外構工事の仕事内容とは?造園業との違いややりがいを解説

外構工事の仕事内容

「外構」とは、住宅やビルなどの建物周りにある構造物をさし、外構工事はこれらの構造物を設置する工事のことを言います。

よく似た言葉に「エクステリア」がありますが、これはどちらかと言うと、外構を含めた建物の周りの空間全体を意味する言葉です。「外構」と「エクステリア」は、あまり明確な区別をつけずに使用されていることもあります。

外構工事では建物の周りにあるものは、ほぼ全てを対象とするため、仕事内容は多岐にわたります。

ブロック塀やフェンス、門扉などの囲い、ウッドデッキ、物置、駐車場のカーポートなどの構造物を設置する工事は全て、外構工事です。

土木工事のイメージが強い、アプローチや駐車場の舗装工事、敷地の高低差を解消するための土留め工事なども、外構工事の一種です。

庭木や草花、芝などを植える植栽工事や、和風庭園でよく見られる景石を据える工事なども、外構工事に含まれます。

庭園灯や門柱灯などの照明や、インターホンを設置するための電気工事、外水道を設置する水道工事も、建物周りの空間で行われる場合には、外構工事の一部になるのです。

また、外構工事の仕事内容は、会社ごとに違います。

多くの種類がある外構工事を、1つの会社で全て請け負うのは大変です。

そのため、植栽工事に特化したり、舗装や土留め工事などの土木工事に特化したりするなど、それぞれの得意分野を活かした仕事を請け負っているからです。

公共の仕事をメインにしているような大規模な会社であれば、すべての種類の外構工事を一手に引き受けていることもあります。

外構と造園の違い

「外構」と「造園」は混同して使われがちな言葉ですが、その基本的な意味は異なります。

「外構」は前述したように、住宅やビルなどの建物周りにある構造物を意味し、外構工事はこれらの構造物を設置することを言えいます。対して「造園」は、個人住宅や集合住宅の庭、大規模な庭園や公園などの「空間」をつくることです。

住宅の一部としてつくられる「庭」という空間は、建物周りの空間に含まれています。そのため、木や草花を植えたり、テラスやウッドデッキをつくったりして庭をつくる造園工事は、この場合においては外構工事の一種であるとも言えます。

個人住宅の工事では、外構は家の外周り全般の工事、造園はその中でも庭を中心とした工事、と考えてもよいでしょう。

一方で、公園や大規模な緑地における舗装工事や設備の設置は、「建物周りにある構造物」というよりは、「公園や緑地という空間にあるもの」として捉えられるため、外構工事ではなく造園工事の一部として認識されています。

「外構」と「造園」、言葉の持つ意味には相違点がありますが、共通した工事内容が多く、状況に応じて使い分けられていると言えるでしょう。

造園工事のやりがい

造園工事は専門的な知識や技術が必要で、習得まで時間がかかることもあります。

その反面、成果を確認しやすい、自分のセンスやアイディアを形にできる、社会に貢献できる、といったやりがいを感じられる、魅力ある仕事です。

成果を目で見て確認できる
庭木や草花を植えたり、せん定や除草などの手入れをしたりする造園工事は、実際に自分で手がけたものを目で見て確認できるので、達成感や充足感を得やすい仕事です。

樹木や草花などは、季節の移り変わりや成長に伴ってその姿を変え、風雨にさらされた庭石は、苔むしたり風化したりして、味わいを深めていきます。

作り上げた庭が年月と共に成長し、変化する姿を楽しめることは、ほかの職業ではなかなか得られない経験でしょう。

また、建設工事に比べて造園工事は工期が短いことが多く、せん定や除草などの工事は、規模によっては一日で終了することもあります。

頻繁に達成感を味わえるのもまた、造園工事のやりがいの一つです。

自分のセンスやアイディアを形にできる
造園工事では、自分自身が思い描く空間を庭木や草花や石、砂、土などを使って、実際に形作ることができます。

工事で使う材料は自然のものが多く、一つとして同じ形のものはありません。設計する場所も、形や広さなどの条件が全く一緒ということはなく、常に新しい挑戦をすることができます。

せん定や刈り込みなど手入れの仕事も、どの枝を切りどの枝を残すのか、どのような形に仕上げるのか、常に自分自身のセンスを表現できるのです。

自然を相手に自分自身を表現できるという喜びは、造園工事のやりがいの中でも最も特徴的なものと言えるでしょう。

緑を通じて社会に貢献できる
個人住宅の庭だけではなく、公園や大規模な庭園、屋上緑化など、街の中に緑を生み出す仕事も、造園工事の一種です。

公園や大規模庭園など街の中の緑地は、レクリエーションや地域のコミュニティの場、防災拠点、都市環境の改善や生物多様性の確保など、さまざまな役割を持っています。

環境問題への高い関心や、感染症の拡大に伴う生活スタイルの変化により、身近な自然である公園や庭園などの価値は再認識されています。

造園工事は、人々の生活をより豊かにする空間を提供することで、社会へ貢献していくやりがいのある仕事と言えるでしょう。

まとめ

外構工事とは、住宅などの建物の周りに塀や囲い、ウッドデッキ、駐車場、植栽などの構造物を設置する工事のことで、造園工事は、個人住宅や集合住宅の庭、大規模な庭園や公園などの「空間」をつくることです。

両者の工事内容は共通したものが多く、「外構」と「造園」は状況に応じて、使い分けられています。

自然を相手にする造園工事では、大変な作業が多いのも事実ですが、それゆえのやりがいがあり、魅力的な仕事です。自身のデザインやアイディアを表現し、社会貢献につなげていきましょう。