登録造園基幹技能者とは?受講資格や仕事内容について解説

登録造園基幹技能者とは?

登録造園基幹技能者とは、造園工事の中心的な役割を担う専門家であり、特定の講習を受講し認定された者のことを指します。

登録造園基幹技能者になるためには、厳しい受講資格が設けられており、熟練した技術や知識を備えていなければなりません。

建設・造園産業では、さまざまな工事を組み合わせて目的の工事を完成させなければならないため、現場を管理する中心的な役割を担う登録造園基幹技能者への需要が高まっています。

登録造園基幹技能者は、プロジェクトの実施から施工までの全工程を指揮し、質の高い造園空間を創り出す役割を果たさなければなりません。

登録造園基幹技能者には、多岐にわたる専門分野を含む幅広い知識が求められます。また、クリエイティブな美的感性も必要であり、自然と調和する美しい環境を創り出す能力が欠かせません。

さらに、登録造園基幹技能者は全体を俯瞰できるマネジメント能力も必要です。プロジェクトの計画から実行、予算管理、人材指導など、多くの側面を適切に統合し、プロジェクトの成功に向けてリーダーシップを発揮します。

登録造園基幹技能者の存在は、品質と美しさを追求する造園工事で重要であり、近年では特に持続可能な環境への貢献が期待されています。

登録造園基幹技能者は豊かな緑と美しい景観の創出に尽力し、社会に価値ある空間を提供するプロフェッショナルとして欠かせない存在です。

登録造園基幹技能者の受講資格

受講資格として、次の3つの内容をすべて満たす者とされています。

・1級造園技能士または1級造園施工管理技士資格の取得
・10年以上の実務経験(1年以上の指導経験含)
・職長経験3年以上(職長教育修了証の写しを添付のこと)
引用元:一般社団法人 日本造園組合連合会/登録造園基幹技能者

この受講資格からも、造園業としての経験と、指導者としての経験が求められていることが分かります。また、1級造園技能士か1級造園施工管理技士の資格が必要です。

例えば、1級造園技能士は、3級、2級、1級の3つの区分の中で、最も難易度が高いレベルです。

1級を取得するには、7年以上の実務経験が必要で、要件を満たすためには、現場での経験と実践を積み重ねなければいけません。

1級の試験は、実技試験と学科試験の2つで構成されています。実技試験では、造園工事や植栽などの実際の作業を行い、高度な技術や専門知識の披露が必要です。学科試験では、造園に関する理論的な知識や法規制についての理解が問われます。

1級造園技能士は、高度な専門知識と技術を持つトップレベルの専門家です。このような資格保有が受講要件となっているため、造園業に長く携わるだけでなく、知識と技術を持っていることが求められます。

また、1級造園施工管理技士の資格も長い実務経験が求められるため簡単ではありません。

登録造園基幹技能者の仕事内容

登録造園基幹技能者にどのような役割が求められるのか、実際の仕事内容はなにかを解説します。

求められる役割
登録造園基幹技能者は、技術者と技能者の間を取り持つ重要な役割を果たします。登録造園基幹技能者は高度な専門知識と実践的な技術を持ち、プロジェクトの進行や品質管理など、全体の調整役として欠かせません。

また、リーダーシップを発揮し、施工全体を取りまとめる能力が求められます。チームを指導し、プロジェクトの進捗状況を適切に管理し、スケジュールや品質の確保に努めます。

登録造園基幹技能者自身も技能に優れていることが必要です。実践的な技術を持ち、OJTを通じて後進の技能者の指導・育成も求められるでしょう。後進の技能者の成長をサポートすることで、企業全体の技術水準向上に寄与します。

さらに、技術の発展に対して学ぶ姿勢と習得していく努力が重要です。登録造園基幹技能者は変化する技術やデザインに対応し、常に最新の知識や手法を吸収し続けることで、高品質な造園空間の創造をします。

近年注目されている「持続可能な環境づくり」に向けて、常に向上心を持つことが求められるでしょう。

仕事内容
主な仕事内容として次の4つがあります。

・造園工事の施工方法の提案
・作業手順の構成
・指示、指導
・作業工程の進捗管理

求められる役割を理解し、現場の監督的立場として振る舞う必要があるでしょう。

まとめ

今回の記事では、登録造園基幹技能者の概要、受講資格、仕事内容を解説しました。

登録造園基幹技能者は、造園工事の中心的な役割を担う専門家であり、さまざまな工事を組み合わせて目的の工事を完成させなければならない造園業で必要な立場として、需要が高まっています。

受講資格は厳しく、10年以上の実務経験や、3年以上の職長経験のほかに、1級造園技能士または1級造園施工管理技士の資格保有も求められます。豊富な経験と、資格による第三者からの適切な評価がなければ受講できません。

登録造園基幹技能者は、技術者と技能者の間を取り持つ重要な役割を求められます。施工方法の提案と、関連する人との調整、施工状況の進捗管理など、リーダーシップとして責任ある振る舞いが必要となるでしょう。