造園業に携わる上で求められる知識や能力は?

造園業に携わる上で求められる能力

仕事の種類によって求められる能力は異なります。造園業の場合、職人の世界のイメージが強く、技術力はもちろん、技術を身につけるための努力が求められることは想像に難くないですが、他にも体力や冷静な行動力などが必要です。

技術力・努力
造園業と言っても剪定や植栽、施工管理など様々な業務があり、どの業務も経験に基づく技術力が求められます。しかし、技術力は一朝一夕で身につくものではありません。

特に、初心者の頃は雑用が多く、やりたい仕事とは違う作業しかできないかもしれません。下積みの間も親方や先輩に教えを請うたり、親方の技術を盗んで自分のものになるまで練習したりするなど、向上心を持って努力することが大事です。長期間にわたって努力し続けられる根性が必要でしょう。

冷静な行動力
造園業では危険な作業を含む業務があります。例えば、高所作業車上での剪定は転落の危険性と隣り合わせの作業と言えます。

危険な作業は法で免許取得が義務付けられていますが、免許を取得していたとしても、冷静さを欠けば事故につながる可能性があります。

また、危険な作業という認識はなくても、予期せぬトラブルが起きる確率もゼロではありません。現場や状況に応じて、臨機応変に行動できる冷静さが大事です。

体力
造園業ならではと言える必須能力は体力です。造園業は基本的に屋外での作業になります。真夏の炎天下、真冬には寒空の下で作業をしなければなりません。また、造園業の業務には岩など重い物の持ち運びをしなければいけないこともあります。

体力がなければ仕事の遂行が厳しいため、人によっては仕事の時間以外にも体力をつけるための努力が欠かせないでしょう。

造園業に携わる上で求められる知識

造園業で仕事をするには、技術や能力だけでなく、知識も求められます。技術と知識をバランス良く身につけることで、より質の高い仕事ができるようになるはずです。

植木関連の知識
造園業は植物が相手の仕事でもあるため、植木関連の基礎知識を求められるのは当然だと言えます。

数多くある植物の種類の中、仕事で手掛ける植木の名前はもちろん覚えておくべきですが、自分でも検索したり、図鑑などで調べたりして植木の名前を覚える努力が必要です。

可能ならば、植物の特徴まで把握しておくと仕事をする上で役に立つはずです。また、植木に元気がない場合、原因の特定が難しいなら親方や先輩に聞くなどして原因や対策を学びましょう。

剪定関連の知識
剪定はセンスや技術力だけでできる仕事ではありません。専門的な知識が必要です。植物は種類によって剪定時期や剪定に適切な長さが決まっています。

間違った時期に剪定したり、木を切りすぎたりした場合、花が咲かなかったり、木が枯れてしまったりする恐れがあります。

剪定関連の知識があれば、顧客との打ち合わせの際に剪定に関する助言もできますし、顧客の要望に合った剪定方法を提案、実現できるでしょう。

造園関連の知識
造園業は植物に触れるだけでなく、顧客の要望に合うように庭の設計も手掛けますし、施工管理もします。

造園業と言えば日本庭園を造るイメージがあるかもしれませんが、現在ではイングリッシュガーデンなどの洋風造園の需要も増えています。

日本庭園も顧客の要望に応えるために自分で情報を集め、日々研究や練習が欠かせませんが、時代と共に需要やニーズが変われば新しいやり方や知識なども求められます。

現状の技術や知識に満足したり、固執したりすると成長は望めないでしょう。造園関連の知識の学習に終わりはなく、常に学び続けなければなりません。

造園にまつわる法律
造園業と法律は縁が無さそうに見えますが、法律を押さえておかないとトラブルになる可能性もあります。

例えば、日本では緑化推進が積極的に行われており、一定規模以上の敷地を有する建築物の新築や増築の際に、定められた割合以上の緑化を義務付ける緑化地域制度があります。造園業は法に基づいて作業をしなければなりません。

他にも造園にまつわる法律はあるので、造園業に携わる人なら造園に関連する法律は知っておく必要があります。また、法律は改正されることもあるため、常に最新情報を得られるようにアンテナを張っておきましょう。

まとめ

造園業に携わる人は、植物や造園に関する様々な知識や能力を求められます。技術や知識の習得は簡単ではありませんが、周囲の人にサポートしてもらいながら経験を積み、自分でも努力を重ねることで必ず身につくはずです。

また、造園技能士などの資格試験に挑戦するのも良いかもしれません。造園技能士は造園に関する技術や知識を持っている証明にもなります。合格することで自信を得られますし、仕事の幅を広げられるでしょう。

造園業は大変な仕事ではありますが、その分やりがいも感じられるはずです。造園業の仕事の幅はとても広いので、色々な仕事に積極的に挑戦することでできる仕事が増え、仕事を楽しく感じられるようになるでしょう。