造園業界に関係する資格はたくさん!いったいどんな資格がある?

造園業の資格にはどんな役割がある?

造園業に従事するにあたって、知っておいた方が知識は様々ありそれに伴った資格もそれぞれあります。

国家資格から民間資格まであり、初心者は特に、スキルアップを考え始めた人にとっても『どこから手を付けていいか』『何を取るべきなのか』が分からず、そもそも資格が必要なのかという疑問もあるでしょう。

まず前提として、造園業は必ずしも資格が必要な職種ではないため、医者などのように資格を持っていないと仕事ができないというものでありません。

ただし、造園業で働くことはできても、役職によっては国家資格が必要になるため、スキルアップやキャリアアップを目指す場合には必要な資格もあります。

国家資格でなくても民間の資格を持っていることで就職や転職の活動で有利に働くこともあるかもしれません。

フリーランスであれば、下請けをする際や、顧客に対して自分の能力を示すための権威として機能する機会もあるでしょう。

しかし様々な資格を取ろうとも、造園業の中でも自分のやりたい分野に関係する資格でなければ活かすことはできませんね。

今回の記事では、どのような資格がどのような分野に必要なのか、またはどういった造園業の仕事で役に立つのかをそれぞれ紹介します。

造園業に必要な知識

造園業においては施工の始まりから終わりまでを様々な企業が協力して完成させる中で、様々な知識が必要となってきます。

設計段階に携わる分野で活躍する企業には植物以外のものも含めた配置のデザインや設計図作成などの土木建築的な知識が求められます。

反対にもうできている空間の植物を管理する企業では、土木的な知識よりも植木の成長や病気に関する知識や剪定に関する知識などの植物の管理に関する知識が求められます。

また、民間資格の中には園芸の魅力を伝える技能を必要とする資格もあり、それをアピールすることで講師などの仕事をすることもできるでしょう。

資格取得を目指す場合は、後から間違いだったことに気付くということがないように、まずは自分が目指す分野ではどういった知識が求められるかを把握した上で狙いを定めて勉強を開始しましょう。

造園業に関係する国家資格

造園業で目指す役職によっては国家資格は必ず取らなければいけません。

これを持っていることで選べる職業の幅は広がりますが、実務経験も必要でなおかつ試験が難しいので本当に造園業でスキルアップやキャリアアップを目指している方向けのものになるでしょう。

これから造園業に携わるという方はいきなりここを目指すよりは、こんなものがあるということを頭に入れておくと良いかもしれません。受験には経験年数の条件があるので、働きながら知識を深めて受験の準備をしていきましょう。

・造園技能士
1~3級の3つがあり、それぞれ受験するのに異なる年数の実務経験が必要な国家資格です。

1級は7年以上、2級は2年以上、3級は1年以上の実務経験が必須となっています。

学科試験と実技試験があり、2級以上は半分以上が合格できないという取得難易度の高い資格です。現在は100点満点中65点が合格ラインとなっています。

資格がなくても造園業を名乗ることはできますが、造園技能士を名乗るにはこの資格が必要です。

・造園施工管理技士
1級と2級があり、1級は年に一度、2級は年に二度の試験が行われている資格です。

2級を取得することで造園業の営業所専任技術者や主任技術者になることができるようになり、1級では更に監理技術者となることができます。

合格率は造園技能士より更に低く、1級では17%程度の合格率となっている難関資格です。

大きな造園工事を受注するには、これらの有資格者が会社に在籍していて、各工事に1名ずつ配置できる環境でなくてはいけません。そのため、これらの有資格者は会社から重宝されますし、大きな造園工事に携わることができます。造園施工管理技士は、造園業でのスキルアップやキャリアアップに繫がる資格です。

・土木施工管理技士
こちらも造園施工管理技士同様に2つの等級があり、1級は年に一度、2級は年に二度の試験が行われています。

共工事で必要となる主任技術者、監理技術者になるのに必要になってくる資格です。こちらも合格率は低く、1級の最終合格率は20%前後となっています。

スキルアップ、キャリアアップを意識し始めたらすぐに勉強を開始しましょう。勉強しながら実務で知識を深めていくと効率的ですし、キャリアアップ後の仕事のイメージがつきますね。

造園業に関係する民間資格

民間資格は国家資格と異なり何かの役職に就くために必須ということはありませんが、知識が業務に役立ったり就職活動において有利に働くことが期待できたりします。

・エクステリアプランナー
1級と2級の2つの等級がある資格です。

この資格では設計段階の仕事に役に立つ知識を習得、アピールすることができます。

具体的には外装の設計や維持、設計図の作成技術、施工管理などの知識を習得することができます。

1級は建築や土木関係の資格を持っていないと受験することはできませんが2級は誰でも受験することができます。

・グリーンアドバイザー
こちらは家庭園芸に特化した民間資格です。

受験するには18歳以上で造園業に1年以上携わったことがある、もしくは園芸系の学校の卒業済みまたは卒業見込みである、園芸に関する地域活動に従事しているなど多少の経験が必要となっています。

植物の育て方の知識を習得するだけではなく、アドバイザーというだけあって園芸の魅力を伝え広める能力も必要となってきます。

園芸の講師や相談員といった仕事を依頼される機会が得られるような資格となっています。

合格率は87%と高く、しっかり勉強をすれば取得するのは難しくないと言えるでしょう。

造園工事の際の植物を卸す仕事に興味がある場合は、こういった資格を取得してみてもいいかもしれません。

・街路樹剪定士
名前の通り、街路樹の手入れを専門とする知識の資格です。

合格率は90%程度で、2級以上の造園技能士の資格などを条件に受講することができます。(受講条件はいくつかのパターン有り)

年齢や学歴は問われませんが、実務経験が必要となってきますので合格率は高いものの経験者で上級者向けの資格と言えるでしょう。

・樹木医、樹木医補
樹木医は樹木の状態の調査や維持管理、治療などに関する知識の資格です。樹木医補はその補佐をする役目になります。名前の通り樹木のお医者さんといった感じですね。

樹木医の受験資格には実務経験が7年以上必要ですが、樹木医補の場合は1年以上で受講できます。

かなりの植物に関する専門知識を必要とするので、受講する場合にはしっかりと勉強する期間を設ける必要があります。

造園業の中で、工事後の維持管理をメインに働きたい人にとってはあると良い資格です。

造園業でスキルアップやキャリアアップしたいと思ったときは

働く中で『スキルアップをしていきたい』『キャリアアップしていきたい』と考えたとき、『異業界への転職』という考えが頭をよぎることもあるでしょう。

しかし、未経験での転職は年齢によっては不利に働き、希望する年収に届かない可能性もあります。

まずは業界内でスキルアップしてできる仕事の幅を増やし、造園業内でキャリアアップに繫がる転職を考える方がリスクも少なく安全です。

国家資格を取得し、今よりも大きな造園会社への転職に成功すれば、今までよりも仕事の幅も広がると同時に、職人から役職者へなど今後のキャリアプランもしっかりと形成できます。

このように、資格取得は重要です。仕事が合わないと感じたときや、今の仕事にやりがいを見出せなくなったとき、それは業界内の転職でも改善する可能性があります。

自分の経験を活かした転職で、人生をより良いものにしていきましょう。