本人希望欄とはどういうもの？
履歴書には、本人希望欄が設けられています。履歴書によっては、本人希望欄に補足として括弧書きで、「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」とありますが、どの程度まで自由に書いて良いものか悩む人もいるでしょう。
入社する上で譲れない希望を記入
本人希望欄は、転職希望者が企業に希望することを自由に何でも書いて良いわけではありません。
転職希望者は、転職希望者の希望勤務時間や家庭の都合で働ける勤務地に限りがある場合など、就業に影響がある事情を記入するに留めましょう。
転職希望者の中には、企業に希望することがたくさんあるかもしれませんが、就業に影響がある事情に関すること以外の希望は、面接で交渉したり、確認したりしましょう。
希望が「絶対条件」のように捉えられてしまう可能性がある
転職希望者が、深く考えずにあくまで「希望」として本人希望欄に記入したとしても、書き方によっては採用担当者に「絶対条件」のように捉えられてしまう可能性があります。
採用担当者は、転職希望者が記入した希望が叶えられなければ入社できない意思を示していると判断し、採用候補から外すことも考えられるでしょう。
また、転職希望者は、履歴書の作成段階では、応募先の企業や仕事について知っていることは限られるはずです。面接のために会社を実際に訪れたり、採用担当者と話したりすることで、転職希望者の考え方や希望が変化する可能性も少なくありません。
履歴書の本人希望欄は、絶対譲れない条件だけに留めることで、自分の考えや希望の変化にも自分自身が対応しやすくなるでしょう。
本人希望欄の基本
履歴書の本人希望欄に書きたいことがたくさんある人もいれば、書くことが特にない人もいるかもしれません。履歴書の本人希望欄に書きたいことがある時、ない時の基本の書き方を押さえておきましょう。
希望やよほどの条件がない場合
希望やよほどの条件がない限り、本人希望欄には「貴社の規定に従います」のみ明記するのが基本です。
希望や条件がないからといって、本人希望欄を空欄のままで提出することのないよう注意しましょう。基本的に履歴書にある記入欄は、但し書きがある箇所以外はすべて埋めなければなりません。
空欄があると、採用担当者に記入漏れと認識されてしまう恐れがあります。
履歴書の記入欄に記入することがない場合、「特になし」、または「なし」がよく用いられますが、本人希望欄については、これらの表現が採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があることを知っておきましょう。
希望や条件がある場合、絶対条件のみを明記
履歴書の本人希望欄に書きたいことがたくさんある人もいるかもしれませんが、絶対条件のみに絞りましょう。
希望を複数書くことで、採用担当者にネガティブに見られる可能性があります。採用担当者の立場で考えてみても、内定を出すかわからない状態であるにも関わらず、はじめからたくさん条件を押し付けてくる転職希望者に対して、良い気はしないはずです。
また、勤務に関わる環境や待遇については、面接が進むにつれて採用担当者と話す機会があるので、あえて本人希望欄に書かない方が良いでしょう。
希望以外にも書いた方が良い内容、書くべきではない内容
履歴書の本人希望欄には、希望以外にも書いた方が良い情報があります。一方で、書かない方が良い情報もあるので、知っておくことで失敗を防げます。
（○）入社可能時期（退職予定日）、連絡がつきやすい時間帯
在職中の転職希望者の場合、入社可能時期（退職予定日）や連絡がつきやすい時間帯を履歴書の本人希望欄に書きましょう。
企業は、面接日程の調整などで転職希望者に電話をかける場合があります。在職中の転職希望者は、電話対応ができない時間帯をわかっているはずなので、あらかじめ電話がつながりやすい時間帯を履歴書の本人希望欄に記すことで、採用担当者の負担を減らすことができるでしょう。
また、履歴書の本人希望欄に記入する入社時期に関して、在職中の転職希望者で、すでに退職日が決まっている場合は、退職予定日や入社可能時期を記すことで、受け入れ企業はスケジュールを組んで準備に取り掛かりやすくなります。
退職日や入社可能時期がはっきりしない人は、入社予定日を書かない方が良いでしょう。
（×）希望給与
給与については、履歴書に書くべきではありません。給与をはじめとした待遇に関する話は、選考が進むにつれて自然に出てくるはずです。
転職希望者は、履歴書の段階で給与のことを主張しすぎると、採用担当者に待遇を気にする人というネガティブな印象を抱かれる可能性があります。
また、もし転職希望者が、希望給与を具体的に履歴書に記した場合、企業の想定する額と合わないなどの理由で、採用候補から外れてしまう可能性も否定できません。
まとめ
履歴書の書き方に関するルールやマナーは有名ですが、本人希望欄の一つだけでも、書き方のポイントや書くべきでない内容が存在します。
本人希望欄だからといって、希望を思いつくだけ自由に書くのはNGです。履歴書の本人希望欄に書く内容や書くべきでない内容、希望や条件がない場合の書き方などをしっかり頭に入れ、転職活動の際に役立てましょう。
