改めて造園業はどのような仕事?
造園業は誰もが知っている通り、庭を手入れする仕事です。庭造りといっても個人邸宅だけでなく、公園など公共の場所の庭も手掛けています。
実は、造園業の仕事は庭造りだけに留まりません。造園業は、庭造りの他にも公共の造園やデザイン、メンテナンス、さらにはマンションやビルの屋上緑化など様々な仕事を請け負っています。
一般的に造園業は職人の世界というイメージが先行しがちですが、造園業では設計やデザインを仕事にしている人もいれば、造園工事の施工管理に携わる人もいるなど、様々な職種が存在します。
植木屋との違い
植木屋も造園業といえますし、造園業と植木屋の違いに明確な定義があるわけではありません。
しかし、一般的な認識として植木屋は植樹をしたり、庭の木を剪定したりするなど樹木の手入れを主に手掛けている企業を指します。
一般の人が造園業と聞いてイメージするのは、いわゆる植木屋であることがほとんどでしょう。植木屋は特に免許は必要ありません。
一方、造園やデザイン、メンテナンス、ビルの屋上緑化など庭のトータルプロデュースを手掛けるのが造園業です。建設業許可を得て造園工事を行おうとする造園業には専任技術者の配置が求められます。
専任技術者になるには造園施工管理技士などの資格が必要です。また、造園施工管理技士は造園工事において主任技術者や監理技術者になれるなど、造園業においては資格の有無でできる仕事が大きく変わってきます。
造園業の平均年収はどのぐらい?
給料BANKや求人ボックス給料ナビによると、造園業の平均年収は300万円台で日本人の平均収入と比較すると高い方だとはいえません。ただ、造園業では稼いでいる人もいれば、稼げていない人もおり、個人差も少なくありません。
20代、30代、40代の平均年収
給料BANKを参考に年代別に平均年収を見ると、月収では20代なら15万円から20万円、30代なら20万円から25万円、40代なら25万円から30万円が相場だといえます。
多くもらったとして、単純に年収を計算すると20代は240万円、30代は300万円、40代は360万円となります。
平均年収よりも年収を上げることは可能?
結論からいうと、造園業において平均年収よりも年収を上げることは可能です。具体的には、独立か比較的規模の大きな造園企業への転職です。
独立する人は多いですが、簡単ではありません。造園スキルはもちろん必須ですが、雑務も一人でこなす必要があるため、事務の知識、営業力、コミュニケーション力なども求められます。
転職に関しては、経験を積み、資格を取得することで年収アップを期待できるでしょう。特に、造園施工管理技士は造園業では優遇される資格であり、DOORSというサイトによると平均年収としては300万円から600万円くらいです。
資格手当を支給する企業も少なくありません。平均年収に幅がありますが、実務経験や実績、スキルなどによって年収は異なり、経験豊かで良い仕事をする人は評価され、収入も上がるでしょう。
造園業の世界に将来性はある?
変化が激しい社会において、時代の流れやAIに取って変わられ、なくなる職業は少なくありません。なくなる職業はAIの進化が止まらない限り、これから先も増えるでしょう。
しかし、造園業においては緑化工事が増えていますし、工事現場での複雑な判断などはAIにできないため、造園業の世界に将来性はあります。
特に若者は将来性あり
造園業に将来性はありますが、現在造園工事業の就業人数は減少しています。若手の人材不足がゆえに、20代や30代の人材は重宝されるでしょう。
また、造園企業も若手人材を確保するために企業のイメージアップや労働環境改善、待遇の見直しなどを行っており、造園企業の労働環境は良くなっています。
大手の造園企業に将来性あり
造園業ならどの企業でも良いわけではありません。近年は個人邸宅の造園依頼は減っているため、主な顧客が個人である企業は将来性に不安があります。
将来性を重視するなら公共事業に携わっている会社、ホテルや旅館、企業など有名顧客を多数抱えている大手の会社に入社するのが望ましいでしょう。
まとめ
転職の際には、給料や将来性など考える点はたくさんあるでしょう。造園業への転職に関しては、個人のスキルや資格の有無、経験などによって給料を上げることは可能ですし、造園業の将来性についても心配ありません。
転職の際には、造園業のやりがいも考えてみましょう。経験が浅いうちは、できる仕事は限られるかもしれませんが、仕事を学ぶ過程において自分の成長を感じることができるはずです。
経験を積み、庭造りや公共工事を手掛けるようになった際には、自分が手掛けているものが目に見えて形になっていき、完成した時には達成感を味わうことができるでしょう。
依頼主から感謝の言葉をかけてもらったり、良い評価をしてもらったりすることも造園業の大きなやりがいです。また、手掛けた作品が長く残ることも造園業の魅力だといえるでしょう。