現在の造園業における履歴書の扱いとは?
現在ではどの業種でも求職者が就職、転職希望の会社に履歴書を持っていくのは普通ですが、求人では履歴書不要の文字を目にすることもあります。履歴書が当たり前になっているだけに、不要だと不安になる人もいるでしょう。
履歴書不要の求人はアルバイトや日雇いなどの雇用形態に多い傾向です。特に、日雇いは法的に義務付けられている労働者名簿作成の対象外となっているため、履歴書不要でも心配ありません。業種別では、知識や経験を問わない軽作業や単純作業の他、飲食においても履歴書不要は珍しくありません。
造園業、建築業に関しては、正社員の採用であっても規模の小さい会社は履歴書不要な会社も存在します。造園業、建築業において、特に小規模の会社は家族経営が多く、旧態依然の採用をしている企業もまだあるでしょう。
一般的に履歴書を不要とする企業には、応募のハードルを下げて多くの人に応募してもらう目的があります。履歴書不要とする企業は独自の応募フォームを用意している場合や応募時点においては不要で選考過程のどこかで提出を求める場合などが多いです。
ただ、造園業に関しては造園業ならではの履歴書不要の理由があります。
造園業で履歴書不要とする企業の特徴や理由
造園業と言っても企業によって規模も異なれば、手掛ける仕事の種類も異なります。
社員数名の小規模な造園会社は個人邸宅の造園が主な仕事で、大規模企業では建築業許可を得て公共事業を手掛ける場合が多いのが実情です。
造園業でイメージする職人になるなら小規模な造園会社が向いていますが、造園業で会社員のような働き方を望む人には大企業の方が向いているでしょう。
履歴書不要は小規模な造園会社に多いですが、小規模造園企業が正社員の採用であっても履歴書不要にする理由はなぜでしょう。
理由の一つに、職人や親方が社長をしていて、口約束で見習いとして雇うことが多かった昔からの慣習が挙げられます。
理由の二つ目として、造園企業と地域コミュニティとの関係が濃厚で、地域の付き合いで紹介を通して入社することが多かったことも要因として挙げられるでしょう。
一方で、造園業でも企業規模が大きくなると会社組織となり、採用も他業種の企業に浸透している採用慣習に従っている企業が多いです。履歴書の提出はもちろんのことですが、最近では職務経歴書の提出が求められることも少なくありません。
履歴書を提出することによる採用への効果を知ろう
結論から言うと、履歴書不要であっても履歴書を持っていく方が良いでしょう。履歴書には意味があり、採用に良い効果をもたらしてくれる可能性があるからです。
履歴書の意味や効果
そもそも履歴書の意味とは、学歴や職歴など応募者のプロフィールの他、スキルや志望動機を簡略に伝えることです。
求職者にとって履歴書は自身の強みをアピールできる、信用を得ることができる、持っているスキルや知識を伝えられるなどの効果があり、会社にとっては応募者がどんな人物なのか、どんなスキルを持っているのかがわかり、信頼できるか判断するのに効果的だと言えるでしょう。
履歴書の在り方や書き方に起こっている変化の兆し
近年は従来の履歴書の在り方が見直される流れがあり、企業独自で作成した履歴書を用意したり、求人情報を取り扱う企業などのWEBサイトからテンプレートをダウンロードして使ったりする人も増えています。
履歴書の手書きにこだわる企業は少なくなっており、パソコン作成はもちろんのこと、スマホからも作れるサービスも存在します。
ただ、家族経営や個人事業の小規模な会社、旧態依然の採用活動をしている企業などは手書きの履歴書を好む傾向があるなど、企業によって履歴書の書き方に対する好みは分かれるかもしれません。
手書きかパソコン作成かで迷ったら、手書きにしておくと無難です。造園業の場合、規模や営業形態を見極めて、履歴書の書き方を決めるのも良いでしょう。
履歴書に加え職務経歴書の提出も増加
最近は履歴書の他、職務経歴書の提出を求める企業が多いですが、造園業の場合、職人としての転職ならば履歴書だけでも問題ないでしょう。
大企業になってくると職務経歴書を求められる可能性は高いです。例えば、造園施工管理技士の資格所有者が造園の大企業に転職する場合、履歴書と職務経歴書の提出を求められる場合が少なくありません。
また、造園企業に設計・プランナーとして転職希望の人は履歴書、職務経歴書に加え、経験があれば過去案件のポートフォリオもあるとベターです。
履歴書にも職歴やスキルの記入欄がありますが、小さく簡潔にしか書けないため、全てを伝えることはできません。具体的に自分のスキルを採用担当者に伝えるため、職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴書の提出を義務付けていない企業もありますが、自分のスキルや経験、熱意を伝えやすくするためには作成する方が効果的です。
職務経歴書はパソコンでの作成が一般的ですし、履歴書と同様にWEBサイトからテンプレートをダウンロードして使用することで簡単に作成できます。
まとめ
造園業でも、規模が大きくなればなるほど、履歴書なしで採用する時代は終わったと言えるでしょう。造園業の転職は、履歴書はもちろんのこと、業種によっては職務経歴書やポートフォリオを作成して自分をアピールしましょう。