造園施工管理技士1級の資格で施工管理のどこまでできる?

造園施工管理の仕事

造園業の仕事といえば、剪定や植栽など庭を手入れするイメージが強いかもしれませんが、現在は多くの造園業が建設業許可を得て、造園工事を手掛けています。

造園業は全国に多数ありますが、個人や家族経営など小規模な会社では職人主体のいわゆる植木屋としての仕事をしている場合が多く、規模が大きい企業では公共工事など大きな造園工事を担っています。

植木屋の職人は一人前になるまで時間はかかりますが、特に資格は必要ありません。一方、造園企業が造園工事を手掛ける場合は建設業法で定められた技術者制度に基づいて現場に資格保有者を設置しなければなりません。

施工管理とは
造園業に限らず、建設業や土木業などでも工事の際には施工管理技士が携わります。施工管理とは工事を管理したり、指揮したりする仕事のことで、施工管理における4大管理は特に有名です。

4大管理とは工程管理、原価管理、品質管理、安全管理です。工程管理は工事の進捗状況や仕事の進め方を管理し、原価管理は原価が予算を上回らないように工事費用を管理します。

品質管理は使う材料の強度やデザイン、材質などの確認を工程毎に行って記録する業務、安全管理は安全に作業できるように現場環境を整える仕事です。

造園施工管理技士の仕事
施工管理技士は職種毎に種目があり、造園工事を手掛ける際に必要な資格が造園施工管理技士です。

造園施工管理技士の仕事内容は、主任技術者や監理技術者になり、造園工事に関して施工管理の4大管理をはじめ施工設計、図面の作成、資材調達など様々な仕事に取り組みます。現場監督を務められるだけの実務経験やスキルが求められるでしょう。

造園管理技士資格は、造園企業が建設業許可を得る際の専任技術者要件に対応する資格にもなっており、建設業許可を得たい造園企業にとっても要となる資格です。

造園管理技士資格は造園業で高く評価されている他、建設や土木業などでも優遇されるので転職の際にも有利に働くでしょう。

造園施工管理技士1級とは

造園施工管理技士とは、国土交通省管轄の国家資格の一つです。

造園施工管理技士1級
造園施工管理技士資格は1級と2級に区分されていますが、造園施工管理技士1級は2級よりも難易度が高く、更に他の種類の施工管理技士資格と比較しても合格率が低いことから、造園施工管理技士資格は施工管理技士資格の中で最難関と言われています。

造園施工管理技士1級の受験資格
造園施工管理技士資格は、1級と2級共に第1次検定と第2次検定があり、それぞれ受験資格が設けられています。受験資格は学歴や保有資格の有無などに応じて実務経験年数が指定されています。実務経験者が受験しても試験の合格率が高くないことからも試験の難しさがわかるでしょう。

例えば、造園施工管理技士1級の第1次検定では、大学卒業の場合で指定学科卒業の人なら3年以上、指定学科以外なら4年6ヶ月以上、資格保有者で2級合格後3年以上の人なら専任の監理技術者の指導を受けた実務経験2年を含めた3年以上の実務経験が必要になります。

1級造園施工管理技士技術検定の受検の際には、自分の学歴や保有状況に応じて受検に必要な実務経験年数を確認しましょう。

造園施工管理技士1級で行える業務の範囲

造園施工管理技士1級を取得すると、工事現場で主任技術者として携わるだけでなく、監理技術者としても活躍できます。

主任技術者は外注総額4000万未満の比較的小規模な造園工事の際に、元請けや下請け企業が直雇用する技術者の中から配置しなければならない技術者です。

主任技術者は造園施工管理技士2級でもなることができますが、監理技術者は特定建設業が請け負った下請け契約の総額が4000万円以上(建築一式工事は6000万円)の大規模工事の際に配置が義務付けられているポジションで、造園施工管理技士1級の資格保有者しかなれません。

主任技術者も監理技術者も工程管理、原価管理、品質管理、安全管理などの仕事をしますが、監理技術者は更に下請け企業の指導監督をしたり、大規模工事を扱う故に複雑な管理が必要になったりするなど、より責任の重い仕事を任されます。

高額な造園工事を請け負いたい造園企業なら造園施工管理技士1級を喉から手が出るほど欲しているでしょう。

実際、造園施工管理技士1級の資格保持者がいる造園企業は公共工事の入札の際に、造園施工管理技士1級がいない場合よりも数倍高い評価をされていることから、造園施工管理技士1級の評価の高さが覗えます。

造園施工管理技士1級が監理技術者として業務が可能な職種は造園工事に限られますが、造園工事と言っても幅広いです。国土交通省が示す造園工事の形式は植栽工事や地被工事、公園設備工事、園路工事、屋上等緑化工事など多岐にわたります。

まとめ
現在では、特に規模の大きな造園企業を中心に公園や遊園地、学校、道路、商業ビルなど様々な空間において造園工事を手掛けています。

造園施工管理技士1級の資格を取得すると大規模造園工事において施工管理業務に携わることができるので、造園業において幅広く仕事をしたい人やキャリアアップを目指す人は取得すべき資格だといえるでしょう。