造園工事とは?造園工事で建設業許可を取得するための要件を徹底解説

造園工事とは?

造園工事は、建設業法でその工事内容が定義づけられていて、「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と記載されています。

参考:建築業法における建設工事の内容及び例示
https://www.mlit.go.jp/common/001064634.pdf

個人住宅や公園などでの樹木の植え付け、石組みの設置はもちろん、近年注目が高まっている屋上や壁面の緑化工事、植生の復元や、緑地の維持管理もまた、造園工事なのです。

造園工事の種類

前述した建設業法では、造園工事の例として、植栽、地被、景石、地ごしらえ、公園設備、広場、園路、水景、屋上等緑化、緑地育成工事の10種をあげています。

植栽工事には植生を復元する工事が、公園設備工事には噴水や花壇などの修景施設やブランコやすべり台などの遊戯施設、ベンチなどの休養施設、売店やトイレ、駐車場などの便益施設なども含まれます。

広場とは、修景広場や芝生広場、運動広場などのこと。また園路工事は公園内の遊歩道や街中の緑道を整備したり管理する工事のことです。

屋上等緑化工事とは、建物の屋上や壁面を緑化する工事で、緑化育成工事は、土壌改良や支柱の設置などを行い、樹木や芝、草花などの植物を育てる工事を言います。

植物を扱う工事だけではなく、施設の建設や舗装工事なども造園工事の一種。造園工事の範囲は多岐にわたると言えるでしょう。

造園工事で建築業許可を取得するための要件

造園工事で建設業許可を取得するためには、建築業法に定められた、次の5つの要件を満たさなければなりません。

造園業に関わる経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者
造園業を含めた建設業では、適正な経営ために、造園業の経営業務について一定期間の経験をもつ者が必要だと考えられています。

そのため、造園工事業やそのほかの建設業を営む会社で5年以上の役員経験があること、もしくは、造園業やほかの建設業において、個人事業主として5年以上営んだ経験があることが求められます。

専任技術者の設置
適正な請負契約を締結するためには、専門的知識が欠かせません。そのため、造園業で建設業許可を取得するためには、営業所ごとに専任技術者を設置する必要があります。

この専任技術者の要件は、一般建設業と特定建設業、どちらの許可を取得するのかで異なり、下記要件のうちそれぞれどれかを満たさなければなりません。

一般建設業
|要件|詳細|h
|指定学科の修了者でnあること|・高等学校卒業後5年以上n・大学卒業後3年以上n・専門学校卒業後5年以上の実務経験がある者n・専門学校卒業後3年以上実務経験があり、n 専門士もしくは高度専門士である者|
|実務経験がnあること|造園工事に関して10年以上の実務経験がある者|
|国家資格者でnあること|・一級造園施工管理技士n・二級造園施工管理技士n・技術士法の建設・総合技術監理(建設)n・技術士法の建設「鋼構造及びコンクリート」n・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)n・技術士法の森林「林業」総合技術監理(林業「林業」)n・技術士法の森林「森林土木」総合技術監理(林業「森林土木」)n・職業能力開発促進法の造園技能士(二級は3年以上の実務経験が必要)|

特定建設業
|要件|詳細|h
|実務経験がnあること|指導監督的実務経験を有する者n(一般建設業の許可の専任技術者要件を満たしていて、n造園業に関する4500万円以上の直接請負で、n2年以上指導監督的な実務経験がある者)|
|国家資格者でnあること|・一級造園施工管理技士n・技術士法の建設・総合技術監理(建設)n・技術士法の建設「鋼構造及びコンクリート」n・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)n・技術士法の森林「林業」総合技術監理(林業「林業」)n・技術士法の森林「森林土木」総合技術監理(林業「森林土木」)|
|そのほか|国土交通大臣が、国家資格者と同等以上の能力を有すると認めた者n ・大臣特別認定者:建設省告示第128号(平成元年1月30日)の対象者n ・指定建設業である造園工事業に関して、過去に特別認定講習を受け、n  効果評定に合格した者もしくは国土交通大臣が定める考査に合格した者|
参考:国土交通省・建設業許可の要件より抜粋
https://www.mlit.go.jp/

誠実性
請負契約を締結する際やそれを履行するときに、明らかな不正や不誠実な行為が行われる可能性があると、許可されません。これは法人としてだけではなく、役員や個人でも同様です。

たとえば、建築士法や宅地建物取引業法等などで不正行為をしたことにより、免許の取り消し処分を受け、その処分から5年を経過していないと、許可がおりない可能性があります。

基礎的な財産要件
請負契約を履行するためには、資材や機械、労働力などの一定の資金が必要です。

一般建設業許可では自己資本が00万円以上あるか、もしくは500万円以上の資金調達力があるかなどが、特定建設業許可では欠損の額が資本金の20%を超えていないこと、流動比率が75%以上であること、資本金の額が2000万円以上、かつ自己資本の額が4000万円以上であることが問われます。

欠格要件に該当しない
建築業法では、事業主本人や役員などが破産者で復権を得ていない場合や、何らかの要因で建築業許可を取り消され5年を経過していない場合、営業停止処分を受けてその期間が満了していない場合などは、許可してはならないと定めています。

また、許可申請時の書類に虚偽の記載があったり、重要な事項が書かれていなかったりすると、許可されません。

まとめ

造園工事の内容は、一般的にイメージされる植栽工事や景石工事だけではなく、公園設備や広場・園路工事、屋上等緑化工事など多岐にわたります。

造園工事の正しい知識を身につけて建設業許可を取得し、仕事の幅を広げたり、会社に対する信頼性もアップにつなげたりしていきましょう。