【2024年最新版】ビオトープ管理士とはどんな資格?受験資格や難易度を解説

ビオトープ管理士とはどんな仕事?

ビオトープ管理士の仕事とは、新しい道路、建物、街などを行うときに、開発する場所の生態系を調査し、そこにいるさまざまな野生の動植物の「すみか」を守ることです。

具体的には環境コンサルタントや建築、土木、造園の会社などで開発や工事をするとき、周辺環境の調査をして自然環境に配慮した計画を立てたり、新たなビオトープの設計施工したりしています。

また自然環境についての知識を活かし、環境教育の指導者として活動するビオトープ管理士もいます。

そもそもビオトープとは、ドイツ語で「生き物=bio」と「場所=top」を組み合わせた言葉で、「生き物の生息空間」を意味する言葉です。

ビオトープ管理士はこのビオトープを守るために、生態系の調査やビオトープの計画、設計、施工を通じて、自然と共存した美しい街づくり・国づくりを行う仕事と言えるでしょう。

ビオトープ管理士の種類

ビオトープ管理士には「ビオトープ計画管理士」と「ビオトープ施工管理士」の2種類があります。

ビオトープ計画管理士が都市開発に伴う地域計画を立てるプランナーであるのに対して、ビオトープ施工管理士は現場で実際に設計、施工にあたる技術担当者です。

またそれぞれ、実務経験量の差や資格取得後に生じる責任の大きさによって、1級と2級に分けられています。

受験資格について

ビオトープ管理士試験の1級と2級では、受験資格が異なります。

1級の受験資格
1級ビオトープ管理士の試験を受験するには、最終学歴や所有資格の状況に応じて一定の実務経験年数を満たしていなければなりません。

必要な実務経験年数を学歴、保有資格ごとにまとめましたのでご覧ください。

|最終学歴・保有資格|実務経験年数|h
|4年制大学卒|7年以上|
|大学院卒|5年以上|
|短期大学・専門学校・高等専門学校卒|9年以上|
|高等学校卒|11年以上|
|技術士(建設・農業・森林・水産・環境)n1級土木施工管理技士n1級造園施工管理技士|資格取得後4年以上|
|2級ビオトープ計画管理士n2級ビオトープ施工管理士n2級土木施工管理技士n2級造園施工管理技士|資格取得後7年以上|
|上記の学歴・資格によらない場合|14年以上|

ここで言う実務経験とは、都市計画・農村計画などの地域計画における基本構想の決定、土木・造園工事における計画、設計、施工、研究、分析、評価などの実務と、これらに対する指導・監督が対象です。

野生生物の調査や環境を改善するための業務など、自然環境を保護・保全、復元、創出する業務も含まれます。

この保護・保全、復元、創出業務に関しては、教育機関での継続的な指導や環境NGO団体での継続的な活動も認められています。

2級の受験資格
2級ビオトープ管理士の試験を受けるために必要な資格はありません。興味がある人ならば、誰でも受験することができます。

ビオトープ管理士は主に、環境コンサルタント業、土木・建設・造園業などの企業で働いていますが、SDGsへの取り組みが盛んになった近年では、さまざまな業種の人が資格を取得しています。

関連業務の実務経験がなければ、2級ビオトープ管理士からチャレンジしてみるといいでしょう。

ビオトープ管理士の合格率と難易度

ビオトープ管理士の難易度は各資格サイトでは中〜やや難程度と紹介されています。

令和4年度のビオトープ管理士合格率は、1級で約33%、2級で約44%でした。ここ数年の合格率を見てみても、1級が30%、2級が50%程度の合格率です。

1級の合格者は実際の業務と関連性が高い土木・建設・建築業、環境コンサルタント業、造園業に携わる人が多く、2級は学生の割合が高いのが特徴です。

受験資格が必要になる1級ビオトープ管理士ではより専門的な知識が問われるため、やや難易度が高めに設定されていると考えられるでしょう。

出典:ビオトープ管理士資格試験
https://www.biotop-kanrishi.org/contents/flyer.pdf

ビオトープ管理士の勉強方法

ビオトープ管理士資格試験の勉強には、過去問や公式テキストを利用して独学で勉強する方法と有料のセミナーに参加する方法があります。

過去問は、択一問題の問題と解答、記述式問題小論文の課題が過去3年分、公益財団法人日本生態系協会のホームページで公開されています。

ただし過去問を閲覧するためには、同協会のエコネット会員に登録しなければなりません。会員登録は無料で、申し込みフォームに必要事項を記入すると登録できます。

公式テキストはビオトープ管理士資格試験を実施している日本生態系協会が監修しているもので、最寄りの書店やオンライン書店で購入可能です。

また同協会のホームページでは、参考図書も公開されているので参考にすると良いでしょう。

セミナーは毎年6月に開催されているもので、公式テキスト、過去問、環境関連法をもとに、筆記試験・択一式問題5科目の要点を公式テキスト執筆者が解説してくれます。

セミナーの主な対象者は2級ビオトープ管理士の受験者ですが、1級資格試験の内容とも重複しているので等級を問わず受講可能です。

まとめ

ビオトープ管理士は開発を行うときに、周辺の生き物の生息空間であるビオトープを調査し、それを保護・保全、復元、創出する仕事で、地域計画を立てるプランナーのビオトープ計画管理士と、現場で実際に設計、施工にあたる技術担当者であるビオトープ施工管理士の2種類があります。

合格率は1級が約30%、2級が約50%で中~やや難程度の難易度と言えるでしょう。

ビオトープ管理士はSDGsが掲げるゴールを達成するのにも有効な資格です。1級の受験には最終学歴や所有資格で規定される実務経験が必要ですが、2級は誰でも受験可能なので、興味がある方は気軽にチャレンジしてみてください。