造園業のエクステリアデザイナーとしての働き方
造園業のエクステリアデザイナーとしての働き方で最も一般的なのが、企業に就職することです。
エクステリアデザイナーの求人情報をみてみると、「エクステリアプランナー」「ガーデンデザイナー」などの名前で募集されていて、雇用形態も正社員、契約社員、パートとさまざまです。
エクステリアデザイナーとはいえ、企画提案、設計などのデザイン業務だけではなく、営業や施工管理などの仕事を兼任することも。
エクステリアCADでの設計図作成を中心とした、CADオペレーターの募集もあるので、自分の得意分野や働き方に合わせた選択が可能です。
このほか企業には所属せずに、3Dパースなどの図面作成代行やエクステリアプラン提案などの仕事を、個人や造園業の会社から依頼を受けて行う、フリーランスのデザイナーとして働く方法もあります。
エクステリアデザイナーの給与・年収は?
エクステリアデザイナー給与額は幅広く、企業の規模や実務経験の有無などによって異なります。
ハローワークに掲載されている、エクステリアデザイナーの給与額の平均を算出してみると、およそ21~35万です。
施工や管理業務を含めた、エクステリア業全般の平均年収が402万円でこれを月給に換算すると34万円。
初任給は20万円程度が相場なので、エクステリアデザイナーも同程度の年収と言えるでしょう。
エクステリアデザイナーに役立つスキル
エクステリアデザイナーの仕事には、CAD操作やスケッチなどのスキルが役立ちます。
CAD操作スキル
一昔前までは手描き図面が主流だったエクステリア業界ですが、現在では多くの企業でエクステリアCADソフトを導入しています。
エクステリアCADソフトは、2次元・3次元の図面を簡単に作成でき、顧客の要望に伴う変更や修正もスピーディーに行えるのがメリット。
エクステリアを学べる高校や専門学校などのカリキュラムでも取り入れられているCAD操作は、もはや必須のスキルと言えるでしょう。
初心者向けからレベルアップ用まで、オンラインでCAD操作を学べるスクールもあるので、自身のレベルに合わせてスキルを学べます。
参考:RIKCADスクール
https://www.eandg.co.jp/rikcadlp/
手描きスケッチ・パーススキル
自身のアイディアやイメージを目に見える形にし、顧客や施工者と共有する手法の一つとして、手描きのスケッチやパース図は有効です。
手描きのスケッチやパース図では、デザインの中で強調したいことや微妙なニュアンス、デザイナーの個性を表現できます。
顧客との打ち合わせ中に、その場でラフなスケッチを描けばすぐにイメージ確認することも可能。
絵心が必要そうなスケッチやパース図ですが、コツをつかめば意外と簡単に習得できます。
エクステリアデザイナーに役立つ資格
エクステリアデザイナーとして働く上で必要な資格はありませんが、エクステリアプランナーや造園施工管理技士などの資格があると、実務に役立ちます。
エクステリアプランナー
エクステリアの設計・工事管理に関する技術、知識の向上と、エクステリア工事に対する信頼性を高めることなどを目的に制定された民間資格です。
1級では一般住宅や共同住宅のエクステリア全般の設計と工事管理に関する専門知識と技術、2級はそれらの基本的な知識を有しているかを問われます。
試験は学科と実地試験があり、とくに1級の実地試験は、テーマや条件に従って平面図、立面図、断面図、植栽リストなどの作成する実務に近い内容です。
エクステリアプランナーの資格を所有していることは、エクステリアデザインに関する実務的な能力があることの証明になると言えるでしょう。
造園施工管理技士
造園施工管理技士は建設業法に基づき、造園の施工技術の確保と向上などのために、全国建設研修センターが認定する国家資格です。
1級、2級の2種類があり、どちらも実務経験や指定学科の卒業などの受験資格を問われます。
また令和3年度からは第1次検定と第2次検定の2段階で試験が行われるように。
第1次検定に合格すると「造園施工管理技士補」、その後必要な実務経験年数を経てから第2次検定の受検、合格すると「造園施工管理技士」と称することができます。
「造園」と名の付く資格ですが、試験では樹木や土壌、コンクリートの性質・施工方法や、工程・安全管理に関することなど、幅広い知識が問われます。
エクステリアデザインと共通する内容も多いと言えるでしょう。
造園技能士
技能士認定とは、さまざまな職種で働く人々が持つ技能を一定の基準により検定し、国がそれを証明する国家検定制度。
造園職種では「造園の設計図に基づく造園工事に必要な技能・知識」が対象で、1級、2級、3級に分かれています。
試験は学科と実地があり、学科では庭園の種類や施工・管理方法、材料、関係法規、安全衛生などの知識を有しているか、実地では図面作成と庭木・庭石の選定、植え付けなどの実作業を行います。
造園技能士はエクステリアプランナーや造園施工管理技士よりも「施工に必要な技術・知識を持っているか」に重点を置く資格。
実現可能なエクステリアデザインに役立つ資格と言えるでしょう。
カラーコーディネーター・色彩検定
カラーコディネーターは東京商工会議所が、色彩検定は文部科学省の後援を受けた色彩検定協会が主催している検定試験。
どちらも色の性質や特性、効果など色彩に関する知識を習得できます。
色のさまざまな特徴を理解し、理論・法則を知ることで、センスがあるイメージ通りの配色が可能に。
エクステリアデザインでは、建物や街並みなど周囲の環境とのバランスも重要です。
色彩に関する知識を身につけることは、ワンランク上のデザイン提案につながります。
まとめ
造園業のエクステリアデザイナーとしての働き方は、正社員やパートなどで企業に所属する、フリーランスとして活躍するなどさまざま。自分に合った働き方が可能です。
エクステリアデザイナーの仕事に活かせるスキルを身につけたり資格を取得したりして、仕事の幅を広げていきましょう。