求人サイトで収入例や昇給イメージを出す理由
求人サイトを利用したことのある人なら、収入例や昇給イメージを出している求人を見たことがあるはずです。特に、収入に着目して転職活動をしている人の場合、転職前の会社よりも高い収入例を掲載する求人があると、目を通すでしょう。
企業が求人サイトに掲載している収入例は、最低保証給と給与例の2種類があります。最低保証給は、文字通り、最低でももらえる給与の下限を示し、掲示額以下になることはありません。
一方、給与例は、一つの例として捉えるべきで、実際には、転職者の年齢やスキル、経験、会社でのポジションなどによって異なってきます。
企業が求人サイトで収入例や昇給イメージを出す理由は、自社への転職者は求人票に掲載している金額を受け取ることも可能だと示すことで、多くの転職希望者を惹きつけたいからです。
掲載された収入例や昇給イメージが理想に合ったり、魅力に感じたりする求職者なら、求人に応募する確率が高くなるでしょう。
昇給例の収入は期待しても良い?
昇給額は、労働者の年齢や学歴によって異なる他、企業によっても異なります。
一般的に、労働者の学歴が高くなる程、昇給する可能性は高くなるでしょう。また、昇給率は企業によって違いますが、特に大企業と中小企業では差が大きいです。大企業の昇給率は中小企業よりも高い傾向にあります。
中小企業の昇給例
中小企業の昇給率は高くはないものの、昇給はします。しかし、一般的に、企業は一度労働者の給与を上げたら、企業の都合で減額できないため、特に景気の影響を受けやすい中小企業は、景気の回復に合わせて簡単に昇給を決断できない場合が多いでしょう。
また、中小企業の場合、事業が集約的である他、元請の経営状況や経営者の経営方針などに昇給が左右されるので、将来の昇給を予想しづらく、昇給例の収入を100%期待できるわけではありません。
大企業の昇給例
元々、大企業は経営資金がたっぷりあり、人件費が増えても経営が傾くリスクは少ないです。経営が安定している企業なら、利益を社内で積み立てた利益余剰金もあり、労働者が昇給しても資金には問題ないでしょう。
また、大企業の労働組合は影響力が大きいこと、大企業は好景気が昇給に反映されやすい点なども考慮すると、中小企業よりは昇給例の収入を期待できると言えます。
定期昇給制度がある会社の場合
日本企業の年功序列制度は崩れつつありますが、現在も年功序列制度が残っている企業の場合、年齢や勤続年数によって定期的に昇給できる機会があります。
定期昇給制度は、厳密には個人のスキルや業績評価などが含まれる場合もありますが、基本的に年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給するので、労働者は定期昇給制度の昇給例の収入を期待して良いでしょう。
求人のどの部分が信用できるのか
求人サイトを見る転職希望者は、給与の他、詳細な仕事内容や勤務地、雇用形態など様々な項目を確認するでしょう。
しかし、求人に記載の額と実際に就労して受け取る給与額が違う事実があるように、求人サイトに記載のある項目は曖昧な情報が少なくありません。
求人で見るべき信用できる項目は、求めている人材です。転職希望者は、スキルや経験などにおいて、企業が求人で求めている人材に合うようなら採用される可能性は高まるでしょう。
また、仕事内容も重要です。仕事内容は、求人サイトに記載の情報だけでは不明な点が多いですが、面接の際に面接官に具体的な話を聞くことで、転職希望者が求人を見てイメージしていた仕事内容とのギャップを埋められるので、ミスマッチを防げます。
具体的に収入のイメージが知りたい場合はどうする?
求人サイトに記載されている給与に幅があったり、最低保証給しか記載がなかったりする場合、求職者は、もっと具体的に収入のイメージを知りたいと考えるでしょう。
給与額に幅があったり、上限の給与額が示されていなかったりする理由は、転職者の経験やスキル、年齢、現職の労働者との給与バランスなど様々な要素によって左右されるからです。
具体的に収入のイメージを知りたい人は、面接時、面接官に確認しましょう。ただし、面接の早い段階で転職希望者から収入に関する話を切り出すと、面接官がマイナスイメージを抱く可能性もあります。転職希望者は、給与について質問するタイミングに注意しましょう。
まとめ
求人サイトの収入例や年収イメージと入社後に受け取る実際の給与額が大きく異なる可能性もあります。
実際に給与を受け取って、求人に記載されていた金額との違いに愕然としたという声もあります。具体的に収入のイメージが知りたい人は、応募先企業に確認したり、場合によっては交渉したりしましょう。転職後の給与は、転職希望者の年齢やスキル、経験などによって左右されます。
また、求人サイトの給与の書き方は、基本給や月給、手取りなどいくつかあり、それぞれ意味が異なるので、転職希望者は、求人サイトに記載されている給与の見方を知っておくと良いでしょう。