施工管理技士のセカンドキャリアは「番頭さん」?

番頭さんとは?

番頭とは昔から使われる呼称で、現在も使われることはありますが、時代と共に役割は変わっています。

番頭さんの呼称の意味として知られているのは、商家などの使用人の頭となって、営業や経理をはじめ店のすべてを取り仕切る人でしょう。

現在、番頭の呼称を耳にする機会は減り、代わりに重役や幹部社員など番頭に類似する呼称が用いられることが多く、その呼称や役割も会社によって違いが見られます。

一方、現代でも、様々な業界で番頭さんと呼ばれる人は存在します。例えば、風呂屋の番頭さんです。風呂屋の番頭さんは、店先で会計をしているだけと思われがちですが、実は会計以外にも風呂の管理や掃除、タオルの洗濯など銭湯全般の管理を手掛ける総合管理職のポジションなのです。

銭湯以外にも、番頭は旅館や歌舞伎業界など様々な業界に存在するポジションで、業界によって仕事内容に違いはあれど、どの業界においても重要な役割を果たしています。

建設業においても番頭が存在します。建設業における番頭さんとは、専門工事店や下請けの建設企業など、いわゆるサブコンの施工管理技士を指します。ただ、建設業での番頭の呼称や仕事内容は、会社によっても違いがあります。

現場仕事の引退は何歳くらい?

建設業では、独立すれば体力の許す限り、希望する年齢まで現場で働けます。

企業に属している人の場合、会社によって定年は異なりますが、高年齢者雇用安定法で2025年4月からは65歳の定年制が義務化され、企業が高年齢労働者を雇用する努力義務は70歳になるので、高齢の労働者も70歳まで現場での仕事が可能でしょう。

実際、建設業は人手不足のため、高年齢の職人を積極的に雇用しており、70歳以上の人が働いている現場もあります。高年齢の職人は、若手職人の育成にも寄与してくれますし、何よりも経験豊富で即戦力になってくれる点が魅力です。

ただ、安全性や作業パフォーマンスの面などから、作業内容や元請企業の要請によって建設企業が高齢職人に対して年齢制限を設ける場合があるので、高齢職人が現場に入れないこともあるでしょう。

現場仕事に従事する職人は体力を使うため、体力や身体機能に限界を感じたら引退せざるを得ません。また、現場仕事に従事する人の中には、一般の会社員の定年よりも前に、引退を考える人もいるでしょう。

特に、若い年齢で現場仕事の引退を決意し、引退後も別の形でまた働きたいと考える人は、引退前からセカンドキャリアを構想し、準備しておくのが賢明です。

施工管理技士のセカンドキャリアに番頭さんがおすすめなのはなぜ?

施工管理技士を名乗れる人は、施工管理技士資格があるため、転職にも有利ですし、独立も十分可能です。

施工管理技士の資格保有者は、セカンドキャリアとして、他の建設会社に転職したり、建設業で培った経験を活かせる他業種に挑戦したりするなど、多様な選択肢があります。

多様な施工管理技士のセカンドキャリアの選択肢において、特に番頭さんはおすすめです。現場監督として、長い年月を現場で過ごし、周囲からの信頼を築いている施工管理技士は、下請けの建設企業から番頭としてスカウトの声がかかることは珍しくありません。

探せば番頭を募集している求人もあるため、番頭の仕事に興味がある人は応募してみると良いでしょう。

建設会社の番頭さんになると、仕事は管理に徹するため、体力を使わずに、今まで培ってきた施工管理技士としての経験を活かしつつ、現場に携われます。

番頭は、単に管理に注力するだけでなく、現場にいる職人の声に耳を傾けて現場をまとめたり、施主と職人の橋渡しをしたりして、現場の状況を把握するための能力を求められるため、勤め上げた時のやりがいは大きいでしょう。

また、番頭は、経験豊富なベテランの施工管理技士がなれるものだと思われがちですが、若い番頭や女性の番頭が活躍している企業もあります。女性や若い職人がセカンドキャリアとして番頭さんを目指すのも良いでしょう。

まとめ

昔から存在する番頭は、現代でも役割を変えながら様々な業界で番頭さんと呼ばれ、重要なポジションとなっています。建設業においても、番頭の存在は大きいです。

建設業の現場に従事する労働者は、身体を使うため、身体機能や体力が落ちれば、引退も視野に入れなければなりません。

建設業における番頭は、現場仕事でも体力を使わない管理の仕事をするため、建設業に従事する施工管理技士のセカンドキャリアとして定番です。

しかし、番頭になるにはスキルや経験年数だけでなく、周囲からの信頼が絶対条件なので、セカンドキャリアに番頭を考えている人は、現役で現場監督をする時の仕事ぶりや人柄が周囲に見られ、評価されることを念頭に置いておくべきです。

現場労働者は、将来の引退時期を見据え、早い内から資格を取ったり、スキルを磨いたりしながら、セカンドキャリアについて考えておくと良いでしょう。