造園工事とは?どんなことをする?
造園業といっても手掛ける業務は様々で、近年では昔ながらの植木屋の仕事だけでなく、建設業許可を得て造園工事を手掛ける企業は少なくありません。
造園工事とは、国土交通省が示す定義によると整地や樹木の植栽、景石のすえ付けなどによって庭園や公園、緑地などを造り上げる工事の他、道路や建築物の屋上などを緑化したり、植生を復元したりする工事を指します。
国土交通省は工事の例も示しており、造園工事の具体的な工事例は植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事など色々な種類の工事が挙げられています。
また、各工事でより細かい区分が示されており、例えば植栽工事は文字通り植物を栽培するだけでなく、植生を復元する工事を含むとされています。
必要な免許やあった方が良い免許は?
造園工事で必要になる資格として有名なのは、主任技術者や監理技術者になれる造園施工管理技士ですが、造園施工管理技士の他にも、造園工事に携わるなら必要な免許やあった方が良い免許があります。
造園工事には重機での作業が含まれ、重機の種類によっても必要な免許は異なります。
車両系建設機械(整地等)
車両系建設機械には整地などを目的とする機械、解体用の機械、基礎工事用の機械があります。造園工事に深く関係するのは整地や解体に使う車両系建設機械です。
整地や運搬、積みこみ用の車両系建設機械の種類として、パワーショベルやブルドーザーなどの機械が代表的です。
造園工事において整地用の車両系建設機械を使用する例としては、人工芝や防草シートを張る前に、草で覆われたでこぼこした土地の除草をし、地面を平らに整える案件などが挙げられるでしょう。
多数の種類がある車両系建設機械ですが、機械重量によって必要となる免許は異なるため、取得している車両系建設機械の免許で認められた範囲外の車両は操作できません。
3トン以上の整地用車両系建設機械を操作できるようになるためには、各地方にある教習センターにて実施されている運転技能講習のうち、自分の条件に該当するコースを受講する必要があります。解体用の車両系建設機械も整地用と同様に運転技能講習を修了しなければなりません。
小型移動式クレーン
造園工事では木や石など重い物をクレーンで持ち上げて移動する際に小型移動式クレーンが使用されます。小型移動式クレーンはユニック車とも呼ばれています。
小型移動式クレーンを操作するための免許は、機械の吊り上げられる荷重の重さによって必要となる免許の種類が異なるので注意しましょう。
吊り上げる対象物の重さが0.5トンから1トンなら小型移動式クレーン運転に関する特別講習、1トン以上5トン未満なら小型移動式クレーン運転講習、5トン以上なら移動式クレーン運転士の講習を受けます。
また、移動式クレーンで公道を走るには、最大積載量や車両総重量などに応じて中型運転免許や大型運転免許を取得していなければなりません。
玉掛け作業
玉掛け作業とは造園工事の現場で木や石をユニックに引っ掛けるいわゆる荷掛けのことで、やはり免許が必要です。
機械の吊り上げられる荷重の重さによって免許の種類が分かれ、吊り上げ荷重量1トン未満なら玉掛け特別教育、1トン以上なら玉掛け技能講習になります。
ショベルローダー
造園工事におけるショベルローダーの用途は、工事で出た土砂などをトラックに積みこむことです。最大荷量が1トン未満のショベルローダーに関しては、ショベルローダー等運転特別教育、1トン以上ならショベルローダー等運転技能講習の受講が義務付けられています。
尚、外観や用途がショベルローダーと同じように見える重機にホイールローダーがありますが、ホイールローダーはショベルローダーと必要な免許が異なるので注意しましょう。
刈払機取扱
刈払機とは文字通り草などを刈りとるために使う道具です。個人でもよく使用される道具ですが、個人での使用の場合は講習受講は不要となっています。業務として刈払機を使用するには刈払機取扱の作業をする人のための安全衛生教育を修了しなければなりません。
講習は、安全に作業するための知識や振動障害の予防法などが目的です。無知識で刈払機を使用することによって大怪我につながる事故も起こっているため、個人的に使用する人でも講習を受けるのが理想的だといえるでしょう。
まとめ
多くの造園業で造園工事を手掛けていますが、造園工事には色々な作業があり、作業をするにあたって作業毎に免許が無いとできないことが多々あります。
造園工事に関連する免許は数多くあり、会社が請け負う造園工事の種類や自分が携わる業務を鑑みて、必要な免許を優先的に取ると良いでしょう。比較的短期間で取得できる免許が多いので、仕事をしながらでも取得できます。
免許の種類が多いほど、可能な業務も多くなり、仕事の幅は広がるでしょう。また、造園工事での作業用に取得した免許は、建設業や土木業においても使えるので、転職の際にも役に立つはずです。