技術力を可視化するCCUSってどんなシステム?

CCUSとは?

CCUSは、二酸化炭素を削減する取り組みの一つとして有名な他、建設業においては建設業の基盤となるインフラとして知られ、活用が期待されています。建設業で知られるCCUSとは、建設キャリアアップシステムのことです。

建設キャリアアップシステム(CCUS)について
CCUSは、建設業に従事する技能者の就業実績や保有資格、社会保険の加入状況などの情報を個人毎にシステムに登録することで、公正な技術や技能の評価、工事の質の向上、現場作業の効率化などにつなげることを目的として構築されたシステムです。

また、CCUSは、技能者が能力や経験に見合った待遇を受けられる環境整備に役立てられ、将来の建設業の担い手を確保する狙いもあります。

CCUSの利用方法
一般的に、CCUSを導入する際、元請け企業は、専用アプリをインストールしたタブレットPCなどの端末の他、準備した端末と連携したICカードリーダーを準備しなければなりません。

CCUSに登録している元請け企業は、現場開設前に、工事名や工事内容などの現場情報をシステムに登録し、さらにCCUSに登録している下請け企業は、施工体制や所属する技能者情報を登録します。工事が始まると、元請け企業は現場にカードリーダーを設置します。

CCUSではシステムに登録した技能者に、本人を証明する手段となるID付きのICカードが交付されます。技能者は、交付されたICカードを現場にあるカードリーダーに通すことで、いつ、どこで、どの職種で、どのポジションについて働いたのかが記録され、蓄積されていきます。

CCUSは企業と技能者どちらにメリットがある?

CCUSは、企業と技能者のどちらにもメリットがあります。建設業全体としても、CCUSが普及するメリットは少なくありません。

企業にとってのメリット
下請け企業、元請けや上位下請け企業のそれぞれの立場でメリットがあります。

下請け企業から見たCCUSのメリットは、下請け企業が雇用する技能者の保有資格や社会保険の加入状況など個人の情報が明らかになることで、取引先の信頼獲得につながるでしょう。また、CCUSは、下請け企業にとって、賃金や代金支払いの根拠を明確にできるメリットもあります。

元請けや上位下請け企業から見たCCUSのメリットは、下請け企業の施工能力や下請け企業に所属する技能者の情報などを確認でき、安心できることです。外国人労働者に関する資格の確認なども容易になります。また、CCUSは、現場管理の効率化や作業の簡素化にも寄与します。

技能者にとってのメリット
CCUSは、業界横断的に技能者の情報が登録、蓄積されるシステムのため、技能者は、労働場所が変わったとしても、自分の技能を客観的に証明できるメリットがあります。

また、CCUSがあると、登録された情報を元に賃金水準の相場感が形成され、賃金の不当な引き上げ、引き下げの防止に役立ちます。

建設業全体にとってのメリット
CCUSが普及すると、若い世代の建設業に対するイメージアップにつながる他、証拠に基づく請求ができることから施主に対して価格交渉力がアップしたり、透明性の高い建設市場へ変化したりするメリットが期待できます。

CCUSについての疑問を調査!

ここでは、CCUSに関する疑問点について紹介します。

インターネットでの申請方法や準備書類について
技能者のインターネットでの申請方法について、CCUSのホームページにインターネット申請ガイダンスが公開されているので、まずはガイダンスに目を通しましょう。

準備書類についても、CCUSのホームページに準備書類等チェックリストや証明書類見本一覧などが用意されています。企業の申請方法についても、技能者の場合と同様、CCUSのホームページを見れば解決できるでしょう。

能力評価制度とは?
能力評価制度は、CCUSの情報を元に、技能者の技能や経験を評価し、客観的な評価や処遇に役立てたり、キャリアパスの明確化につなげたりするための制度です。

CCUSと関わりの深い能力評価制度は、いわゆるレベル判定のことであり、CCUSに登録される技能者の技能や経験について、国土交通大臣が認定した基準に基づいて、各分野の能力評価実施団体が評価を行います。

技能者は、判定されたレベルに応じて、色の異なるカードを持つことになります。レベルは4段階あり、より高いレベルを目指すには、CCUSに蓄積された就業日数や指定された資格取得など、それぞれのレベルで規定されている条件を満たさなければなりません。

能力評価制度に関する詳細は、国土交通省のホームページで確認できます。

CCUSについて疑問がどうしても解決できない場合
申請方法の他にも、カードが発行されるまでの時間や紛失した場合など、いくつかの疑問が出てくるでしょう。

多くの疑問点はCCUSのホームページを見ることで解決できるはずですが、CCUSのホームページを見てもどうしても疑問を解決できない場合は、CCUSのホームページに設置されたお問い合わせフォームから必要事項を記入した上で送信しましょう。