしても、個々の社員が出戻り転職を良く思っているとは限りません。転職者は、会社で居心地が悪いと感じるかもしれません。
また、資格を取得したとしても、主任として社員に認めてもらえるのかは不明です。会社によっては、同じ資格取得者で、長く在籍している人を優遇する場合もあり、転職者は資格を取得しても、在籍時よりも良いポジションに就けない可能性があります。
出戻り転職を成功させるためのポイントは？
出戻り転職を成功させるために、ポイントを押さえておきましょう。
志望動機を明確にしておく
出戻り転職を希望する人の中は、転職前の会社の方が待遇や仕事内容などが良く、転職を後悔した人もいるかもしれません。
しかし、出戻り転職を成功させるためには、ネガティブな志望動機はNGです。他社に転職して気づいた出戻り希望の会社の良い点を挙げたり、転職先の企業で学んだことを出戻り後に活かす意欲を盛り込んだりして、ポジティブな志望動機を考えましょう。
元上司や同僚とまだ連絡を取り合っているような仲であれば内部事情を聞いてみる
出戻り転職を成功させる人の特徴の一つに、元上司や同僚と連絡を取り合っている傾向が挙げられます。
もし、出戻り転職の希望者で、元上司や同僚と連絡を取り合っていれば、内部事情を聞いたり、出戻りを考えていることをそれとなく相談したりしましょう。
元上司や同僚が、採用担当者への橋渡し役となることで、良い結果が出る可能性は高まるはずです。
自分の入社で会社のために役立つといえるのか
在職時に会社に貢献していたと自負する人でも、出戻り転職では、過去と同じポジションを与えられるわけではありません。
出戻りで入社した人は、過去のポジションに固執せず、転職後に与えられたポジションで努力し、会社のために役立てる人材になろうとする心構えが求められます。
まとめ
現在の日本では、以前よりも出戻り転職のハードルは低くなっています。出戻り転職自体は可能ですが、容易ではありません。
出戻り転職を考えるようになった人は、自分が出戻り転職ができる状況であるかどうかを見極めたり、出戻り転職のメリットやデメリットを知ったりすることが求められます。
出戻り転職の意志が固まった人は、転職を成功させるためのポイントを押さえ、転職活動に励みましょう。
