土木施工管理技士の資格とは。造園業ではこの資格が役に立つ?

土木施工管理技士とは?

工事に関する様々な管理を担う施工管理は建設現場においてとても重要な仕事です。施工管理は無資格でもできますが、施工管理技士資格があった方が企業に優遇されますし、キャリアアップにつながることは間違いありません。

施工管理技士は国家資格であり、工事種類によって種目が分けられています。建設業や土木業で高く評価される土木施工管理技士は施工管理技士国家資格の内の1つで、施工管理技士国家資格には他にも、造園に関係する造園施工管理技士などがあります。

土木施工管理技士
土木施工管理技士とは建設業法第27条に基づいて実施される国土交通省管轄の国家資格であり、工事現場で設置が求められる主任技術者や監理技術者として働くことを希望する人ならば必ず取得しなければなりません。

他の施工管理技士資格と同様に土木施工管理技士も1級と2級があり、各級で学科試験と実地試験に合格する必要があります。1級は2級よりも出題内容のレベルが高く、受験条件に関しても実務経験年数などにおいて1級の方がハードルが高く設定されています。

1級は資格取得の難易度が高い分、1級土木施工管理技士の資格があると建設業や土木業では重宝されるでしょう。

尚、2021年4月1日に施行された法によって技士補資格が創設されており、今までの学科試験は第1次検定、実地試験は第2次検定と名称が変わり、試験基準も改正されています。

今までは学科試験と実地試験の両方に合格する必要がありましたが、2021年4月以降の新制度では第1次検定に合格することで技士補資格を得られます。

また、技士補が補佐業務をすることによって工事現場における技術者の配置義務が見直されるなど技士補制度による変更点があるので最新情報を確認しましょう。

土木施工管理技士ができる仕事

土木施工管理技士は主に公共工事を手掛けており、港湾や河川、道路などの工事において施工計画作成、工程管理、品質や安全管理など様々な業務に携わります。

老朽化したインフラの修理工事や災害復旧工事においても土木施工管理技士が活躍しています。ただし、土木施工管理技士でも1級と2級ではできる仕事の範囲が異なります。

2級土木施工管理技士ができる仕事
2級土木施工管理技士は小規模工事に主任技術者として携われます。しかし、小規模工事ならどんな現場でも良いというわけではありません。

2級土木施工管理技士の技術検定試験では土木、鋼構造物塗装、液体注入の3分野に分かれており、受験し合格した分野において主任技術者になれます。

鋼構造物塗装分野を受験し合格した人なら塗装工事、液体注入分野で合格した人はとび土工工事、土木分野で合格した人は土木工事、とび・土工工事、石工事、鋼構造物工事、舗装工事、しゅんせつ工事、水道施設工事、解体工事で主任技術者になることが許可されています。

1級土木施工管理技士ができる仕事
1級土木施工管理技士は大規模土木工事の施工に携わることができます。1級土木施工管理技士は元請け、下請けに関わらずすべての工事現場に配置が求められる主任技術者になれる他、大規模工事で求められる監理技術者としても仕事ができます。

監理技術者が必要な大規模工事とは、特定建設業が元請けとして4000万円(建設一式工事の場合は6000万円)の工事を請け負う場合です。1級土木施工管理技士試験では2級のように受験分野の区分が無く、あらゆる工事現場での仕事が可能です。

造園業でも土木施工管理技士は通用する?

造園施工管理技士も土木施工管理技士も施工管理技士資格ではありますが、種目が異なります。しかし、それぞれ別の業種で資格を活かせないわけではありません。

土木施工管理技士は造園業でも通用する
造園業の会社の求人を見ると、造園業の会社の求人では造園施工管理技士と土木施工管理技士のどちらも募集されています。造園業の会社が土木施工管理技士を募集していることから、土木施工管理技士は造園業でも通用すると言えるでしょう。

ただし、造園として受注した案件の場合、土木施工管理技士も働くことはできますがポジションが違うことがあります。

1級造園施工管理技士も1級土木施工管理技士も監理技術者になれますが、監理技術者として業務が可能な職種は異なります。

1級造園施工管理技士の可能な業務は造園工事です。造園工事とは樹木の植栽、景石のすえつけ等によって苑地を築造する工事と定義されており、植栽工事や園路工事、水景工事など造園に関する工事種類は多岐にわたります。

一方、1級土木施工管理技士が監理技術者として可能な業務は土木工事やとび土工工事などをはじめ多く存在しますが、造園工事は含まれていません。

土木施工管理技士が監理技術者として認められない業務を含む造園工事案件などにおいて、土木施工管理技士は異なるポジションで働くことになるでしょう。

まとめ
剪定や植樹などを手掛ける昔ながらの造園業がある一方、現在では建設業許可を得てエクステリア全体の造園工事や公共工事などを手掛ける造園企業が増えています。

造園企業は土木施工管理技士の資格保有者を雇用することで仕事の幅は広がりますし、土木施工管理技士の資格保有者は造園業でも活躍が期待されていることは間違いないでしょう。

土木施工管理技士の資格保有者は建設や土木企業だけでなく、造園企業でも歓迎されているので転職も問題なくできるはずです。