造園工事の仕事はたくさんの種類がある!種類ごとの仕事内容について解説

造園工事の種類

造園工事の種類は、主に6種類あります。造園業に携わりたいと考えている方は、それぞれの種類について、どのような仕事内容かを理解しておく必要があるでしょう。

本項では、造園工事に関するそれぞれの工事が、どのような仕事内容なのかを解説します。

植栽工事
植栽工事は、外構デザインと美化を目的として行われる造園業の一部で、木や草を庭園や建物周辺に植える工事を指します。植栽工事には木の植栽、生け垣の設置、草地の整備などが含まれます。

個人住宅の庭園から公園、広場、遊歩道、さらには屋上緑化まで、多くの場所で欠かせない工事です。その目的は景観の美化だけでなく、木陰の提供、住宅や施設のプライバシー確保、騒音の緩和、環境への貢献など多岐にわたります。

また、植栽工事は環境に対するポジティブな影響も注目すべきポイントです。植物は二酸化炭素を吸収し酸素を供給するため、都市部や工業地域で空気の浄化に寄与します。

さらに、建物の周りに緑を増やすことで、室内の温度上昇を軽減し、エアコンの使用を削減する効果もあり、エコフレンドリーな取り組みとして注目されています。

景石工事
景石工事は、庭園や景観デザインで岩石を用いて自然風景を再現する工事を指します。景石工事は、庭や公園などで美しい景観を構築し、自然の美しさや風景を模倣することが目的です。

景石工事では、山や川、滝、洞窟などの自然風景を庭園に再現するため、石を配置する際に周囲の環境や庭のデザインに合わせて考え、美しい景観を創り出さなければいけません。

また、景石工事では使われる岩石一つひとつの形状や質感を活かすことが重要です。岩石が持つ個性や特徴を最大限に生かし、自然な雰囲気を作り出します。

複数の岩石を組み合わせて景観を構築することを石組(いわぐみ)と呼びます。石組を行うことでバランスの取れた美しい景観が作られるため、慎重な計画と配置が必要です。

石組には基本的なルールが存在します。たとえば、岩石をバランスよく配置すること、異なる形や大きさの岩石を組み合わせて立体感を出すことなどがあります。

公園設備工事
公園設備工事は、公園内における設備、修景施設、休養施設、便益施設、そして遊戯施設の建設工事を指します。

修景施設は、公園内の景観や風景を整え、美しさや快適さを提供する施設です。花壇や庭園、池、噴水、歩道などが含まれます。修景施設は公園を訪れる人々に穏やかな休息と景観の楽しみを提供してくれるでしょう。

次に、休養施設は公園内で訪れる人々がくつろぎ、休憩できる場所のことです。これにはベンチや、テーブル、休憩所、トイレなどが含まれます。

また、便益施設は、公園内の設備やサービスを提供する場所を指します。対象となるのは売店、カフェ、レストラン、情報センターなどです。便益施設は利用者のニーズを満たし、公園の活性化と維持に貢献します。

最後に、遊戯施設は子供から大人まで、公園内で楽しむための遊具やアクティビティを提供するものです。遊具、スポーツコート、ピクニックエリア、屋外劇場などが含まれます。

緑化工事
緑化工事は、夏季に建物内の暑さを軽減し、環境にも良い影響をもたらすために、建物の屋上や外装に植物を配置する工事を指します。

夏の高温期に建物内の温度を下げるのに効果的です。植物が建物の外装や屋上に配置されることで、植物の陰が建物を覆い、直射日光を遮る役割を果たします。緑化工事により建物内の暑さを和らげ、冷房の使用を削減できます。

緑化工事は建物周辺や屋上に美しい植物を配置することで、景観を向上させます。緑豊かな環境は目にも美しく、住民や訪問客に心地よい印象を与えられるでしょう。

さらに、植物は水分蒸発による気化熱を発生させ、周囲の温度を下げる効果があります。また、植物は二酸化炭素を吸収するため、近年の二酸化炭素排出抑制の観点から今後より注目されていく可能性があります。

緑化工事は、気候変動の影響緩和や都市環境の改善に向けた取り組みとして、近年ますます注目を集めています。

環境への配慮と同時に、建物のエネルギー効率を向上させる手段としても評価されており、持続可能な都市開発の一環として積極的に導入されていく可能性が高いです。

広場設備工事
広場設備工事は、修景広場、芝生広場、運動広場など、様々な広場の建設や改善工事を指します。修景広場は美しい景観を演出し、都市の美化や公共空間の魅力を高める役割を果たします。

芝生広場は緑地として憩いの場を提供し、運動広場はスポーツやレクリエーション活動に使用されるため、都市環境と景観の観点からも重要です。都市の持続可能な発展に欠かせないでしょう。

地被工事
地被工事は、地被植物を植える工事のことです。地被植物とは、芝生やこけなどの低木や草のことで、これらの植物は地面を覆うように成長し、地表を緑で覆います。

地被工事は、美しい緑の広がりを作り出し、土壌の浸食を防ぎ生態系にも良い影響を与えるでしょう。芝生や地被植物は、公園、庭園、ゴルフコース、スポーツ場、庭などさまざまな場所で利用されます。

また、これらの植物は空気中の酸素を供給し環境にも良いです。地被工事は景観の美化や土地の保護に寄与し、自然環境を活かしたデザインに欠かせません。

まとめ

今回の記事では、造園工事のさまざまな種類を解説しました。外構デザインと美化を目的として行われる植栽工事、岩石を用いて自然風景を再現する景石工事など多岐にわたります。

緑化工事など、これから環境保全が注目されている時代に合った工事もあるため、造園工事をこれから学んで行く方は参考にしてみてください。