日本造園建設業協会とは
一般社団法人日本造園建設業協会は、造園工事業を営む企業によって組織される団体です。団体名は、略して日造協と呼ばれています。
日本造園建設業協会は各都道府県に支部があり、全国に会員がいます。日本造園建設業協会の役員は、会長を筆頭に、副会長や専務理事、業務執行理事、理事、監事などで構成されています。
日本造園建設業協会の事業
日本造園建設業協会は様々な事業を手掛けています。
日本造園建設業協会では造園技術、資材、施工の合理化及び造園業の経営に関する調査研究をしており、結果などは会員に配布し、他にも必要な情報があれば提供します。関係機関に政策を提言したり、要望を述べたりすることもあります。
また、日本造園建設業協会は、緑化行政や造園技術の国際交流に協力する社会貢献もしており、地球環境保全のための活動、生活空間における美しい景観作りなどに取り組んでいます。
他にも、日本造園建設業協会は、試験の認定や講習会の開催などを通して技術者の育成にも力を入れています。
例えば、造園基幹技能者認定制度を発足させたのは、日本造園建設業協会と日本造園連合会が組織した運営委員会で、 登録造園基幹技能者になるために必要な登録基幹技能者講習も日本造園建設業協会と日本造園連合会が実施機関となっています。
また、講習会に関して、造園工事の実態に合わせて、日本造園建設業協会がフルハーネス特別教育を実施した例などがあります。
日本造園建設業協会は、広報活動やイベントの開催、機関紙や書籍の刊行なども手掛けており、幅広く活動していることがわかるでしょう。
日本造園建設業協会に属している企業とそれ以外の企業の差は?
日本造園建設業協会に属している造園企業もあれば、所属していない企業もあります。日本造園建設業協会に属せば、様々なメリットがあります。
日本造園建設業協会の会員企業になるメリット
まず、日本造園建設業協会の会員であることで、顧客からの信頼を得やすいです。日本造園建設業協会は、長きにわたって社会的に有用な活動を続けてきた実績があるので、顧客の会員企業に対する期待も大きいでしょう。
また、日本造園建設業協会は、コンクールの主催や人材育成活動、資格制度の創設や講習会の実施、海外の関連団体との交流窓口になるなど幅広く活動しており、会員は日本造園建設業協会の活動に参加できるメリットもあります。
日本造園建設業協会は全国に支部があるため、情報網が張り巡らされており、会員は様々なネットワークを通じて有用な情報を得られます。日本造園建設業協会の会員は、諸活動に参加したり、他地域の会員と交流、情報交換したりする機会があるので、常に最新の情報に触れられるでしょう。
その他、日本造園建設業協会の会員になると、日造協団体保険制度への割安な加入ができたり、書籍の割引サービスを利用できたりするメリットがあります。
日本造園建設業協会に属していない企業も、条件を満たせば会員になれる
日本造園建設業協会の会員は、正会員と賛助会員、名誉会員があります。日本造園建設業協会の正会員は、建設業法による許可を受けて造園業を営む個人又は団体が対象です。
正会員になるには、継続的に造園工事の完成工事高がある者、造園関連の指定管理業務又は委託管理業務を実施する者、造園関連の技術的、人的基盤を有する者、会員2名以上の推薦がある者の条件から2項目以上を満たさなければなりません。
条件を満たした場合、必要書類をそろえて近くの支部に提出します。
造園業の今を知ろう
造園業を含め、建設業界では人手不足となっており、就労者の高齢化も目立ち、技術者の育成や確保が早急に求められています。
業界全体の労働環境の改善や女性活躍の推進も簡単ではありません。また、公共工事額の減少や価格競争などで造園業界自体が厳しい環境に置かれているといえるでしょう。
全国にある造園企業は、地域の事情も異なれば、経営方針や規模など会社の状況も異なり、個々の企業では解決できない問題も多く抱えているはずです。
日本造園建設業協会は、造園業が抱える問題の解決に寄与してくれるので、個々の企業にとっては心強いでしょう。他にも、日本造園建設業協会は事業領域を拡大し、造園に関する情報発信で認知度を高め、発言力の強化に努めるなど、社会貢献をしながら、造園業界や造園企業の発展のために尽力しています。
また、日本造園建設業協会の活動に参加することで、経営者として学ぶことも多くあるため、まだ加入していない造園会社の経営者や若手の造園業関係者は、入会を検討してみると良いかもしれません。
日本造園建設業協会に参加して得たことを経営に活かしたいという理由で、日本造園建設業協会に入会した経営者の例もあります。また、会員企業の中には、一度退会したものの、再入会した企業も見受けられ、日本造園建設業協会に入会するメリットは少なくないといえるでしょう。