造園CPD制度とは
CPD制度とは、Continuing Professional Developmentを略したもので、日本語では継続教育を意味します。
造園CPD制度とは、造園業に関わる技術者のための継続教育制度です。造園業に従事する技術者は、現場に合わせて臨機応変に判断を下し、業務を的確に進行させ、技術者としての社会的な役割を果たさなければなりません。
責任を持って社会的な役割を果たすためにも、技術者は、常に自己研鑽を続け、知識を刷新したり、技術を向上したりする必要があります。
造園業に必要な資格の中には、一度取得すれば更新が不要のものもあります。更新が不要ということもあり、労働者によっては自己研鑽を疎かにする人もいるでしょう。誰もが自己研鑽について積極的とは限りません。
社会からの信頼に応えるためにも、造園業に従事する技術者はスキルアップを図る必要があり、造園CPD制度では技術者が自己研鑽した実績をCPD単位として認定します。
また、造園CPD制度は、対外的にも技術者のスキルアップを証明してくれ、CPD単位は公共工事の入札参加の際の加点対象になっています。
公共工事の入札を希望する企業は、経営事項審査を受ける義務がありますが、令和3年4月に改正された経営事項審査からCPD単位が評価されるようになりました。
特に、建設業許可を得ている造園企業にとって、技術者にCPD単位を取得させる意義は大きいでしょう。
2023年4月からの(新)教育形態について
造園CPD制度は昨今の社会情勢による影響なども鑑みて、2023年4月から(新)教育形態が適用されます。
(新)教育形態では、既存の教育形態で使用されていた区分番号が廃止されたり、変更されたりしている他、内容やCPD単位係数にも変更が加えられます。
既存の教育形態は、I講習会等の受講、展示・フェア等の閲覧・視察、II論文等の発表、III企業内研修、IV能力向上に資する技術指導、V業務等の評価(能力向上の成果とみなせるもの)、VIその他で構成されています。それぞれの項目で内容やCPD単位係数が細かく区分されていました。
2023年4月からの(新)教育形態では、I講習会等の受講、II論文等の発表、III企業内研修、IV技術指導、V業務評価、VIその他と構成が変更になります。区分番号の廃止や変更で旧教育形態より内容やCPD単位係数が簡潔にまとめられ、利用者にとって利便性が高くなりました。
旧教育形態でIからVに区分されていたもので、(新)教育形態ではVIその他の自己学習に変更されているものも目立ちます。
造園CPD会員は、2023年4月から適用される(新)教育形態の詳細を公益社団法人日本造園学会のHPで確認しましょう。
参考:公益社団法人日本造園学会
https://www.jila-zouen.org/cpd/15321
造園CPDへ参加するには
造園CPDへ参加するためには、まず会員登録をしなければなりません。
造園CPDの会員は3種類に分類され、会員1と会員2は指定された団体に属していたり、規定された資格を保有していたりする人だけが所属団体を通して入会申請できます。会員1と会員2に該当する団体、資格に関しては、造園CPDのHP、もしくは(新)造園CPDガイドブック(第6版)で確認できます。
参考:造園CPDのHP
https://service2.kktcs.co.jp/lacpd/hp/Main.htm?id=8
参考:(新)造園CPDガイドブック(第6版)
https://www.jila-zouen.org/
会員1と会員2に該当しない造園CPD会員3は、個人会員として造園CPDのHPから造園CPD事務局に入会を申請しなければなりません。
会員3の場合、特定の会員募集期間が設けられていないため、会員登録はいつでも可能です。造園CPDのHP内にあるCPD会員3新規入会申し込みのリンク先で必要な情報を入力しましょう。
参考:CPD会員3新規入会申し込み
https://service2.kktcs.co.jp/lacpd/hp/apply/Step1.htm
(新)造園CPDガイドブック(第6版)をチェックしよう
造園CPD制度に関しては、公益社団法人日本造園学会のHPから(新)造園CPDガイドブック(第6版)を参考にしましょう。
2023年4月から(新)教育形態が適用されるのに伴い、2023年1月に公益社団法人日本造園学会のHPにて、造園CPDガイドブック(第5版)から(新)造園CPDガイドブック(第6版)に更新されました。
(新)造園CPDガイドブック(第6版)には、造園CPD制度の概要、参加方法、プログラムや単位の取得方法などが細かく記載されています。造園CPD制度に関して疑問点や不安がある人は一読することで大抵のことは解決できるでしょう。
まとめ
造園CPD制度は、2023年4月に新しい教育形態の適用が開始されます。
2022年より公益社団法人日本造園学会のHPでも(新)教育形態についての告知がされており、2023年1月に(新)教育形態の内容が公開されています。
造園CPD会員は、日本造園学会のHPや(新)造園CPDガイドブック(第6版)にて(新)教育形態の変更点をよく確認しておきましょう。