庭や公園などの「みどり」に関わる造園業界にも、実際作業したり設計したりする人だけではなく、これらの仕事を支え、会社の経営をサポートする事務職の仕事が存在します。
とはいえ、「造園業の事務職」がどんな仕事なのか、想像がつきにくいかもしれません。
そこで造園業界の事務職の仕事内容について具体的に紹介していきましょう。
事務職の仕事内容は？
事務職の仕事は会社の規模、種類、仕事内容によってさまざまですが、会社の経営や従業員の仕事を補助したり、顧客へのサービス提供を手伝ったりするサポート業務が主な内容です。
ここでは造園業界の事務職はどんな仕事をするのか、「経理業務」「データ入力業務」「電話対応業務」「CAD業務」「広報業務」「総務業務」の6つに分けて詳しく説明していきましょう。
経理業務
経理業務とは、会社のお金の流れを管理する仕事で、ほかの会社との取引に伴う入出金や社内の資金管理をしています。
伝票の入力やチェック、会計ソフトへの入力、売り上げの集計、請求書の処理、管理会計資料の作成などが、具体的な業務内容です。
社員の給与支払い、現金の出納管理、小切手の処理も経理業務で担当します。
造園業を含めた建設業の仕事は主に計画に沿って「工事」をし、建築物や工作物を作り上げることですが、この「工事」には着手してから完成するまでに長い期間が必要という特徴があります。
そのため、建設業の経理業務はほかの業界と比べて、一度に大きな売り上げを計上したり、売り上げを計上するまでのサイクルが長かったりするという特徴があります。
また一般的には「売掛金」と呼ばれているものを「完成工事未収入金」、「売上高」を「完成工事高」と呼ぶなど、独特の用語を用いているので注意が必要です。
この建設業界特有の経理業務に対応できるよう「建設業経理士」という資格があります。
受験資格はなく誰でも受けられるので、造園業界の経理業務に携わるときには受験してみるのもよいでしょう。
データ入力業務
データ入力とは、書類やアンケートなどに書かれた手書きの情報を、パソコンを使って決められた仕様に入力する仕事です。
データの内容は会社によってさまざまですが、取引先と交わした名刺や顧客名簿をデータ化したり、アンケートの回答を入力したりします。
近年、造園業界や建設業界では国がペーパーレス化を推奨していることを受け、書類の電子化がすすめられています。
保管が義務付けられている書類を電子データ化して保存するのも、データ入力業務の1つでしょう。
データ入力の業務では主にパソコンを使用しますが、特別なスキルや知識が必要な場合は少なく、Wordや Excelといった基本的なパソコン操作ができれば問題ありません。
電話対応業務
事務職の仕事は基本的にオフィスワークが中心のため、電話対応をする機会も多いでしょう。
取引先や顧客からの問い合わせを担当者に取り次ぐのが主な仕事ですが、かかってきた電話を受けるだけではありません。
取り次ぐ担当者が不在の場合は、電話の相手の会社名と名前、用件を聞き、メモなどで担当者に伝えます。急ぎの用件のときには、担当者に連絡することも大切な仕事です。
CAD業務
CADは「Computer Aided Design」の頭文字をとったもので、パソコンなどのコンピュータを使って設計するツールです。
製造業や建設業で主に使われているツールで、Auto CADやjw cadといった汎用CADを用いていることもありますが、造園業界の多くの会社では「エクステリアCAD」と呼ばれる、庭づくりや外構に特化したソフトウェアが使われています。
CAD業務は事務職が必ずしている訳ではなく、会社によっては専門のCADオペレーターがいたり、プランナー、営業がCAD業務も兼務していたりすることもあります。
CAD業務をするためには操作方法を覚えなければいけませんが、エクステリアCADはオンラインやEラーニングを利用して、働きながら学べるものが多いので、未経験でも安心して働けます。
広報業務
会社に関する情報を発信するのが、広報業務です。
造園業の会社では、ホームページやSNSでの情報発信を担当したり、イベントの企画をしたりするのが中心でしょう。
実際の工事現場の様子や完成した庭の写真を掲載して、どんな仕事をしているのか、どんな工事が得意なのか、などを顧客に知ってもらうのが狙いです。
新しい仕事の受注にもつながることなので、営業職と相談しながら仕事を進めます。
総務業務
会社全体の事務作業を担当するのが総務業務です。
さまざまな文書の作成や備品の管理、施設・設備の管理が主な仕事内容ですが、大きな会社では、株主総会や取締役会の企画・運営も担当します。
社会保険や住宅手当、交通費といったさまざまな福利厚生の手続きに関する業務も総務業務です。
人事的な業務も担当する場合には、社員の勤怠管理や採用業務などの労務管理や、社員教育・育成に関わることもあるでしょう。
総務業務は幅広い内容を担当することが多いことが特徴です。
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まとめ
造園業界の事務職が担当している業務は、他業界と比べて大きな差はありません。
ただし経理業務に関しては、独特の用語を用いていたり、売り上げを計上するまでの期間が長かったりするので、注意が必要です。
また比較的小規模な会社が多いため、データ入力や電話対応などの一般事務の業務に加えて、広報、総務、経理、CAD業務なども担当することがあるでしょう。
