作業日報はなぜ書くのか
多くの造園企業で仕事の一部となっている作業日報。しかし、作業日報の作成が負担であったり、面倒に感じたりする労働者は少なくありません。社員から作業日報の必要性を疑問視する声も上がる企業がある中、今でも多くの企業で作業日報が業務から消えないのには理由があります。
個人やチームの生産性向上に貢献
作業日報を書く際、労働者は1日に自分がした仕事について振り返ります。労働者にとって、作業日報を書く時間は、仕事で失敗した部分の改善点を再考したり、今後やるべき仕事を整理したりする機会になるでしょう。
また、作業日報はチーム内で情報を共有する手段となります。作業日報を見ることで、現場の誰もが作業の進捗状況を把握でき、タスク管理にも役立つでしょう。
労務管理やコスト管理
作業日報には、労働者の作業時間や業務内容などが記入されます。管理責任者は、労働者の仕事内容や労働時間を把握することで、長時間労働を是正し、より良い労働環境を作れるでしょう。
また、作業日報はコスト管理にも使えます。計画していた予算や人員、作業スピードなどを現在の進捗状況と比較することで、人員を減らせる部分が明確になり、コスト削減につなげることも可能です。
作業日報の項目と書き方
作業日報は、造園業だけでなく、多くの業種で取り入れられている業務です。しかし、業種や社内でのポジションなどによって項目は異なります。
尚、企業によって作業日報を作業日誌や業務日報などと呼ぶ場合もありますが、書き方はほとんど同じと考えて良いでしょう。
造園業の作業日報の項目
造園業の多くは、造園工事も手掛けるため、建設現場で使える作業日報の項目が見られるでしょう。
建設現場で導入される作業日報は、工事名や現場名、記入者名、関連会社を含む工事に携わった労働者名、日付、天気、始業時間や終業時間、休憩時間、時間外労働時間、作業内容や業務に付随するメモなどの項目があります。
作業日報の書き方
多くの企業で作業日報はテンプレート化されているため、工事名や労働時間、天気など定例の項目は迷わず書けるはずです。
作業内容やメモ欄などは、1日の間に従事した作業について書きましょう。作業を一つ終える毎にメモをとっておくことで、作業終了後に作業日報を書きやすくなり、短時間で仕上げられます。作業日報のメリットを最大限に活かすためにも、労働者は作業日報を当日中に書きあげるようにしましょう。
テンプレートにもよりますが、作業内容は場所や内容、進捗状況などを具体的に記載すると情報を共有しやすいです。メモや備考欄は、作業中に起こったトラブルを報告する他、資材不足や人員不足などの相談を記入すると良いでしょう。
作業日報の形式
一昔前まで作業日報は紙ベースでしたが、現在では様々な形式が見られます。
現在も紙に手書きで日報を作成する企業はありますが、エクセルでフォーマット化した作業日報や日報アプリを導入する企業も増えています。
また、企業が独自に日報システムを作っている場合もあるでしょう。
ちょっと工夫!一目置かれる書き方のコツ!
多くの労働者に無駄だと思われがちな作業日報ですが、上手く活用すればメリットは大きいです。
作業日報を無駄にしないために、労働者は作業日報を作成する際に一工夫を加えてみましょう。一目置かれる作業日報には、書き方のコツがあります。
必要な情報だけをシンプルに盛り込む
作業日報は、必要な情報だけに絞って、シンプルに伝えられるように心掛けましょう。
意識したいのは、5W1Hです。5W1Hとは、英語のWho(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字を省略したものです。
5W1Hを意識して構成した文章は、情報の漏れが起きにくく、読み手に要点を端的に伝えられます。短文や箇条書きを用いるのも効果的です。
定量的な書き方を意識する
作業日報は、定量的に記載することで、読み手が誰であっても情報をわかりやすく伝えられます。定量的とは、物事を数字で捉えることです。
作業日報の定量的な書き方の例は、「見積書1件作成」や「資材5件発注」などです。具体的に数字を用いることで、誰が見ても同じ評価になります。
作業日報作成の目的や誰が見るのかを考えよう
労働者は、書き方だけでなく、作業日報を作成する目的や読み手を考慮することが大切です。
作業日報は、個人が仕事を振り返るために用いられるだけでなく、チームの生産性向上に貢献したり、コスト管理や労務管理に使われたりします。
労働者は、日報の作成目的を把握することで、他の業務と同様のモチベーションで作業日報の作成に向き合えるでしょう。
また、作業日報は同僚や上司も見ますし、全労働者に情報が共有されます。
作業日報の作成者は、誤字脱字がないように確認するのはもちろんのことですが、記入漏れや誤った情報があれば、同僚に迷惑をかける可能性があることを肝に銘じておきましょう。