環境問題やSDGsへの取り組みに関心が高まるなかで、「環境社会検定」への注目も集まっています。
そこで本記事では「環境教育の入門編」として位置づけられている、環境社会検定を受けるメリットや検定試験の詳細について紹介します。
環境社会検定とは
「eco検定」とも呼ばれる環境社会検定は、東京商工会議所・検定センターが実施している検定試験です。
合格者には「エコピープル」の呼称が与えられ、デジタル合格証が発行されます。
現在、多くの企業がSDGsに取り組んでいます。
企業間取引や消費者の購買活動において、環境や社会に配慮した製品・サービスを提供しているかが、判断材料の1つになるケースも増えています。
環境に対する意識が日々、高まりを見せているなかで、多くの企業で、環境や社会とビジネスの関係を的確に理解し、説明できる人材が求められています。
環境社会検定はこういったニーズに応えるために生まれました。
このように検定を通して、環境に関する幅広い知識をもち、それを積極的に活用して環境問題に取り組む「人づくり」と、環境と経済が両立する「持続可能な社会づくり」を実現することが、環境社会検定の目的です。
環境社会検定を受けるメリット
環境社会検定は、「環境教育の入門編」として位置づけられています。
検定を受けることで、複雑になっている環境問題を体系的に理解できたり、SDGsを理解するための基本的な知識を学んだりすることができます。このように環境問題に関する知識が身につけられる点が、環境社会検定を受けるメリットの1つです。
また環境社会検定を社員の教育ツールに導入するケースも増えています。
これは現代において個人だけではなく企業側にとっても「環境問題やSDGsに対してどのような取り組みをしているか」が、重要なポイントであるためです。
環境社会検定合格者が社内に多数所属していれば、「環境問題に対する意識が高い企業」としてアピールできます。商談時の説得力もアップするでしょう。
なお環境社会検定を受けていれば、造園業の会社を含めた環境問題に関心が高い企業へ就職・転職する際に有利に働く点も、環境社会検定を受けるメリットと言えるでしょう。
環境社会検定に合格するには
環境社会検定に挑戦するために、受験資格や試験内容、受験時のポイントなどについて、チェックしておきましょう。
受験資格・合格率
環境社会検定を受けるために必要な資格や条件はありません。
学歴・年齢・性別・国籍に関係なく、受験できます。
現在の環境社会検定・最高齢合格者は86歳、最年少合格者は9歳です。環境社会検定は幅広い年齢の人がチャレンジできる資格なのです。
また検定試験は年に2回、開催されますが、2023年度検定の合格率はそれぞれ53.2%と54.9%、2022年度は65.7%と63.4%でした。
直近2年の合格率は、55〜65%程度と考えられます。
出典:東京商工会議所/eco検定(環境社会検定試験)とは・データ
https://kentei.tokyo-cci.or.jp/
試験内容
検定試験は多肢選択式問題に解答する形式で、内容は公式テキストに掲載されている内容から出題されます。
改訂9版が最新版で、環境問題や社会持続可能な社会に向けたアプローチなどが主な内容です。時事知識も問われるので、注意しましょう。
また検定は、試験期間内に自宅や会社、テストセンターなどで、パソコンを利用して受験します。なお試験時間は90分です。
受験時のポイント
環境社会検定試験は合格基準が設けられています。合格するためには、100点満点中70点以上とらなければなりません。
そのためには事前にしっかりと対策して、検定に臨むことが大切でしょう。
東京商工会議所が環境社会検定合格者に行ったアンケートによると、およそ7割の人が「2ヵ月以内の勉強時間だった」と回答しています。
出典:東京商工会議所/eco検定(環境社会検定試験)とは・データ
https://kentei.tokyo-cci.or.jp/
公式テキストだけではなく、過去問や模擬問題が掲載された問題集も発行されています。
合格者の声では、この公式テキストを読み込み、その後問題集に取り組む、という学習方法をとった人が多いようです。
2ヵ月程度集中して公式テキストと問題集に取り組むことが、受験時の大切なポイントでしょう。
また、最近の時事問題からも出題されるため、環境問題やSDGsなどの関連する話題について、最新の情報をチェックしておくことも大切です。
まとめ
環境社会検定は環境問題の入門編として位置づけられている検定試験で、東京商工会議所が主催しています。
検定合格者には「エコピープル」の呼称が与えられます。「エコピープル」は、環境に関する知識を持っている客観的な証しです。
検定は学歴・年齢・性別・国籍に関係なく、受験できます。試験は公式テキストの掲載されている内容や、時事問題から出題されます。
合格には7割以上の得点をとらなければなりません。公式テキストと問題集を活用し、知識と応用力を身につけて検定に臨むことが大切です。