仕事をしているとスキルアップの必要性を感じることもあるでしょう。
造園業の仕事で技術を磨くためには、具体的にどのような方法をとったら良いのでしょうか?
さまざまな技術を必要とする造園業において、確かな技術を身につけてスキルアップするメリットや具体的な方法を紹介します。
造園技術をスキルアップするメリットはある?
造園業界で技術を磨き、スキルアップするメリットはいろいろあります。
たとえばスキルアップの一環として資格を取得すれば、年収アップにつながるでしょう。
これは会社によって関連資格を保有している従業員に対し、資格手当を支給しているところがあるためです。昇進につながる場合もあるでしょう。
資格の取得は自分の知識や技術の証明にもなります。周りからの評価も高まるので、転職の際も有利に働くでしょう。
造園業の仕事というと、植物の手入れや庭造りが思い浮かぶかもしれませんが、実は公園の設備を設置したり広場を作ったりするなど、多種多様な場所でいろいろな工事も行っています。
さまざまな仕事に対応できるように、豊富なスキルを身につけておけば、独立してもさまざまな仕事を引き受けることができるでしょう。
スキルアップすることは仕事の幅を広げることにつながるのです。
また技術を磨き、スキルアップに励むことのメリットは、従業員側だけではありません。
スキルアップできる環境を整えることで、業務効率が改善される、人材流出を防げるなどのメリットが得られます。
企業への社会的な評価も高まるでしょう。
造園技術をスキルアップするには?
造園業でスキルアップする方法には、コンクールの入賞例を参考にして自己研鑽する、資格を取得する、造園CPD制度を活用するなどの方法があります。
それぞれについて詳しくご紹介していきましょう。
1.全国造園デザインコンクールの入賞例で自己研鑽
ほかの人の作品を見てそこからいろいろなことを学べば、スキルアップにつながるでしょう。
「全国造園デザインコンクール」とは、造園のデザインと製図技術の向上を目的に、一般社団法人日本造園建設業協会が主催するコンクールです。
「住宅庭園」「街区公園」「商業施設」「実習作品」の4部門と、高校1、2年生のみが応募できる「緑化フェア(みどりの広場)プラン」の、合計5部門があります。
入賞作品は、現在の社会や環境が直面している課題を踏まえたテーマ設定をしているので、最新の事例に触れることも可能です。
作品のプレゼンテーションシートには、設計のコンセプト、検討過程、計画についても細かくまとめられています。
自分では思いつかないようなアイディアをもとにデザインしている作品を見れば、デザインの幅を広げるのにも役立つでしょう。
入賞作品は一般社団法人日本造園建設業協会のホームページから検索できます。
2.資格を取得する
造園業の仕事は資格がなくてもできますが、スキルアップのためには関連する資格をとるのも良いでしょう。
資格を取得することは、技術や知識の社会的な証明になります。勉強する過程で知識と技術を身につけることもできるでしょう。
関連資格にはさまざまな種類がありますが、中でも「造園施工管理技士」と「造園技能士」がおすすめです。
どちらも国家資格ですが、造園施工管理技士が現場を監督する職務なのに対して、造園技能士は実際に現場で作業する技能を持つ人に与えられる資格、という違いがあります。
これらの有資格者は等級に応じて、建築業法が定める主任技術者、専任技術者、監理技術者として認められています。
社会的にも評価が高い資格なので、転職の際に有利に働いたり、年収アップにつながったりするでしょう。
専門性を高めるためには、街路樹剪定士、植栽基盤診断士などの資格もおすすめです。
登録ランドスケープアーキテクト(RLA)やシビルコンサルティングマネージャ(RCCM)の造園部門などは、コンサルティング業務につながるので、仕事の幅をひろげることができるでしょう。
土木関係の仕事もできる土木施工管理技士も役立ちます。
3.造園CPD制度を活用する
CPDとはContinuing Professional Developmentの頭文字をとったもので、「継続的専門能力開発」を意味します。
造園分野に携わる技術者が、自分自身の知識や技術を向上させるために行った活動の記録を、公益社団法人日本造園学会が保管、証明してくれる制度です。
造園CPDは、技術者個人を第3者が客観的に評価するための制度と言えるでしょう。
制度はプログラムごとに設定された単位を取得していく、単位制です。
1年間で何単位取得したかによって、自分がどのくらい造園業に関する知識や技術を身につけたかがわかる仕組みです。
認定プログラムには、造園シンポジウム、登録造園基幹技能者講習、全国都市緑化フェアの視察、コンクールへの出展などがあります。
市民向け剪定講座での講師や職場内での技術技能、安全管理などに関する研修・訓練も対象です。
最大10単位という制限がありますが、造園連新聞などの専門誌の購読や茶道・華道の学習といった自己学習も認定されています。
さまざまな内容のプログラムが認定されているので、自分が苦手な分野や専門性を高めたい分野など、習得したい技術を選ぶことができるでしょう。
造園CPD制度を活用するためには会員登録しなければなりません。
活用する場合には、全国一級造園施工管理技士の会、日本造園組合連合会などの所属団体を通じて、登録申し込みしておきましょう。
まとめ
造園業でも自己研鑽をしてスキルアップアップすることは、年収アップにつながる、仕事の幅が広がるといったメリットがあります。
技術を磨くためには、全国造園デザインコンクールの入賞例を見て学んだり、資格を取得したりすると良いでしょう。
造園CPD制度を活用して、自分自身が身につけた知識や技術を第3者に証明してもらうのもおすすめです。