造園業には種類がある?入社後のミスマッチを防ぐ会社の選び方

造園会社によって請け負う仕事が違う

造園業とは造園空間をデザインし、施工する業種のことです。

造園会社の工事は多岐にわたり、国土交通省の告示によると植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事が挙げられています。

このように、数多くの工事を請け負える造園業ですが、会社としての方針や規模、造園関連の有資格者の人数によって請け負う工事や事業内容に違いがあります。

造園会社と単に言っても、個人邸宅の庭の剪定等の維持管理をメインとしている造園会社がある一方で、都道府県や市区町村から発注されるの公共案件を主に手掛けている造園会社もあるなど、会社によって事業内容は異なり、それぞれ企業として強みとするポイントも異なります。

そのため、造園業で働くことを希望している人は自分に合う会社を見つけるために、造園会社によって仕事内容が異なる場合があることを知っておく必要があるでしょう。

造園会社の顧客は大きく分けて3種類

造園会社の請け負う仕事は、顧客が誰か?という視点で見ると、都道府県や市区町村などから業務を委託された仕事、ゼネコン等を始めとする民間企業から請け負っている仕事、そして個人消費者から受注した仕事の、大きく3種類に分けることができます。

公共案件
都道府県や市区町村の依頼による仕事は、いわゆる公共案件と呼ばれている仕事です。住民が利用する公園設備や学校などの緑地の新設工事、維持管理を請け負う他、公道の街路樹剪定をして安全を確保したり、景観維持にも貢献したりしています。

人々が安全、かつ快適に日常生活を送る上で欠かせない工事であり、生活に密着した事業を手掛けていると言えるでしょう。

民間案件
民間企業から仕事を請け負う造園会社は、民間企業施設の屋上や庭などの緑化工事や工事後の維持管理を行います。

民間施設には、オフィスビルや商業施設、民間ビルの屋上緑化、ホテルや旅館の庭園のデザインや施工、維持管理が含まれます。

また、マンションの管理者などから快適な住環境を構築するためにランドスケープ工事を依頼されることもあります。

個人案件
個人消費者から請け負う仕事は、個人宅の作庭や維持管理を行う仕事です。庭師と聞いてイメージするような日本庭園の剪定作業はもちろんのことですが、現在は和風のお庭が少なくなってきたことから様々なテイストのお庭にも対応できる会社も多いです。

ただし、個人消費者から舞い込む仕事は樹木や植物を扱うものだけではありません。

昨今の住宅事情に合わせて、駐車場や門扉、デッキ等を含めたガーデンエクステリア工事をメインに請け負っている会社もあります。

公共・民間・個人案件、それぞれ2つまたは3つを兼ねている会社が一般的!

造園会社はそれぞれ強みとするポイントが異なるとはいえ、企業方針や企業内の有資格者数、規模によっては、公共案件、民間企業からの受注案件、個人消費者からの案件など全て請け負うことも可能です。

企業とのミスマッチを防ぐには?
造園業に関連する仕事を探す時、求人票には「◯◯造園」等と社名が記載されていても造園会社ですから、社名に「造園」が含まれていることは当たり前であり、企業名だけでは事業内容まで判断することは難しいでしょう。

そして求人票の仕事内容を見ても、『造園工事・植栽メンテナンス・剪定』などの業務内容は詳しく記載があっても、どういった案件が中心かの判断はつきにくいのが現状です。

そのため、「造園業だから」「仕事内容に造園工事とあったから」と安易に入社を決めてしまうと、入社後に自分がイメージしていた仕事ができないなどのギャップが生まれる可能性があります。

こうした入社後のギャップを生まないためにも、造園業の仕事を探す時は、求人票の情報や企業のホームページのみで会社を理解したつもりになるのではなく、実際に数社面接に行ってどんな仕事をしているのかをしっかり確認するようにしましょう。

また、働く造園会社の選び方の基準として、自分がどのような仕事をしていきたいかというイメージも考えておくと良いでしょう。

例えば、商業施設の屋上緑化や壁面緑化に携わる工事を多くやりたい人にとっては、個人宅で樹木の剪定等のメンテナンスを多く請け負う会社ではミスマッチとなるでしょうし。そして、剪定等のメンテナンスを主にやりたい人にとって、同じ個人案件が中心でもエクステリア工事を多く請け負う会社も同じくミスマッチを生むでしょう。

大規模な造園会社では、スケールの大きな仕事に携わり、協力会社とチームになって工事の現場管理、監督を任されることが想定されます。

自身が持つスキルや資格を活かして施工管理・現場代理人として働きたい場合には、どのくらい活躍の場があるのかを面接時に業務内容などの説明を聞き、判断しましょう。

造園業界で何をしたいか、まずは自分と企業を知ろう
記事冒頭でも説明したように、造園業とひとくくりにしても仕事内容は多岐にわたります。

自分のやりたい仕事をして充実した人生にするためにも、造園業で自分がやりたいことはどんなことか、それはどの会社で実現できるのか、さらに自身のキャリアプランに沿ったスキルアップが望めるのか。

そういった人生設計をしっかりと練り、自分自身に最適な会社を見つけましょう。