造園技能士とは?
造園技能士は、造園技術での高度な専門知識と技術を持つ国家資格の一種です。造園技能士は、能力と経験に応じて上級、中級、初級と分けられており、それぞれ上級が1級、中級が2級、初級は3級のランクが付与されます。
1級・2級・3級は全て、学科試験と実技試験の両方に合格しなければ取得できません。
造園技能士の仕事内容
造園技能士は、一般的には造園会社に勤務し、さまざまな仕事に従事します。造園技能士の仕事は、一般家庭の庭の手入れだけでなく、公共施設の緑化整備や公園、街路樹の管理なども対象です。
造園技能士は、現在の情景だけでなく、5年後や10年後の将来展望も考慮した設計を行わなければいけません。そのため、長期的な視点での計画や予測が求められます。
造園技能士には、技術や知識だけでなく、体力も欠かせません。仕事は屋外での活動が多く、身体を動かすことが好きな人に向いているでしょう。
また、日本庭園は近年海外でも人気があり、展開されてきました。そのため、グローバルな活躍の場が広がる可能性もあります。
造園技能士の仕事は、美しい環境を作り出すための設計、施工、管理など、広範かつ多岐にわたります。技術と創造力を駆使し、環境に調和した空間を創り上げることが造園技能士の使命です。
造園施工管理技士との違い
造園技能士と造園施工管理技士は、それぞれ異なる役割と責任を持ちます。
造園技能士は、主に現場での技術レベルを証明する資格です。造園の実務で高度な技術を持ち、施工作業や植栽、管理などの技術的な側面に精通しています。
造園技能士は、美しい庭や緑地空間を実現するために必要な実践的な技能を持ち、具体的な施工作業に従事することが特徴的です。
一方、造園施工管理技士は、設計などの上流工程から品質管理に至るまで、全体を統括する監督者としての技能を証明する資格です。プロジェクトの計画立案、予算管理、施工管理、品質管理など、広範な管理業務を担当します。
造園施工管理技士は、プロジェクトの全体像を把握し、技術的な側面だけでなく、組織やスケジュール管理なども含めた総合的な能力が求められるでしょう。
造園技能士の試験概要
造園技能士の試験は受験資格があるため注意しましょう。3級は受験資格がありませんが、1級と2級はそれぞれ実務経験が必要です。
試験日程は、1年を通して前期と後期の2回あり、学科と実技それぞれが別日程で設定されています。試験料は学科試験が3100円、実技試験が16500円です。学科試験と実技試験の詳細を解説します。
学科試験
造園技能士の学科試験は、1級、2級、3級のそれぞれに異なる内容と難易度が設定されています。
1級と2級の試験は、100分の時間制限内で50問の問題数で、問題形式は四肢択一です。一方、3級の試験は60分の時間制限内で30問の問題に回答しますが、この試験では、問題に対して〇か×かで回答する真偽法が使用されます。
合格基準は100点満点中、65点以上です。試験科目は庭園や公園の種類や特徴から、施行法の詳細や材料に至るまで、多岐にわたります。試験の出題範囲は級ごとに異なるため、受験前に出題範囲を確認することが重要です。
実技試験
実技試験は1級、2級、3級でそれぞれ異なる内容です。次の内容の実技試験が必要となっています。
・1級:竹垣製作、つくばい敷設、飛び石・延段敷設及び景石配置と植栽
・2級:四ツ目垣製作、飛び石・敷石敷設、低木植栽及び支柱取付け作業
・3級:竹垣製作、縁石敷設及び敷石敷設
この内容が「作業試験」となっており、これとは別に「要素試験」があります。要素試験は、1~3級いずれも樹木の枝から樹種名を判定する試験で、所要時間が級によって異なるため注意が必要です。
いずれも100点満点中の65点が合格ラインです。
造園技能士の試験難易度
造園技能士の難易度は、級別に異なります。1級と2級の試験は、高度な技術や幅広い知識を要求し、専門的な能力を持つことが求められます。
そのため、試験難易度が高く合格率も比較的低いです。
1級の平均合格率は約25%、2級の平均合格率は約40%となり、相対的な評価ではなく絶対値での合格となるため、毎年合格者数が異なります。相対的な評価ではなく絶対値での合格となるため、毎年合格者数が異なります。
一方、3級の試験は比較的低い難易度です。3級の試験は、造園を学んでいる学生や初心者にも取り組みやすい内容となっており、こちらも複数の資格スクールで報告されている合格率は約70%と高い傾向があります。
学習や実習を通じて基礎的な知識や技能を身につけた者であれば、合格の可能性が高いといえます。
まとめ
今回の記事では、造園技能士の概要と、試験の難易度や合格率を解説しました。造園技能士は、造園技術での高度な専門知識と技術を持つ国家資格の一種です。仕事内容は、庭の手入れのほか、公共施設の緑化整備や公園、街路樹の管理なども行います。
3級は受験資格が無く誰でも受けられて、合格率も70%と高めですが、1級や2級は実務経験が必要で、さらに合格率も低めとなっています。
今回の記事では、実技試験と学科試験の詳細も紹介しているため、これから造園技能士を目指そうと考えている方は参考にしてみてください。