1級土木施工管理技士実地試験の合格率は低い?合格基準や難易度は?

1級土木施工管理技士実地試験

土木施工管理技士は、土木工事において現場責任者として携わる際に必須の国家資格です。土木施工管理技士は2級と1級があり、1級は2級よりも難しいですが、合格することで主任技術者の他、大規模な工事の際に配置が義務付けられている監理技術者になれます。

土木施工管理技士は公共工事に携わることが多く、施工計画の作成や工程管理、品質管理、安全管理など様々な仕事を担います。

土木施工管理技士が手掛ける仕事は、実務経験によって培った知識や技術が求められるため、1級土木施工管理技術検定では学科試験だけではなく、実地試験も受験し、合格しなければなりません。

令和3年度に施工管理技士の試験制度が変更
令和3年度から、新しい施工管理技士の試験制度が実施されています。今までの学科試験は第一次検定、実地試験は第二次検定と名称が変わりました。

名称だけでなく、試験基準にも変更点があるため、令和3年度以降に1級土木施工管理技士第二次検定を受験する人は、最新情報を確認しましょう。

受験者は、1級土木施工管理技士第一次検定に合格することで1級土木施工管理技士補、第二次検定に合格することで1級土木施工管理技士の称号を得られます。

1級土木施工管理技士第二次検定の日程
1級土木施工管理技術検定は、1年に1回のみの開催なので、申し込み忘れのないように注意しましょう。申し込みは、第一次・第二次検定、第一次検定のみ、第二次検定のみの3種類から選べます。

申し込み受付期間は、3月中旬から下旬、第二次検定の試験日に関しては10月、合格発表は翌年1月頃ですが、年度によって多少異なるので試験実施機関で日程の詳細を確認しましょう。

1級土木施工管理技士第二次検定の受検資格
1級土木施工管理技士第二次検定の受検資格は、第一次検定に合格した者、2級合格者の受検資格で第一次検定を受検、合格した者のうち、学歴又は保有資格に応じて規定された実務経験年数を満たす者、第一次検定免除者などとなっています。

受検の手引きには、受検資格の詳細が記載されているので、1級土木施工管理技術検定に申し込む前に目を通しておきましょう。

1級土木施工管理技士実地試験の合格基準とは

合格基準とは、どの程度の正解率で合格となるのかを示す目安です。

1級土木施工管理技士第二次検定(実地試験)の内容
実地試験という呼称から、試験内容は実技試験と誤解されがちですが、1級土木施工管理技士実地試験は机上での記述式テストでした。

新制度の第二次検定でも実地試験と同様に記述試験であるため、実地試験の過去問で傾向を知り、対策できます。第二次検定では、基本的にすべての問題で記述が求められるため、暗記だけで試験に臨んでも合格できる可能性は低いでしょう。

合格基準
1級土木施工管理技士実地試験の合格基準は60%でした。新試験制度になってからも、第二次検定の合格基準は得点が60%以上となっていますが、試験の実施状況によって基準は変更される可能性があります。

尚、1級土木施工管理技士実地試験において、配点は公表されていませんが、受験者の経験談などから、現場施工管理に関する経験記述の配点が大きいと推測されています。

経験記述は、特に実務経験の少ない人は苦戦することが予想される分、しっかりとした対策が必要でしょう。もちろん経験記述以外の問題も疎かには出来ません。要点を的確に文章に出来るかどうかがポイントとなります。

1級土木施工管理技士実地試験の合格率の推移をチェックしよう

1級土木施工管理技士実地試験の難易度が高いことは、合格率を見ると明らかです。令和2年から過去3年の1級土木施工管理技士実地試験の合格率の推移を見ると、令和2年は31.0%、令和元年は45.3%、平成30年は34.5%になっています。

令和元年は、他の年度に比べて高い合格率が出ていますが、それでも半数以上は不合格という結果が1級土木施工管理技士実地試験の難易度を物語っています。

一方で、令和2年から過去3年の学科試験は、50%から60%台の高い合格率で推移しています。実地試験は、学科試験の合格者のみが受験していますが、実地試験と学科試験の合格率の違いから、実地試験は学科試験より深い知識が必要だと言えます。

学科試験を余裕で合格できるくらいのレベルでないと、実地試験の合格は厳しいでしょう。

まとめ
1級土木施工管理技士実地試験の合格率から見ると、1級土木施工管理技士の実地試験の難易度は高いです。

1級土木施工管理技士第二次検定に関しても、過去問は勉強手段として有効ですが、答えを暗記して終わるのではなく、本質を理解して自分の言葉でしっかりと説明できるように何度も練習することが肝要です。

記述問題は自分で出来不出来の判断が難しいため、通信講座や職場の上司など、専門的な知識を持つ第三者に添削してもらうと良いでしょう。

添削指導では、自分の弱点を見つけやすくなります。1級土木施工管理技士第二次検定を受験する予定の人は、記述問題の添削結果を勉強に活かすことで、合格に近づけるでしょう。