造園業の主な仕事内容
造園業は庭造りに関する「管理・デザイン・設計や施行」が主な仕事です。造園業というと、個人宅の庭木の剪定を思い浮かべますが、庭木の剪定は主に「植木屋」の仕事であり、厳密には造園業と植木屋は異なります。
植木屋は剪定の専門家です。一方で造園業は、個人宅の庭だけではなく公園のような公共施設や、ホテル・旅館といった宿泊施設、商業施設も手掛けています。
庭造りに関連する造園工事やデザインや保守、ビルの屋上緑化など庭にまつわる幅広い仕事を請け負っているのが特徴です。
造園業の具体的な仕事内容は多岐にわたります。デザインする設計工程から、園庭に石を敷き詰めたり樹木を植えたりする施行工程、完成した庭の定期点検までと幅広く庭づくりに関われるため、やりがいを感じやすい職業であるといえるでしょう。
造園業に向いている人
造園業は外仕事であり、体が資本の仕事でもあります。また、庭木を扱うことから手先の器用さや繊細さが求められます。それぞれの特徴を具体的にみていきましょう。
植物が好きな人
造園業では植物に関する知識は必ず求められます。業務中に覚えていくことはもちろんですが、普段の日常においても植物へ興味をもち、自分自身で調べることが大切です。仕事で取り扱う植物に関して、名前を覚えるだけではなく植物の特徴も把握しておく必要があります。
植物の元気がない場合などに原因の特定ができるように知識をつけていくことが重要であり、そのためには植物が好きでないと長続きはしません。
体を動かすことが好きな人
造園業はほとんどの業務が外仕事です。夏は炎天下、冬は寒空の下で、かつ立ち仕事が多いため体力面に自信のある方向けの仕事です。また、石や樹木、土など重いものの持ち運びも多いため、力仕事に自信のある方にはよりおすすめの仕事といえるでしょう。
体力や力仕事に自信のある方が、自分の能力を遺憾なく発揮できるのが造園業です。デスクワークなどが苦手で、外で体を動かしているのが好きな人は、造園業は向いている仕事といえます。
繊細な作業が得意な人
力仕事の作業がある一方で、繊細な作業も求められます。剪定作業や図面に沿った植栽など、細かい地道な作業が求められる場面は多いです。
ハサミを使用したり紐を結んだりするような手先の器用さや、レンガをずれが無いように敷き詰めたり、生け垣を切り込んだり、人工芝をずれが無いように敷き詰めたりするような几帳面さも合わせて求められます。
細かい作業が苦にならない人は、向いている職業であるといえるでしょう。
造園業に向いていない人
造園業は植物が相手の仕事のため、もちろん汚れることもありますし、天候や植物の状態に合わせて柔軟な対応が求められることもあります。
ルーティン業務が好きな方や楽してお金を稼ぎたいような方には、向いていない職業といえるでしょう。それぞれの特徴をより詳しくみていきます。
楽して儲けたい人
造園業は、楽をして儲けたいという人には向いていない職業です。一般的な会社員と比較して、造園業の年収は低い傾向にあります。また、職人文化が色濃く残る業界であるため、見習い期間が長いです。
どの業界も同じで見習い期間は、より年収が低い傾向となるでしょう。造園業の全国平均の年収は344.1万円で高い方だとはいえませんが、造園業界で稼いでいる人もいます。例えば独立した人、大規模な造園会社に転職した人です。
造園業はノウハウを学んだ後は独立開業ができます。独立後は自分の実力次第で稼げますので、自分次第で大幅な年収アップをかなえられるでしょう。
造園は時代に沿って変化はしていますが、無くなることはない職業ですので、独立開業を目指して実力のある会社で学ぶことは、将来を見据えた良い判断であるといえます。
手順が決まった仕事がしたい人
造園業は生きている植物が相手の仕事であるため、決まったルーティーン業務よりもイレギュラーな対応を求められることのほうが多いです。
天候によって左右される部分も大きいため、前もって計画していた内容通りにはいかないことも多く、状況に応じて適切な対応を取る必要があります。
クリエイティブな仕事だからこその悩みであり、これを楽しいと思える方は良いですが、一方で苦痛と捉える方もいるでしょう。日々、決まった時間に決まった業務をこなす仕事が好きな方には、造園業は向いていないです。
大規模な工事なども行うため、「危険な場所はどこか」常に気を巡らせながらその場に応じた働きをしていくことも重要です。
潔癖な人
造園業は庭で植物相手の仕事であるため、蜂や毛虫などの昆虫と毎日向き合わなければいけません。土汚れもひどく、一般的な仕事と比較すると潔癖な人には向いていない仕事といえます。
特にスズメバチは危険も伴うため注意する必要があり、高所作業のため逃げ場もありません。毛虫も同様で、体や手足についても慌てず対処する必要があります。直接肌に触れることが無いように全身を覆う服を着るといった対処をした上で、仕事を行うことが基本となります。
まとめ
今回の記事では、造園業に向いている人と向いていない人の特徴についてまとめました。造園業は、植物を取り扱う仕事のため、植物が好きであることが一番の条件であるといえます。また、外仕事のため天候に左右されやすく、炎天下や寒空の下での長時間作業のため体力面に自信がある方におすすめの仕事です。
楽に稼げる仕事ではなく、長い下積みが必要であり、その間の給与も決して高くはないです。ただし、将来的に独立すれば、自分の頑張り次第で稼げる可能性もあります。
大変な仕事ではありますが、その分やりがいもある仕事といえるでしょう。
