造園工事で除草作業を行う上での安全管理について
造園工事での除草作業は、注意を怠ると危険が伴います。例えば、草刈機の高速回転刃による手指切断事故や機械使用中の転倒事故など、不注意による事故が多発しており、安全管理について理解しておかなければいけません。
ここでは、草刈機が原因で起きる事故の詳細とその原因を解説します。
除草作業では草刈機による事故が多い
除草作業中の草刈機による事故は、さまざまな危険要因が絡み合って発生します。
まず草刈機は回転刃を使用して草を刈る仕組みです。そのため、刃に挟まった小石やチップが高速で飛散することがあり、それらに当たると作業者が怪我をする原因になることもあります。
草刈機の回転刃が詰まった際には必ず一時停止をしましょう。危険な事故例として、一時停止せずに指や手を使って詰まった草を取ろうとし、指や手が回転刃に巻き込まれる事故があります。これは深刻な怪我を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また、足場が不安定な場所での作業も要注意です。坂道や傾斜地で機械を操作する場合、機械や作業者が転倒して怪我を負う危険性があるからです。
事故の原因となる3つの要素
草刈機による事故の原因は主に3つの要素に起因します。それぞれ「操作的要素」「機械的要素」「天候的要素」です。
操作的要素は、作業者自身の知識や経験不足、不適切な操作方法が事故の原因となります。操作者が機械を正しく扱わない、安全な手順を無視するなど、自身の行動に問題がある場合、事故が発生しやすくなるでしょう。
機械的要素は、草刈機のメンテナンス不足が原因で発生します。回転刃やその他部品の故障が事故の原因となります。メンテナンスを怠ると、機械の安全性が低下し、故障や異常動作が発生しやすくなるでしょう。
天候的要素とは、天候が原因で引き起こされる事故のことをいいます。足場が悪化したり、視界が悪くなったりすることで引き起こされる事故が当てはまるでしょう。
雨天時には足場が滑りやすくなり、作業が安定しません。また、視界が悪い場合、障害物や危険を見落とす可能性が高まります。
これらの要因に加えて、キックバックにも十分な注意が必要です。キックバックとは機械が急に逆方向に動き出す現象で、これも重大な事故を引き起こす原因となるので、注意を怠らないよう意識してください。
乗用草刈機を使う際の安全作業のポイント
つづいて、乗用草刈機を使う際の安全作業のポイントを作業前、作業中それぞれで解説します。
作業前、作業中とそれぞれで確認作業を行うことで危険な事故を軽減できるため参考にしてみてください。
作業前の確認事項
作業前の確認事項として、まず、回転刃の選定が必要です。草刈機にはさまざまな形状や材質の回転刃があります。作業場所や刈り取る草の種類に応じて適切な回転刃を選定しましょう。
次に、刃の状態確認が必要です。使用前に回転刃を注意深く確認し、欠けやヒビ割れ、変形がないかを確認しましょう。損傷した刃を使用すると、安全性が低下し、故障の原因にもなります。
一部の草刈機には飛散防護カバーが取り付けられています。作業前にこれを確認し、飛び石や切り草が作業者に当たらないように調整しましょう。
燃料の確認も怠ってはいけません。使用する前に燃料の残量を確認し、必要ならば燃料を補充します。また、長期間保管していた燃料は劣化する可能性があるため、新しい燃料を使用することを検討しましょう。
作業者はヘルメット、ゴーグル、保護長靴などの適切な安全服装を着用してください。どのような服装が必要かチェックリストを作り、作業開始前のチェックを徹底しましょう。
注意しなければいけないこととして、従業員同士での定期的な安全教育も必要です。新しい情報やベストプラクティスの共有、事故の報告と対策などを行うことで、作業者の安全意識を高めます。
作業中の対策事項
草刈機を使う際の作業中の対策事項として安全具の着用が挙げられます。防護手袋、安全靴、防護メガネなど、適切な安全具を着用しましょう。安全具の着用により、怪我や飛散物から身を守ります。
また、防護メガネには曇り止めを塗っておきましょう。視界の確保ができ、作業中の安全性が向上します。
特に防護手袋は、エンジンに触れた際の火傷や、回転刃を交換する際の切り傷を防ぐために重要です。常に手袋を着用しましょう。
これらの対策を実施することで、草刈機を使用する際の安全性が向上し、怪我や事故のリスクを最小限に抑えられます。安全意識を持ち、適切な安全対策を徹底しましょう。
まとめ
今回の記事では造園工事で除草作業を行う上での安全管理を解説しました。除草作業では草刈機による事故が多く発生します。
小石やチップなどの固体物が高速で飛散することで作業者が体や目に損傷を負う事故や、指や手が回転刃に巻き込まれる事故などが危険な事故として挙げられるでしょう。
「操作的要素」「機械的要素」「天候的要素」それぞれに事故の要因があるため、それぞれの観点で常に注意する必要があります。作業前と作業中それぞれの安全管理のポイントを紹介しているため、参考にしてみてください。