造園業における積算ってなに?設計となにが違う?

造園設計の仕事内容は?

造園設計は、個人邸宅の庭やエクステリア、公共の庭園や公園をはじめとした公共施設、商業施設などにおいて、植栽部分や土木部分の設計をする仕事です。

造園の設計には、複合的な知識が求められます。例えば、造園設計者は、樹木の知識はもちろん、数年後の植物の状態も見越した長期的な視点が必要になります。

また、エクステリアに関しては、見た目にこだわるだけでなく、防犯やプライバシーの保護、実用性なども考慮しなければなりません。

さらに、造園設計者は、バリアフリー仕様の知識が求められたり、個性的なデザインを要望されたりすることもあるので、介護分野など多種多様な知識が必要となります。

造園積算の仕事内容は?

積算は、建設業において、とても重要な役割を果たします。積算の仕事が重要な理由は、建設工事の開始前に工事に必要な物資や費用を算出しなければならないからです。

造園工事を手掛ける造園工事業も、建設業の一種と見なされ、やはり積算の仕事は欠かせません。

造園積算は、ただ単に造園工事にかかる費用を計算するだけでなく、顧客の要望があればコストの削減に応じられるよう資材に関する幅広い知識、工事費のコスト削減方法の知識などを持ち併せておく必要があるでしょう。

公園緑地工事をはじめとする公共工事においては、過去には必要な資材の数量に単価をかけて計算する積上げ積算方式が用いられていましたが、平成24年からは施工パッケージ型積算方式が導入されています。

都市再生共済会からは土木・造園工事積算要領、保全工事積算基準造園などの書籍も出ている他、地方自治体のサイトでは積算関連の情報が更新されているので、造園積算に携わる人は最新情報を得る必要があるでしょう。

どのようなスキルが求められる?

造園設計・積算は、共に基本的なパソコンスキルが求められる他、造園や園芸に関する知識があれば尚良いです。

また、仕事をするにあたって資格が求められるわけではありませんが、造園積算士やエクステリアプランナーなどの関連資格を取得しておくと、顧客からの信頼度も上がりますし、業務で役に立つことがあるでしょう。

造園設計
造園設計には、デザインセンスも必要ですが、依頼者の状況に応じて安全性や実用性などへの配慮も求められます。また、現在は、設計作業にCADが用いられることが多いので、造園設計に携わりたい人はCADの知識を持っておくべきでしょう。

CADとは、Computer Aided Designの各単語の頭文字を取った略語で、コンピュータで設計・製図ができるツールです。CADには2次元(2D)と3次元(3D)データの製図を行うものがあります。建築分野に特化したCADもあります。

ただ、CADといっても様々な仕様があるので、学習予定者は造園設計に多く使われる仕様のCADを知った上でスキルを習得すべきです。現在、エクステリアCADソフトで多く使われているのは、RIKCADやO7CADです。

造園設計において、CADを用いるメリットは多くあり、例えば修正や編集が素早くできたり、データが共有しやすかったりして仕事を効率よく進められます。

また、設計中の庭やエクステリアなどの設計データは、打ち合わせ用に立体にしたパースにして使用されることもあるため、造園設計に携わる人は、3DCADの知識もあると良いでしょう。

造園積算
造園積算は、積算に必要なパソコンのExcel機能を使いこなせなければなりません。Excelとは、表計算ソフトで、計算に特化しているため、積算には欠かせないツールといえるでしょう。

Excelは造園積算だけでなく、様々な業種、部署の仕事でも使えるスキルなので、身に着けておいて損はありません。

パソコン教室や無料動画などでもExcel講座はたくさんあるので、初心者でもExcelの習得は難しくないでしょう。

造園設計・積算の給与はいくらくらい?

造園設計・積算の給与は、約350万円から約550万円を想定しておくと良いでしょう。

経験年数や一人でこなせる設計と積算の仕事の範囲によっても収入は増減します。未経験の人や設計しかできない人なら収入は少なくなり、設計も積算もこなせる人や経験豊富な人なら収入アップが期待できるでしょう。

また、造園設計・積算の業務を経験していく内に、資材の知識や工程把握などの必要性を感じることもあるはずです。造園設計・積算に携わる人は、設計・積算に直接関係ないように見える知識であっても、必要性を感じたなら、積極的に勉強して自分のスキルや知識を高めていくことが求められるでしょう。

まとめ

造園業における仕事の一つに、造園設計・積算があります。設計は、文字通り、庭やエクステリア、公園などのデザインを手掛けます。積算は、造園工事に必要な費用を算出する仕事です。

近年、造園業では個人邸宅の庭の仕事は減少傾向にありますが、最近ではガーデニングが流行したり、洋風邸宅のエクステリアにこだわる人が増えたりしているので、造園設計・積算の仕事は今後も需要が高まることが予想されます。