造園施工管理技士と土木施工管理技士の資格に違いはある?どちらの取得が望ましいのか

造園求人の募集内容にある2つの資格のなぞ

求人には仕事をするにあたって必要な資格が記載されており、資格を取得していることが必須条件の場合、無資格者は応募さえできません。

一方で、どんな職業でも関連する資格を取得していると、就職や転職に有利になったり、任される仕事が増えたりとメリットが多いです。

造園業の求人には仕事内容以外に、経験や資格などの応募条件が記載されています。なかでもよく記載されている資格が造園施工管理技士と土木施工管理技士です。これらは企業によって募集の仕方や記載方法が異なります。

例えば、造園施工管理技士が必要な企業の場合は求人に1級又は2級造園施工管理技士の資格のみが記載され、土木施工管理技士が必要な企業では1級又は2級土木施工管理技士の資格のみが記載されています。

また、1級又は2級土木施工管理技士、造園施工管理技士と記載してどちらも募集している場合も見られるでしょう。

その他、等級が記載されずに造園施工管理技士、土木施工管理技士いずれかの資格所有者と記載されている求人も多いです。求められる級に関しては求人によって異なり、1級が必須である企業もあれば、2級でも可で1級資格取得を企業が支援してくれる場合もあります。

造園施工管理技士と土木施工管理技士以外にも土木や建築関連の資格所有者を優遇する旨の記載がある求人もあるなど、募集内容は多様です。

造園業への就職や転職を考える人は造園施工管理技士や土木施工管理技士の資格を取っておくと有利である事実は間違いありません。

なかには全くの未経験でも歓迎と記載された求人もあり、無資格であっても採用後の仕事の中で資格取得をバックアップしてくれる企業もあります。

造園施工管理技士と土木施工管理技士の違い

造園施工管理技士と土木施工管理技士は並列して造園求人に記載されることが多いものの、同じ資格ではありません。

どちらも建設業法第27条に基づく施工管理技術検定に合格した者のみ所有できる国家資格です。それぞれ試験内容は異なるので各資格試験を受けて合格しなければなりません。ちなみに、日本には造園施工管理技士と土木施工管理技士を含めて、施工管理技士国家資格は6種類あります。

施工管理技士はどの種類も1級と2級に分かれており、学科試験と実地試験から構成されています。受検には定められた実務経験が必要となるなど、誰でも受検できるわけではありません。現場では知識の他、長年積み重ねてきた経験やスキルが重要であることからも、試験でも経験記述があります。

最高級の1級を取得すると営業所に置かれる専任技術者、工事現場に置かれる主任技術者や監理技術者として仕事ができます。

河川や道路、鉄道、港湾、トンネル、上下水道など公共性の高い現場において土木工事を手掛けているのが土木施工管理技士です。土木施工管理技士は近年多発している自然災害の復旧工事にも携わっており、人々が安全な生活を送れるように尽力してくれています。

公園や学校、道路、遊園地などの緑化事業や造成工事、ビルの緑化などの仕事をしているのが造園施工管理技士です。温暖化により環境への意識が高まる中、造園施工管理技士の需要は今後も高まるでしょう。造園施工管理技士の他、エクステリアプランナーなどの資格を所有している人もいます。

携わる仕事の種類が異なる造園施工管理技士と土木施工管理技士ですが、どちらかの資格だけでは仕事内容によってできることとできないことが出てくるでしょう。

例えば、監理技術者としてできる業務に注目した時、1級土木施工管理技士ならば土木やとび大工、石工事、鋼構造物、舗装工事、しゅんせつ、塗装工事、水道施設工事、解体工事があります。1級造園施工管理技士では造園工事しか監理技術者として業務に就けません。

国家資格「施工管理技士」を取得していても、種類によって仕事内容や仕事のできる範囲が変わってきます。

どちらが有利なのか?

造園施工管理技士と土木施工管理技士は国家資格なので、どちらも合格率は高くはありません。どちらか一方から勉強してとりあえず一つの資格取得を目指すのが現実的です。

土木造園、造園土木などの単語が名前に含まれた企業なら、企業によって得意とする分野は異なりますが、大規模な土木工事から植栽や剪定などの造園もすべて担っています。

会社によって造園工事の受注が多い場合は造園の資格、エクステリア工事がメインなら土木と、どちらが有利などの差はありません。

一つ資格を取得しただけで終わるのではなく、より施工管理士としてのキャリアアップや専門性を上げるためにどちらの資格も取得すると良いでしょう。

実際に、造園の求人に造園施工管理技士と土木施工管理技士が必須であったり、優遇されたりしていることからも、造園業において造園施工管理技士と土木施工管理技士の資格取得者に対する評価が高いことは明らかです。

資格はキャリアアップはもちろんのことですが、就職や転職の際にもプラスになります。

造園施工管理技士と土木施工管理技士の両方の資格を持って働いている人もたくさんいますし、両方持っていることで仕事の幅が広がり、仕事のやりがいも増すでしょう。

施工管理としての専門性を高めたいならぜひ最終的には両方の資格取得を目指してみてください。