造園CPD制度とは?
CPDとは、Continuing Professional Developmentのそれぞれの頭文字を合わせたもので、日本語では継続的専門能力開発を意味します。CPDは造園だけに限らず、建設や土木業界にもあります。
造園CPD制度とは、造園業に携わる造園施工管理技士などの技術者が、継続的に技術向上のために研鑽したり、知識を得るために学んだりしたことを、第三者の公益社団法人日本造園学会が証明する制度です。
造園CPD制度の必要性
造園業といっても、手掛ける業務は企業によって様々で、業務は多様化しています。また、造園業は個人や一般企業だけが顧客ではなく、地方や国から公共工事も請け負っており、社会が造園業に期待を寄せています。
造園業に携わる技術者は、社会的使命を果たすべく、日々の自己研鑽が欠かせません。
造園に関連する資格はたくさんありますが、更新の必要な種類がある一方、取得しただけで良いものもあります。
特に、更新制度のない資格の場合、取得後に技術向上のための努力を怠る人も出てくるでしょう。また、更新が必要な資格であっても、数年に1回の頻度である場合も多いため、やはり継続的に自己研鑽に励める支援や環境が必要です。
造園CPD制度によって、技術者は社会のニーズに合った技術向上を図れ、社会からの信頼を高めることができますし、技術者を雇用する企業に対する社会の評価も高くなるでしょう。
造園CPD制度のメリットは?
造園CPD制度には、技術者にとっても、技術者を雇用する企業にとってもメリットがあります。企業や技術者はメリットを知り、造園CPD制度の活用を検討してみると良いかもしれません。
公共工事の落札に有利に働く
公共工事の落札の際、CPD取得者は優遇されます。公共工事で実施される総合評価落札方式では、施工能力評価型の項目に配置予定技術者があり、CPD単位が評価対象の一つになっています。
公共工事の落札に有利になることもあり、造園CPD制度を活用する技術者も少なくありません。
証明書を様々なシーンで活用できる
造園CPD制度の下で学習すると、スキルアップが期待できることはもちろんメリットですが、公益社団法人日本造園学会が造園CPD実施記録登録証明書を発行してくれるので、スキルアップしたことを目に見える形で証明できます。
所属する企業において、技術者が昇進したり、異動したりする際には、造園CPD実施記録登録証明書が能力評価のための資料として役に立つはずです。
また、資格によってはCPDの証を求められます。例えば、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)は更新が必要な資格ですが、更新の条件として、3年間でCPD150単位以上の取得が定められています。
他にも、自己研鑽結果の証明書として履歴書に添付できるなどのメリットがあります。
自分の位置を知り、キャリアアップにつなげられる
技術者は、造園CPD制度の下で学ぶことで、他社の技術者と交流を持ったり、自分のレベルや他社との違いを認識したりして、モチベーションアップにつなげられることが期待できます。
また、技術者は、造園CPD制度を通して、造園業におけるキャリア形成の仕方を具体的にイメージできるようになり、将来像を設計しやすくなるでしょう。
造園CPD制度の詳細を解説!
造園CPD制度では、造園に関連する技術者の自己研鑽を支援するための様々な内容が用意されています。
技術者によって、内容レベルにばらつきがあるかもしれませんが、造園CPD制度は資格制度ではないので、質は評価の対象ではありません。
単位制となっている造園CPD制度
造園CPD制度の単位取得に関しては、CPDの内容によって単位数や算出方法が異なり、毎年度、技術者が実施時間などを単位として取得する仕組みです。
年間50単位の取得が望ましいとされています。尚、日常の業務は単位認定されません。
CPDの内容
技術者は、自己研鑽に適していると判断した内容を自主的に選択することになります。
CPDの教育形態は、講習会やシンポジウムに参加する参加学習型、作品発表やコンペ応募などの情報提供型、企業内研修などの実務学習型、現場視察や社会貢献をはじめとする自己学習型があります。
また、教育分野としては、専門基礎科学や法律契約などの基礎共通分野、デザインや施工、環境保全などの専門技術分野、品質保証や公共経済学などをはじめとする総合管理分野、建築意匠や土木施工などの周辺技術分野の4つがあります。
技術者は、特定の教育分野や教育形態に偏ることのないよう、バランスを考えながら自己研鑽に適した内容を判断することが求められています。
まとめ
造園CPD制度は、造園業に携わる技術者や企業にとって、とても有益な制度です。
造園CPD制度については、公益社団法人日本造園学会のHPに詳細が掲載されています。
また、HPでは、ダウンロードして資料を読めるようになっているので、もっと深く造園CPD制度について知りたい場合、公益社団法人日本造園学会のHPを見てみると良いでしょう。