退職届の書き方と提出方法のポイント

退職届とは?絶対に必要?

退職届とは、退職希望者が退職の意思を上司に申し出てから、部長や役員などにも了承され、退職が確定した後に提出する書類です。

退職届、退職願、辞表の違い
退職届と似たような書類に退職願や辞表がありますが、それぞれ役割が異なります。

退職願は退職を願い出るための書類で、退職届の前に提出するものです。

辞表は、社長や代表取締役などの雇用関係のない人、公務員が職を辞する時に提出する書類で、一般の会社員の場合、作成する必要はありません。

退職届を提出する必要性
退職届の提出は、法律で定められているわけではありません。口頭で退職の意思を伝えるだけでも退職できます。

しかし、口頭での伝達だけでは証拠が残らず、トラブルになる可能性があるため、記録として残すためにも書類を提出するのが一般的であり、マナーとしても捉えられています。

また、法律で規定がなくても、常時10人以上の従業員がいる企業では就業規則があり、ほとんどの就業規則に退職届の提出に関する規定が設けられているため、退職希望者は勤務先の企業の就業規則を確認しましょう。

退職届の書き方を手書きとパソコン作成に分けて解説

退職届は、フォーマットが会社で用意されている場合もあるので、退職時に会社に確認しましょう。

会社に退職届のフォーマットがなく、書き方の指定もなければ、自分で退職届を作成しますが、書き方は手書きとパソコン作成のどちらでも問題ありません。

退職届を手書きで書く場合の方法
退職届を手書きで書く場合、白の便箋と封筒、摩擦で消えない黒のボールペンか万年筆を準備します。書き損じた場合は、修正液や修正テープなどで修正することは避け、書き直しましょう。

縦様式の退職届を書く場合、まずは、退職届と書き始めます。次行の下には、私個人のことを謙遜した表現である「私儀」と記し、内容に入りましょう。

退職届の理由の書き方は定型化しており、具体的に「このたび、一身上の都合により、勝手ながら、〇年〇月〇日をもって退職いたします」と記載します。

最後に、届け出年月日、所属部署と名前、宛名をそれぞれ行を変えて書きます。所属部署や名前は、宛名よりも下の位置に記し、捺印も忘れずにしましょう。

横書きは、縦書きとほとんど同じ内容ですが、文章の配置や締め方などが異なります。

退職届をパソコンで書く場合の方法
退職届をパソコンで作成する場合、インターネット上で検索すれば、横書きや縦書きのたくさんのテンプレートが出てくるので、適当なものを選んで使用すると良いでしょう。

テンプレートも手書きで作成する時と同じような内容になっているので、日付や宛名などを書き換えます。

パソコンで退職届を書く際、所属事務所や名前は手書きにしましょう。手書きの筆跡によって、退職者本人が書いた証明となります。

退職届に必要な情報
退職届はテンプレートに従うだけで大体作成できますが、知っておくべき情報もあります。

例えば、退職届の理由について、一身上の都合という表現が使えるのは自己都合での退職の場合だけです。

会社都合での退職の場合、基本的に退職届は不要ですが、提出を求められた際は、「貴社、退職勧奨に伴い」など会社都合であることがわかる理由を書きましょう。

また、退職届の書き方で注意したい点に日付があります。退職日は、上司や会社と相談して決めた日付を記し、届け出日は、退職届を会社に提出する日付を書きましょう。

退職届の提出方法

退職届の書き方だけでなく、提出の仕方にもマナーがあるので、気持ち良く退社するためにも、退職希望者は正しい退職届の提出方法を知っておくべきでしょう。

提出方法
退職届の提出方法は、会社から郵送するよう指示がない限り、基本的に手渡しです。事情があって手渡しが不可能な退職希望者は、上司に事情を伝え、郵送での提出について相談しましょう。退職者にどんな事情があっても、上司に一言も相談することなく、退職届を郵送するのはNGです。

封筒
退職届は、封筒に入れた状態で提出します。封筒は、白色で無地のものを使いましょう。

また、中に入れる退職届の用紙のサイズに合う封筒を選ばなければなりません。退職届をB5サイズの用紙で作成した場合、封筒は長形4号が望ましいです。

退職届は下から三つ折りにします。三つ折りにして封筒に入れた際、退職届の右上にあたる部分が、封筒の裏の右上に位置する入れ方が正しいです。

封筒の表の中央には退職届と書き、裏面の左側には差出人である退職者の所属部署、氏名を記入します。退職届が入った封筒に封をする場合、「〆」と書きましょう。

尚、封筒の封をしなくてもマナー違反にはあたりません。封をしない場合、ふたを折っておきましょう。

渡すタイミングはいつ?
退職届を提出するタイミングは、退職希望者が退職の意思を示し、上司や会社との間で具体的に退職日や引き継ぎなどの話し合いを終え、退職日が決まった後です。

退職届は、一度提出すれば撤回は難しいので、提出前に自分自身に退職の意思を再度問いかけてみましょう。