「環境コンサルタント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
耳にしたことはあっても、実際にどんな仕事をしているのか想像しにくいでしょう。
そこで本記事では環境問題への関心が高まるなか、今後ますます注目を集める「環境コンサルタント」の概要、仕事内容、環境コンサルタントになるために必要なことを紹介します。
環境コンサルタントとは?
顧客であるさまざまな企業や団体がもつ課題を見つけ、それを解決するための改善策やアドバイスを提案するのがコンサルタントの仕事です。
環境コンサルタントはこのなかでも、企業や官公庁に対して環境保全や環境問題について、問題提起やアドバイスを行います。
脱炭素社会の実現、生物多様性の保全、循環型社会の実現など、環境問題への関心が高まるなか、企業に対しても環境に配慮した事業展開を行うことが求められています。
課題を見つけて問題提起するために、環境保全に関する調査や予測をするのも、環境コンサルタントの大切な仕事です。
依頼によっては、提案した改善策を実施するために、事業の推進者として直接、業務管理に携わることもあるでしょう。
環境コンサルタントは、環境保全に関する豊富な知識を活かして企業に的確なアドバイスをする、環境保全の専門家とも言えます。
環境コンサルタントの仕事内容
官公庁などの行政機関や団体、民間企業から依頼を受けて、事業内容や政策などが環境にどのような影響を与えるか調査するほか、それに対するアドバイスをしたりするなど、環境コンサルタントの仕事は多岐に渡ります。
調査
調査は野山、海洋、河川などを対象とした、野生動植物調査、現況調査、水域調査などがあります。
案件によって異なりますが、具体的には生き物の個体数や食料を得ている場所、繁殖地などさまざまな項目で調査を行います。
また環境コンサルタントが調査対象とするのは、自然環境だけではありません。
大気汚染や騒音などの、都市部の環境問題に対しての調査、解析も行います。アスベストやシックハウスなど、建築物に対する調査も重要な仕事の1つです。
会社によっては土壌を化学的に分析したり、飲用水の水質試験を行ったりしていることもあります。
予測解析・解決策の提示
これらの調査結果をもとに行うのが予測・解析です。
シミュレーションモデルを用いて環境にどのような影響があるのか分析・予測したり、既存のデータと比較して環境リスクを解析したりします。
最後に解析結果から課題を見つけ、問題提起や解決策の提示、アドバイスを行います。
このように、環境保全に関するさまざまな事柄に対して、調査、分析・解析、解決策の提示、助言を行うのが、環境コンサルタントの仕事です。
環境コンサルタントになるには
環境コンサルタントとして働くために、必ず取得しなければならない資格はありません。
環境コンサルタント会社や環境調査を専門に行う企業、建設会社、都市開発会社のなかでも、環境コンサルタント業務を行う部署がある企業に就職することで、環境コンサルタントとして働くことができます。
地方自治体の環境関係部署や環境省など、行政機関で働く人もいるでしょう。
誰でも挑戦することができますが、環境に関する専門的な知識やスキルを求められる仕事です。
そのため、大学、短期大学、専門学校などで、環境学、環境工学、環境情報学、エネルギー・資源工学といった分野を学んでから、就職する人が多いでしょう。
専門性を求めるが故に、一般的な求人情報では就職先が見つかりにくいことがあります。
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まとめ
環境コンサルタントは、環境保全に関する豊富な知識を活かして企業に的確なアドバイスをする、環境保全の専門家です。
民間企業や地方公共団体などから依頼を受けて、環境保全に関する調査、予測、解析を行い、そこから課題を見つけ、解決のためのアドバイスや提案を行っています。
なお行政機関、民間企業などさまざまな場で活躍する環境コンサルタントになるために、必要な資格はありません。
誰でもチャレンジすることができる仕事ですが、専門性を求められるため、大学や専門学校などで環境学や環境工学を学んでから就職する人が多いでしょう。
また環境計量士やビオトープ管理士といった、環境関連の資格を取得すると、就職時に有利に働くのでおすすめです。
環境問題への関心が高まるなか、環境コンサルタントは今後ますます必要とされる仕事になるでしょう。
専門的な知識は必要ですが、誰でも挑戦することができる仕事なので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。