造園業界で取り組まれている「SDGs」にはどんなことがある?

近年注目されているSDGs。SDGsはSustainable Development Goalsの略称で、全世界でさまざまな取り組みがされています。

今回の記事では、造園業界で取り組まれているSDGsを解説しています。また、造園業での取り組み事例として4つの内容を紹介しているため、SDGsがどのような内容でどのように造園業と関わるのか気になっている方は参考にしてください。

SDGsとは?

SDGsは、2015年の国連サミットで採択された「2030年までに持続可能な社会を実現するための包括的な取り組み」です。

この目標は世界の課題に対処し、持続可能な未来を確保するための行動指針として設定されました。

SDGsは17の目標で構成されており、各目標は生活の向上や、環境保護、平和で平等な社会づくりなどさまざまな側面に焦点を当てています。

その目標内容は多岐にわたり、「貧困をなくす」、「男女平等」、「安全な水とトイレ」などが含まれており、目標の達成に向け、より具体的なアクションが定義されました。

さまざまな国や地域で、政府、企業、市民社会が協力して、SDGsの実現に向けた取り組みを進めているのが現状です。

国際社会全体が連携し、リソースやノウハウを共有することで、より効果的な成果をもたらすことが期待されています。

SDGsと造園業・建設業との関係は?

造園業と建設業は、SDGsに密接に関連しています。特に、環境への対応は重要なテーマであり、CO2排出量削減などの取り組みに対応していかなければなりません。

施工時のCO2排出量削減は、建設工程での省エネや再生可能エネルギーの活用、脱炭素化などによって実現されます。SDGsでは、使用するエネルギーの効率化や脱炭素化が求められており、造園業と建設業でも重要な目標となるでしょう。

資源の有効活用も重要な課題です。再生資材の活用や建設資材としての再利用など、資源の循環を意識した取り組みが求められます。資源の枯渇や廃棄物の増加を防ぎ、環境負荷を軽減することを目指さなければなりません。

さらに、土壌汚染に対する配慮も重要です。工事に伴う土壌汚染を最小限に抑えるためには、適切な管理や処理が欠かせません。地域の生態系や健康への影響を軽減し、持続可能な環境を確保できます。

SDGsの観点では、従業員への配慮も必要となります。特に、女性に対する働きやすさや人材育成に関する取り組みが重要です。

造園業界におけるSDGsの取り組み例

造園業でのSDGsに対する取り組みとしていくつかの例を紹介します。資源の循環や廃棄物の削減、男女平等な社会の実現などさまざまな取り組みがあるため詳しくみていきましょう。

「はまみどり工法」
はまみどり工法は、砂浜の緑化を目指す手法です。砂浜の中に埋まっている在来植物の種子や地下茎を利用して、緑化を活性化させます。

地域に根付く植物を重視することで、生態系や景観を守りながら、自然な緑地の形成を促進可能です。従来のコンクリートや鉄製の構造物による緑化手法と比較して、はまみどり工法は環境への負荷を軽減し、持続可能な景観づくりに貢献します。

地域の自然条件や植生に適した選択肢として注目されており、地域の特性やニーズに合わせた緑化計画の一環として注目されている取り組みです。

出典:グリーン産業株式会社/はまみどり工法

SDGs目標11番「住み続けられるまちづくりを」の実践
住み続けられるまちづくりを実践するために、造園業は重要な役割を果たしています。

庭園づくりや公共の造園、街路樹などの活動は、持続可能な開発目標(SDGs)の住み続けられるまちづくりに直接関連している内容です。

さらに、造園業界は地域との連携を強化し、住み続けられるまちづくりを推進することが求められます。地域のお祭りへの協賛や、地域の小学校との連携した植樹活動などがその一例です。

地域との協力やコミュニティ参加を通じて、地域住民の意識を高め、持続可能なまちづくりの推進を図ります。

解体ゴミの削減
日本住宅リフォーム産業協会ジェルコは、2030年を目標として解体ゴミの削減に取り組んでいます。具体的には、解体費用の20%削減を目標に掲げ、脱炭素社会への貢献を目標としました。

取り組みの一環として、廃材のリサイクルにも注力し、ゴミの削減を実現しています。解体ゴミの削減は、SDGsの目標である持続可能な消費と生産に貢献し、資源の効率的な利用や環境負荷の軽減につながる活動です。

出典:日本住宅リフォーム産業協会ジェルコ/わが社のSDGsへの取り組み目標

女性社員率の向上
従来、男性中心のイメージが強い業界でしたが、近年では女性の進出も進んでいます。機械を使用することで、女性の力不足が不利にならない状況です。

また造園のデザイン面では、女性の感性を活かせる部分が多くあります。植物の配置や色彩など、繊細で美しいデザインは女性の得意な面もあるでしょう。また、地域住民とのコミュニケーションや協力を求められる場面では、女性が男性よりも適しているケースも多いです。

まとめ

今回の記事では造園業界で取り組まれているSDGsを解説しました。SDGsは、2015年の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能な社会を実現するための包括的な取り組みです。

造園業と建設業は、SDGsに密接に関連しています。特に、環境への対応は重要なテーマです。造園業としてSDGsに対する取り組み事例を4つ紹介しているため参考にしてみてください。