造園業界に関係する資格はたくさん!いったいどんな資格がある?

造園業に必要な知識

造園業は職人の世界というイメージがあり、技術にばかり注目が集まりがちですが、実は様々な知識が必要な業種です。造園業には樹木の知識、剪定の知識、造園知識が求められます。

樹木の知識
造園業は植物相手の仕事ですが、数多くの植物がある中で全て同じ取り扱いはできません。植物はそれぞれ見た目だけでなく、性質が異なるからです。

例えば、暑さに弱かったり、乾燥に弱かったりする樹木があり、植物の性質を考慮せずに一緒くたに手を加えてしまうことで枯らしてしまう可能性があります。

造園業はある程度樹木の名前に精通し、それぞれの特徴を把握しておくのが理想的です。わからなければ調べたり、現場で親方に尋ねたりする姿勢も必要でしょう。

剪定の知識
剪定は技術が求められますが、植物によって適切な剪定時期は異なります。剪定時期を誤ると花が咲かなかったり、最悪の場合は枯れてしまったりします。植物毎に最適な剪定時期に関する知識が必要でしょう。

また、植物は切りすぎるのも良くありません。植物の見た目が悪くなるだけでなく、弱らせる要因になり得ます。

それぞれの植物の剪定時期、剪定方法、切る程度に関する知識は技術同様に大事です。

造園知識
造園業は総合的に庭をプロデュースします。顧客相手の仕事でもあるため、顧客の要望を聞いた上で、造園知識を加味して顧客の期待に応えなければなりません。デザインや素材など造園業は普段から造園知識を深めるための情報収集や勉強が欠かせないでしょう。

造園業に関係する国家資格

造園業は昔からの職人技などを引き継ぎつつ、現在では工事を手掛けるなど業務範囲も広がっており、関連する資格も多く存在します。特に国家資格は造園業にとって重要な資格であり、従業員に対して取得を支援する企業は少なくありません。

造園施工管理技士
造園業では、企業規模が大きくなる程建築業許可を得て工事を手掛けることも珍しくなく、建築業の一種としての立場を築いています。

安全で適切な工事のために国家資格を持つ造園施工管理技士の配置が必要です。造園施工管理技士は1級と2級がありますが2級では工事現場に配置が求められる主任技術者などになることができ、1級は主任技術者に加え、監理技術者として仕事することが可能です。

土木施工管理技士
土木施工管理技士も造園施工管理技士同様に1級を取得すると監理技術者になりますが、造園施工管理技士と業務範囲が異なり、土木施工管理技士では土木や石工事なども可能になります。

造園施工管理技士と並んで土木施工管理技士を募集する造園業の求人も多いです。

造園技能士
造園技能士は個人住宅から公共空間まで様々な条件の下で庭を造るスペシャリストです。造園技能士を取得することで、技能が一定の水準に達している証明になります。

造園技能士の資格試験では学科試験で造園関連の知識が問われ、作業試験と要素試験からなる実技試験で技術が問われます。

造園技能士は1級から3級があり、最上級の1級では工事の際の主任技術者になることができるなど責任ある仕事も可能なのでやりがいも大きいでしょう。

造園業に関係する民間資格

造園業では無資格でできる仕事も多いですが、現在では資格が重視される傾向にあると言えます。民間資格は意味が無いと言われがちですが、企業や顧客から信頼を得るには十分で、実績不足を補う手段となるでしょう。

設計職に関する資格
造園業の設計職に関する資格には、日本エクステリア建設業協会によるエクステリアプランナー、ランドスケープコンサルタンツ協会による登録ランドスケープアーキテクトなどがあります。

特に、エクステリアプランナー資格の知名度は高く、造園業の求人でも多く目にするでしょう。エクステリアプランナーは外構設計だけでなく、工事にも関わります。1級と2級がありますが、仕事で活かすなら上級の1級を取得する方が良いでしょう。

現場実務に関する資格
現場実務の資格に関しては、日本造園建設業協会による街路樹剪定士、植栽基盤診断士、登録造園基幹技能者が有名です。

街路樹剪定士は街路樹の状態を良好に保ちつつ、街の景観を維持する知識や技術を有する専門家で公募入札の参加要件となることもあります。

植栽基盤診断士は植物や土壌に関するスペシャリスト、登録造園基幹技能者は工事現場で様々な業務をこなす上級職長の役割が求められる資格で、いずれも転職などの際に評価される可能性は高いでしょう。

その他
樹木の医者として知られる樹木医、公園管理に精通している公園管理運営士、植物やガーデニングに関する知識を持つグリーンアドバイザーなどの資格が存在します。

また、自然災害が多い日本では、ブロック塀の安全性を見極めるブロック塀診断士の需要も高いですし、コンクリートブロックの施工管理を安全に行うために必要な知識や技術を持つ建築コンクリートブロック工事士などがエクステリア工事で活躍しています。

まとめ
造園業に関連する資格は国家資格から民間資格まで様々で、その内容も多岐にわたります。国家資格の難易度は低いとは言えず、民間資格であっても実務経験や指定された国家資格の取得などが試験の受験条件となっているものもあり、資格の種類によっては取得は簡単ではないでしょう。

造園業において資格は有利ではありますが、全ての資格を取得する必要はありません。幅広い造園業の職種の中で、自分のキャリアアップのために必要な資格、仕事をするにあたって取得が奨励される資格、興味のある分野の資格取得を目指してみましょう。