監理技術者とは
近年、造園工事を手掛ける造園企業は珍しくありませんが、許可が不要の軽微な工事を除き、造園企業が造園工事を手掛けるには建設業許可を得て、工事の際には現場に主任技術者や管理技術者を配置しなければなりません。
主任技術者と管理技術者はどちらでも配置すれば良いというわけではなく、工事規模によってどちらを配置するべきか異なります。
主任技術者は小規模な造園工事に配置する技術者である一方、監理技術者は特定建設業が元請けとして発注を直接請け負った工事で、下請け契約の金額が税込み4000万円以上(建築一式工事の場合は6000万円)の場合に現場に配置しなければならないと建設業法で定められています。
主任技術者と監理技術者は、造園工事の施工計画作成、工程管理、品質管理、安全管理などの施工管理に関する職務に携わりますが、監理技術者は更に現場で働く下請けの労働者を指導監督する仕事を任されます。
監理技術者は主任技術者よりも総合的な仕事を担う分、経験や資格など求められるハードルは上がります。
主任技術者や監理技術者になるには資格が必要で、主任技術者は造園施工管理技士2級でもなれますが、監理技術者になるには造園施工管理技士1級を取得しなければなりません。
造園施工管理技術検定1級の受検には指定された実務経験の条件を満たす必要がありますが、実務経験がある人が受験しても合格率は高くなく、造園施工管理技士は複数の種目がある施工管理技士資格の中で最難関として有名です。
監理技術者の仕事のスケジュール
監理技術者は一般的にイメージされる造園業の職人とは異なる仕事をしています。
監理技術者の朝から夕方までの仕事の流れ
造園業は朝が早いことで有名ですが、監理技術者も早朝に会社に出勤、もしくは現場に直行します。朝礼を開始し、危険予知活動や作業内容の確認などを行い、施工に取り掛かります。
施工中に監理技術者は安全巡視をしたり、必要があれば職人に指示を出したりします。また、事務所で他の会社や他の管理者などと打ち合わせをすることもあります。
昼休憩後、昼礼をして午後からの仕事内容の確認を行った後、監理技術者は再び現場で工事の進捗状況の確認をし、工程管理表を作成したり、必要な資材を発注したりして施工管理業務もこなします。
夕方に現場での作業を終え、片付けや点検をした後、監理技術者は事務所に戻って報告書を作成したり、翌日以降の工程を確認、準備したりして退社します。
悪天候時に仕事はどうする?
造園業は雨天時に休みになるイメージを一般的に抱かれがちですが、すべての造園業が雨天時に休むわけではありません。
監理技術者に関しては、雨天の場合は会社に出勤して屋内でできる仕事を片付けます。監理技術者が雨天時に屋内でする仕事は施工計画の見直し、予算の確認、材料の発注や管理、書類の作成など多岐にわたります。
雨によって予め作成していた施工計画が崩れる可能性があるため、天気予報を見ながら施工計画の修正が必要でしょう。また、雨天による工事の遅延によって人件費など予算の見直し、発注や納品日の調整も求められます。
その他、普段は時間を取りにくい書類整理をする時間に充てることで晴れた時に仕事を進めやすくなるでしょう。
監理技術者は主にどこで仕事をする?
監理技術者は雨で工事ができない場合を除いては現場に出て仕事をしますが、打ち合わせや施工管理事務などをするため事務所で仕事をすることもあり、必要に応じて事務所と現場を行き来していると言えるでしょう。
監理技術者に求められることと必要なスキル
造園工事を安全に成功裏に終わらせるためには有能な監理技術者が必要です。工事の規模が大きくなればなるほど仕事の複雑さは増し、よりスキルが求められます。
施工管理として求められること
監理技術者が携わる施工管理の仕事内容は造園工事の施工計画作成、進捗状況を確認したり、工程変更に対応したりして納期までのスケジュールを見守る工程管理、工事資材や工事仮設物などの品質管理、現場労働者が怪我や事故無く工事を安全に進めるための安全管理など幅広いです。
監理技術者は工事方法を把握して、労働者や周辺住民に説明しなければなりません。また、労働者の指導監督をするにあたって現場労働者の心情理解が求められる他、見積書の作成など事務仕事もあります。
監理技術者は優先順位を決めて色々な仕事を同時期こなすスキルの他、作業毎にコミュニケーション能力や書類作成能力、リーダーシップ、問題解決力など様々なスキルが必要となるでしょう。
まとめ
施工管理の仕事に携わる監理技術者は責任が重く、楽なポジションとは言えません。しかし、施工が無事に終わった時に達成感を味わえたり、自分の携わった工事が高く評価されたりした時など、監理時術者だからこそ感じられるやりがいもあります。
施工管理技士として自分の成長を感じられるので、モチベーションのアップにもつながるでしょう。